シネマレビュー「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

こんにちは。アマゾンのプライムビデオで、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」という映画を観ました。

無知をさらけ出して恐縮ですが、アカデミー男優賞など数多くの賞を受賞しているんですね。観終わってから、ネットを検索して知りました。

これはものすごくいい映画でした。正直、大して期待せずに観たんですが、結構、序盤で引き込まれました。

その理由は、主人公リーを演じるケイシー・アフレックの演技がとてもよかったからです。(男優賞を取ったからというわけではないんですが)

ざっくりストーリーを説明すると、リーは自分の不注意で三人の子どもを焼死させてしまっています。それが元で奥さんとは別れ、今はボストンで一人暮らし。

その後、リーのお兄さんが突然なくなり弁護士の元へ行くと、お兄さんの子ども(リーにとって甥にあたる)の後見人になってほしいという遺言を言い渡されます。そこから叔父と甥っ子の僅かな時間の共同生活が始まる…、という感じです。

リーが持つ悲しい過去は、物語の中盤まで明かされません。それまでリーは、きちんと仕事はするけど客とトラブルが絶えない、バーへ行けば言いがかりをつけて殴り合いの喧嘩をはじめてしまう、そんな困った人として描かれます。

いつ暴発するかわからない暴力性を感じさせながら、悲しさと優しさを滲み出している。そんな非常に繊細な男性なんですね。それがケイシー・アフレックの演技から痛々しく伝わってきます。

最初自分は、「こういう性格の人なんだな。困った人だ」と思っていました。そこに甥っ子と急に暮らすことになり、衝突が生まれる。少しずつ心を開いていく、そんな展開を思っていたんです。

でも甥っ子が思春期らしくわがままな要望ばかり言っても、それをリーは怒ることなく受け止めるんです。「あれ、この人は暴力的な性格で、社交性が破綻しているわけじゃないんだな」と思っていると、悲しい過去が観客に伝えられるのです。

こうして感想を書きながらも、リーのことを思うととても悲しい気持ちになります。最後の最後にまたリーは酒場で喧嘩をするのですが、その後、泣きじゃくる様子にいたたまれない気持ちになりました。

かといって、陰鬱になる映画ではないです。むしろ暗い気持ちにはならない、とても温かさに満ちた心境になります。良い映画でした。

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