愚者風リーダーのすすめ : ブックレビュー「宇宙兄弟 『完璧なリーダー』は、もういらない。」

こんにちは。今日から北海道です。自宅のある金沢から小松空港へはバスを利用しました。移動時に一冊、本を読んだので、軽めにレビューします。

読んだ本は、「宇宙兄弟 『完璧なリーダー』は、もういらない。」です。

宇宙兄弟という漫画には、頼りないながら物事がうまくいってしまう、南波六太(ムッタ)というキャラクターが登場します。物語での彼の行動を分析しながら、新しいリーダー像を探ろうというのがこの本の内容です。

さて、リーダーという言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを持ちますか。

従来であれば、頭が良くて決断力があり、意志の力が強く、みんなをどんどん引っ張っていってくれる人。そんな人を想像しますよね。体育会系クラブのキャプテンみたいなイメージです。

でもムッタは全然そんな感じではありません。ぐいぐい引っ張るよりも全員の意見を聞いて理解しようとするし、ピンチになるほど周りに助けを求めます。

従来までのステレオタイプのリーダーを賢者風とするなら、ムッタのようなリーダーは愚者風であると本の中では定義しています。

賢者風リーダーのいる組織は、明確な序列がつきやすいです。組織はリーダーが決定することをトップダウン方式で従います。

こういったリーダーが統率する場合、全員の意志が一つへ向くため、スピードが出ます。リーダーが目標を設定したなら、最短でそこへたどり着くよう効率化を目指します。

高度経済成長期の日本は、まさにこのような状態だったんですね。なので歴史的に見て異常なくらいのスピードで経済発展を遂げることができました。

一方、現在の日本は、そのようなスピードを求められていません。何しろ急速な人口減少社会を迎えますからね…。むしろ必要なのはムッタのような愚者風リーダーである、というのがこの本の提言です。

愚者風は、メンバーひとりひとりの考えを尊重します。ヒエラルキーは生まれず、全員がフラットでつながるイメージです。最短で目標にたどり着くということには向きませんが、フラットなため参加する全員がリーダー意識を持ちます。

賢者風リーダータイプが組織に複数集まると、主導権を握るための競争が発生します。競争は消耗しますし、敗者は勝者に対して従うのみになってしまいます。

愚者風リーダーはそもそも組織がフラットなので、競争が発生しません。個々の意見を尊重するため、むしろみんなで作っていこうという「共創」が生まれるんですね。

賢者風リーダーが目的地へ早くたどり着けるのに対して、愚者風リーダーはより遠くの場所まで行くことのできる組織なのです。

目的地が明確だった時代ならいざしらず、変化の激しい現代では全員が知恵を絞り柔軟に対応していくほうがフィットします。

そもそも愚者風リーダーを選択すれば、「みんなを引っ張らなくてはならない」という賢者風特有の過度なストレスもなくなります。

似たようなリーダー論は多々あるかと思いますが、賢者風リーダーと愚者風リーダーというネーミングを知ると イメージをつけやすくなりますね。