出版社が電子書籍を出したがらないのはなぜなのか

ネットを見ていて、話題になっている本を読みたくなるときがあります。

そういうときはアマゾンのKindleが便利です。そのままアマゾンで検索して購入すれば、すぐにパソコンやタブレットで読むことができます。

でもすべての作品にKindle版があるというわけではないです。人気の本であっても、紙の本しか出ていないものがたくさんあります。

読みたい本を検索して、紙の本しかないとがっかりしてしまいます。注文して待つのも嫌ですし、家の中に本が増えるのも嫌です。

どうしてKindle版を出さない本があるのか。ぼくはこれが非常に不思議なんですよね。

紙のように原価がかかっていないわけですから、売れれば売れるほど一冊あたりの間接費は縮小します。つまり利幅は大きくなりますよね。出版社にとってもKindle化はよい商品だと思うのですが。

しかし現実は、紙の本しかないものがたくさんある。

これが出版社の意向なのか著者の意向なのかはわかりません。ただKindle化されていない書籍を目にするたびに、ぼくはリチャード・セイラーという経済学者が提唱している「行動経済学」を思い浮かべます。

人間というのは、どのような場合でも自分が得する方を選ぶと思いがちです。

でも実際には、得しないものをわざわざ選んだりするんですよね。ボランティア活動などが好例ですが、人の行動は自分の利益の最大化だけでは推し量れない。大雑把に言えば、これが「行動経済学」です。

Kindle化をしていない書籍というのはまさにこれで、利益の最大化からは説明のつかない行動に思えます。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。