アイルランド人は外国人旅行者に優しい。日本はどうだろう?

アイルランドに来てよく思うのは、「この国のひとは優しいな」ということです。

特にお店に入ったときに、そう思います。今日も一軒のカフェへ入りました。けっこうおしゃれな感じのところです。

どうやらオーダーをレジ前で行ない、飲み物を受け取ってから席へと着くという、スタバ方式を採用しているようでした。

メニューが見当たらなかったため、レジの前でキョロキョロとしていました。すると店員さんが近づいてきて、「大丈夫ですか?コーヒーにしますか、紅茶にしますか?」と笑顔で聞いてきます。

そう言われているときに黒板のメニューを見つけられたため、「ラテにします」とオーダーしました。すると早速、その店員さんがラテを作り始めました。

ぼくはそのそばできあがるのを待っていたんですが、そのときにも別の店員さんが近づいてきて、「大丈夫ですか?オーダーは決まっていますか?」と笑顔で聞いてくるんです。

ぼくはこれまでに約10カ国へ旅行をしてきましたが、こんなに声をかけてくれる国のひとは初めてです。今日行ったカフェだけというわけではなく、ファーストフードでも同じような感じだし、洋服を買ったときもとても親切でした。おそらく国民性なんだと思います。

ここまで読んでみて、「それって当たり前なのでは?」と思ったひともいるかもしれません。困っている外国人がいれば誰でも助けるでしょう、と。でも想像してみてほしいのですが、外国人旅行者が飲食店に入ってきたとき、日本の店員さんは「お困りではないですか?大丈夫ですか?」と声をかけるでしょうか。

誰も近づかずに、外国人旅行者の動向を遠くからうかがっている。そんな光景を日本で何度も見ています。

それは何も日本だけのことではなく、ぼくが海外旅行をしたときはだいたい同じような反応でした。ひとりで飲食店に入っても、「なんかめんどくさそうな外国人が来たな」とばかりに、誰も来てくれません。

手を上げて呼んだとしても、「なんでそんなに不機嫌なの?」と不思議に思うほど笑顔はなし。ぼくの危なっかしい英語を怪訝な顔で聞き、うなづいたあとにどこかへ行ってしまいます。

海外一人旅でそういう体験を何度もしているので、アイルランドの人たちのフレンドリーさが際立ってしまいます。

外国人旅行者に対する冷たい態度は、日本に限って言えば、「英語に対するコンプレックス」が原因なのかなと思います。

ぼくも思い返してみれば、困っている海外旅行者がいたとしても、自ら救いの手を差し伸べた覚えがありません。それはひとえに、英語でのコミュニケーションの不安感が原因でした。

ほとんどの日本人は、まともに英語を話せないんです。これは学校の授業が読解中心だったのだからしょうがありません。

でも英語がしゃべれなくても、フレンドリーな対応をしてくれるだけで海外から来たひとは安心できるんですよね。「お前はよそ者だ」とばかりに相手にされないのがいちばん傷つくものです。

こういった自分の経験を活かして、日本に帰ってからは率先して海外からの旅行者を助けたいと思いますね。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。