フィルムカメラを使うようになって、デジカメと比べて変化したこと

インスタを見ていると、たまに自分が一年前に投稿した写真が表示されます。それを見ると、「一年でずいぶん写真が変わった」と思います。

撮っているものは変わりありません。使っているカメラが変わったため、必然的に撮る写真も変化したのです。

一年前はFUJIFILMのX-T20というデジカメを使っていました。今は中判フィルムカメラのHasselblad 500C/Mを使っているわけですから、そりゃ変わるはずです。

ここでデジカメからフィルムカメラにかえてみて、変化した部分を上げてみたいと思います。

撮る枚数は激減

フィルムは現像代など費用が掛かりますが、特にハッセルは中判フィルムを使うため35ミリよりもコスト高です。そのため簡単にシャッターを切るというのがまずなくなりました。

「なんとなく撮る」ことはしなくなり、「これは良い写真になる」と自分で確信があるか、もしくは「良いかどうかはわからないけれど、どうしても撮りたい」という場面でしか撮らなくなりました。

その結果、撮る枚数は激減し、それに反比例して(あくまでも自分の基準ですが)良い写真と思える打率が上がりました。これは大きな変化です。打率が上がれば自信が生まれます。メンタル的にもいいですね。

焦ることがなくなった

ハッセルに限っていえば、被写体を見つけて写真を撮るまでに時間が掛かります。遮光板を引き出しファインダーを開け、構図をチェックして、ルーペを出してピントを合わせます。ファインダーでは左右逆に写っているため、構図の調整も一苦労。

ここまで手間取っていると、「すぐ撮りたい」と思う決定的瞬間があったとして諦めざるを得ません。そのため焦るということがなくなりました。だって焦ったところでちゃちゃっと撮れないんですから。それよりも被写体や構図を吟味して、決定的瞬間よりも構図や色が美しいものを丹念に探すようになりました。

レタッチに凝らなくなった

そして最後に、ものすごく大きなポイントがあります。自分にとっては、フィルム写真の色というのがため息が出るほど美しいんです。

デジカメで撮っているときは、自分の好きな色というのが定まらずにLightroomで調整ばかりしていました。でもフィルムで撮るようになってから、基本的に写真屋さんが上げてくれる色のままで十分と思ってしまいます。

もちろん自分の好きな色に仕上げてくれる写真屋さんを探す必要はあります。今、お願いしているところは好みの色にしてくれるので、スキャンデータを受け取ってからぼくがやることはゴミ取りと歪みの調整くらいです。

ちなみにお願いしている写真屋さんは、福岡県のALBUS(アルバス)さんです。

レタッチに凝らなくなったというのは、変化のひとつです。

デメリットを愛せるか不便と思うか

ここまで書いてみて、デジタルカメラに比べ仕上げの部分でほとんどを「フィルムとカメラと写真屋さんに頼り切っている」と思いました。その場でチェックできないのだから、自分でコントロールしきれない部分がある。シャッターを押したら、あとは現像からあがるまで待つしかないんですよね。

デジカメを撮っているときは、プレビューを確認してうまく撮れないという焦燥感によく駆られていました。でもフィルムカメラを使うようになって、それもなくなりました。

こう書くといいことづくめのようですが、もちろんデメリットはたくさんあります。というかデジカメに比べれば、デメリットしかないような。

そのデメリットを愛せるかそれとも不便と思うかで、フィルムカメラと付き合えるかどうかは変わってくるんでしょうね。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。