「フリーランスは収入が安定しないから不安」という議論について

フリーランスがいいか会社員がいいか、そんな議論をたまに目にします。

その際によく言われるのが、「フリーランスは収入が安定しない」という意見です。フリーランスのデメリットとして、必ず出てくる項目です。

それは確かにそのとおりで、フリーランスは月の収入が決まっていません。ぼくも今月や来月の収入は予測がつきますが、その先はどうなるかわからない感じ。それを不安定と指摘されれば返す言葉がないですが、デメリットではないかなと思っています。

そのあたりの自分の考えを書いてみます。

フリーランスは常に「稼ぐネタ」を探している

毎月の収入が決まっているわけではないため、フリーランスは常に「稼ぐネタ」というのを探しています。

自分のことを例えに出すなら、最初はデザイナーと2人でデザイン事務所として始めました。そのうちライターの仕事を受けるようになり、写真も撮るようになりました。さらにウェブ制作を覚えて、動画も撮っています。

当初から比べると、稼ぐネタがかなり増えてきた感じです。

これは顧客から要望を受けてやったものもありつつ、「やれることの領域」を意識的に広げていった結果でもあります。

どうして広げていったかと言えば、(最初の話に戻るのですが)収入が不安定だからですね。

不安定だからこそ、お金の入ってくる通路を意識して増やしているわけです。

すべてをうしなっても、汎用性のある経験が残る

収入の通路を増やしてPDCAを回していると、「稼ぎ方のコツ」みたいなものもわかってきます。

基本的には、失敗したものはやめて成功したものを残す。そして新しいチャレンジをするという繰り返しです。

この経験が大きいんです。いますべての収入の通路を失ったとしても、何かしらの方法で収入を作っていく自信はあります。なぜかというとすべてをうしなったとしても、それまで失敗したり成功したりしてきた経験が自分の中に残っているからです。

収入を勤めている一社だけに依存するのは危険

かたや会社員の場合ですが、確かに収入は安定しています。仕事の成果にかかわらず、毎月ほぼ一定のお金が入ってきます。

でも勤めている会社だけに収入を依存するのは、ぼくから見るととても不安定な状況に思えます。もしその会社の業績が急速に傾いてしまえば、安定だと思っていた収入が一気に消し飛んでしまう、そんな最悪の事態が考えられます。

具合の悪いことに、会社勤めをしているとその会社内での作法にだけスキルが高まっていくことが多々あります。書類のフォーマットとか、人事の調整とかですね。

それらのスキルは、勤めている会社という枠組みでのみ通用するものです。枠組みがなくなってしまうと、他社から見て魅力的と思える汎用的なスキルが積み上がっていない可能性がある。

年齢が若ければ、「再就職すればいい」と考えることができるし、おそらくそれは可能でしょう。でもそれなりの年齢になってしまうと、転職により収入が下がってしまう可能性があります。

そのため、安定しているけど一社だけに依存している状態は、ぼくから見ればとても不安定な状態に思えてしまうのです。

立場よりも、働く上で何を意識するかが大事

もちろんここまで書いたことは、「こういう見方もできる」というだけのことです。会社員の方で転職して収入が上がるひともたくさんいるでしょうし、会社がだめになっても独立して成功するひともいくらでもいるはずです。

ただ、「フリーランスは収入が不安定だからダメ」「会社員は収入が安定しているから安心」という議論は、あんまり意味がないんじゃないかなと思うんですよね。理由は今書いたとおりです。

それよりも大切なのは、収入の分散と稼ぎかたのコツを知ることですね。それらは立場に関係なく行えることです。この2つを意識してこれからもフリーランスとしてやっていこうと思っています。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。