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インタビューのコツは、取材する側とされる側との共犯関係を作ること

これまで編集者、またフリーライターとして300人くらいインタビューしてきました。相手は企業の経営者や専門職など、ほとんどが一般の方です。

対象者がインタビュー慣れしていればよいですが、一般の方は自分の考えを言語化していない場合があります。質問をしても淡白な答えしか返ってこず、そのままでは文字数が埋まらない悲劇が起こります。

そのため自分なりに工夫してインタビューしてきました。インタビューのコツを書いてみます。

インタビューのコツ

インタビューをするときは、必ず音声記録を録ります。

実は原稿はメモだけで作成するため、音声は聞き直しません。ではなぜ録っているかというと、理由は2つあります。「記録を録られている」と意識させ緊張感を生みたいのがひとつ。もうひとつは、原稿チェックの際の余計な直しを少なくしたいからです。

インタビューから時間が経って原稿を渡すと、話した内容のほとんどは忘れているものです。「こんなこと話したっけ」と修正したい衝動に駆られるでしょう。でも修正に対応していたら、何のために話を聞いたのかわからないなとぼくは思うのです。

そのため「まあ忘れたけど音声も記録してたし、きっと話したんだな。じゃあまあいいか」と修正をスルーしてもらえるよう仕向けているというわけです。

メモを取りながら、話し言葉を書き言葉に直していく

音声記録と同時に、メモを必ず取ります。原稿を書くときは、メモだけを参考にします。このメモの取り方が非常に重要です。

話し言葉は書き言葉と違い回りくどいです。同じことを何度も言ったり、なかなか話のポイントが見えなかったり。そんな話し言葉を、メモする時点で要点をしぼった書き言葉へ直します。

すると原稿を書く際にかなり楽です。話を聞き終わった時点で、すでに草稿ができているのですから。

またメモを取っていると、相手も書き留めやすいよう論理的に話してくれます。メモを取らず雑談のようにインタビューする人もいると思いますが、原稿を早く仕上げたいなら、メモを取ることをおすすめします。

話す側と聞く側との共犯関係を作ることが大切

インタビューで重要なのが相づちです。相づちのタイミングで、引き出せる話の質が変わります。

ぼくは「ここは掘り下げたほうがいいな」と思ったら、わりとしつこく「それはどうしてですか?」と疑問を投げかけます。

疑問を重ねると最初は表面的な答えであっても、徐々に本質へと答えが近づきます。

そして「この深度の答えが聞きたかった」という地点まで到達できれば、「なるほど、そういうことなんですか」とうなづきながらメモを取ります。

ぼくのその姿を見ることで、「そうか、このくらい深い回答をすると納得してもらえるんだな」と理解してもらえます。

一度この関係を作ることができれば、かなり楽になります。なぜならインタビューされる側も本質に近い答えをしようとがんばってくれるからです。

インタビューは、この話す側と聞く側との共犯関係が最も大切です。

インタビューとは、ただ適当に会話をしているのではありません。目的は読者にとって興味深い原稿を作ることです。

そのため、共通認識として「よいインタビュー原稿を作る」とわかり合い作り合う。この関係性があるかないかで、できあがるテキストの質はかなり変わります。

人の話を聞くのが好きなら、この仕事は天職になる

インタビューは話を聞くのが好きなひとが向いています。話を聞くのが苦手なら、この職業はうまくいかないです。人の話を聞くのが好きで、文章を書くのも好き。そういうひとは天職になります。

※ちなみにここに書いたのは、長くて5,000字程度までのインタビュー記事を想定しています。それ以上の長さであれば、やり方は変わってきます。

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