【結論】iPad Proは生産性を求められる仕事には適していない

昨年10月にiPad Pro 11インチを購入しました。使う用事があって買ったのですが、その後はYouTubeもしくはKindleで漫画を見る際に使うくらい。ちょっと宝の持ち腐れ感があったので、今日、仕事で使えないか試してみました。

やってみた内容は以下のような感じ。

・取材した1,000字程度のテキストの作成
・取材時に撮影したRAWデータの現像

これらは自分が日常的にやっている作業です。パソコンと比べ遜色なくやることができれば、iPad Proを積極的に使おうかと思いましたが…。結論から言うと、こういった生産的な作業に使うのは厳しかったです。

iOSは全角スペースを入れられない

まずはテキストの作成です。自分は文字入力に親指シフトを使っています。iPad Proで親指シフトを使うために、「かえうち」というアダプターを買ってあります。

そのときの記事はこちら。>>「かえうち」で、iPad+Magic Keyboardの親指シフトができるようになった

入力に関して大きな問題はありませんでした。変換のときの挙動がパソコンとちょっと異なるので、タイプミスが多くなるくらいです。エディタはApple系デバイスでのみ使用可能なUlyssesです。

Ulyssesに関する記事はこちら。>>ブログを快適に書ける、テキストエディタUlysses

書いているうちに早速、ひとつの問題が発生しました。iOSは全角スペースを入れらないのです。

iPhoneやiPad Proで全角スペースを打つ機会がなかったので、それまで気づきませんでした。ウェブのテキストならいいんですが、納品は紙媒体のため段落の行頭は全角スペースを入れなければなりません。早速、地味に困ってしまいました。

ネットで調べてみましたが、「パソコンで打ってしまったほうが早いな」と諦めました。

テキストを納品の形式に整えるのに手こずってしまう

さらにテキストに関しては、もうひとつ問題が発生しました。送り先の方はあんまりITが得意でない50代男性です。これまでの経験上、そういった方はワードの形式にしないとクレームがくるんですよね。

そう思ってUlyssesからワードの形式に変換すると、意味不明なインデントが入ってしまいました。これだと体裁が悪いため、iPad用のワードをダウンロードしてみることに。しかしサブスクリプションになっているため、データ保存するには月額1,290円を払わなくてはなりません。

いやいや、ワードを使うのにそんなお金は払えません…。

ITに慣れたひとが相手なら、それこそメールにペタッと文章を貼り付けて送ってしまっていいんですが…。この時点で、iPad Proでテキストを納品の状態に整えるのは諦めました。

写真の編集はPCに比べて、めっちゃ肩が凝る

もう一つの作業のRAWデータの現像について。iPad Proはクリエイター向けのガジェットという触れ込みです。写真の編集については、AdobeのLightroom CCを使うことができます。

Lightroom CCは、PCとモバイルとの連携を強化した写真編集ソフトです。ひとつのデバイスからデータを取り込んだり編集したりすれば、紐付いているすべてのデバイスの写真が同期されます。

同期はネット環境が良ければ、ほんの数秒で更新される感じ。いつもはLightroom Classic CCを使っていますが、Lightroom CCの同期の便利さは感動的ですらありました。

ところが、iPad Proで写真編集をするとものすごく肩が凝ってしまいました。モバイル向けにチューニングされているソフトですから、そんなに使いづらいということはないんです。それでもものすごく疲れてしまう。

画面タッチでの操作より、トラックパッドが断然快適

なぜか理由がわかりました。普段はラップトップのトラックパッドで操作をしています。写真の編集は変える項目がたくさんあったり、数値を細かくいじったりと、それなりに微妙な操作が必要となります。

MacBookのトラックパッドはものすごく使いやすいので、そういった操作を難なくすることができます。それに比べiPad Proは、画面をタッチして調整しなければなりません。これがトラックパッドに比べて、とても面倒なんですね。

できないことはないけど、ともかく肩が凝ってしまう。これもしばらくして諦めてしまいました。

生産性を求められる仕事は、iPad Proには向いていない

結論としては、「 iPad Proで仕事はできないことはないけど、PCに比べてめっちゃ面倒」といったところでした。

ブログを書いたり、iPhoneで撮った写真を誰かに送ったりといったニーズは十分に応えてくれます。でもガチで生産性を求められる仕事に使おうと思うとストレスがたまりまくりです。

同じ仕事でも原稿やデザインのチェックなどには、ものすごく適しているんですけどね。送られてきたPDFにアップルペンシルで赤入れすれば、そのままメール添付して返送できます。とても便利です。

でも文章をガツガツ書いて大量の写真を編集して…、という作業となると、圧倒的にパソコンのほうが早いです。

パソコンに飽きたら、気分転換に使うのは全然アリ

だからといって「もう二度とiPad Proでは仕事をしない」というわけではないです。同じコンピューターばかりで仕事をしていると飽きてしまいますから、気分転換にiPad Proを使うのは全然アリ。

今後のアップデートでもっとビジネスユースに寄せてくると思います。現状では、「ここがもうちょっとこうなればなー」と歯がゆい思いをしながら、ゲーム感覚で使うのがいちばん良いかもしれません。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。