公開日 2019-04-26 最終更新日 2021-04-13
『進撃の巨人』の最新刊が出ると真っ先に買っています。
毎回思うのは、「この漫画は本当にすごいな」ということ。
何がそんなにすごいのか。
この記事の目次
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『進撃の巨人』のすごさを改めて考えた
まずは伏線がすごいです。
物語の中心は調査兵団です。
壁外にいる巨人の生態調査を行い、人類が自由になる術を探っています。
この調査兵団の中に、敵であるはずの巨人が主人公を含め4人もいました。
人間の姿をして混じっていたのです。
これは物語の中盤になり判明しますが、1巻から丁寧に読み返すとそれを裏付ける伏線が多数挿入されています。
読んでいるときに何ら不自然と思わなかった多くの行動に、「なるほどそういうことだったのか」と後になって納得する。
作者はかなりしっかりプロットを組んでから、この漫画をスタートしたのです。
そうでないと納得がいかない。
行き当たりばったりとは思えない、丁寧な伏線がありすぎです。
単純な勧善懲悪ではない複雑な構造
次にすごいと思うのは、敵・味方の概念がないことです。
この漫画を読むと、最初のうちは「人類 vs 巨人」の構造だと思います。
巨人は知性がなく、ただただ人類を食べるのが目的です。
しかも食べたら多少消化したあとに、吐き出してしまいます。
口の中に入れて殺すことだけが目的なのです。
そんな存在は当然ながら人類にとって敵です。
調査兵団は巨人を倒すことばかり考えて日々訓練に明け暮れます。
しかし物語の途中から、「巨人は人間が変化したもの」という事実が明らかになります。
憎むべき異質な存在である巨人は、自分たちと同じ人間だったのです。
この瞬間から、巨人を倒す目的が揺らぎます。
そりゃそうです。
化物と思っていた正体が人間だったのですから。
この物語は、善と悪が対立するような単純な構造ではないのです。
中盤から一気に広がっていく世界観
この「敵味方の概念がない」のは、なにも「人類 vs 巨人」に限りません。
序盤から中盤は、壁の内側からの視点で物語は描かれます。
ところが21巻から、別の国の物語がはじまります。
壁の内部しか人類はいなかったはずなのに、実際には壁の外に多数の国があったのです。
それまでは壁の内側の視点だけだったのに、彼らを憎んでいる人たちがいて、実際に攻撃を仕掛けている。
読み進めると、「何が正しくて何が間違っているのか」わからなくなります。
謎を解明しつつ、壮大なストーリーへ発展
そのためこの漫画は、「巨人をやっつけてすっきりする」という単純なバトルものにはなりませんでした。
巨人を利用し生き残ろうとする、人間と人間の果てしなく長い戦いの物語なのです。
それらを最初から明かさずに、「巨人とは一体なんなのか」「なぜ壁に囲まれているのか」を少しずつ解き明かし壮大なストーリーへ発展させる。
なによりこの手法がすごいです。
最新刊の28巻を買ってから、1巻から読み返しました。改めて「すごい」とうなります。
この分だと、これまでに読んだ漫画の中で最高点を付けることになりそうです。
『ドラゴン桜』から学んだ、目標達成のためにすべきこと
漫画から学ぶことはたくさんあります。
『ドラゴン桜』の印象的なセリフを書きました。
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