伝えたいなら小さな声で

ぼくが好きな言葉に、「伝えたいなら小さな声で」というのがあります。誰が言った言葉だろうと検索してみましたが、まったくヒットしませんでした。本に書いてあったのか、SNSで誰かがぼそっとつぶやいた言葉かもしれません。

この言葉は、自分の中で真理になっています。普通は逆だと思いますよね。会議でも食事の席でも、注目を集めるのは大きな声で発言するひとです。

ただ考えてみると注目は確かに集めるのですが、そのひとの発言をまともに聞いているかといえば微妙な感じ。

声の大きなひとは往々にして強引です。自分のやり方を押しつけたがります。そういったひとの発言は「まあ、めんどくさいから好きにやればいいやん」みたいな感じになります。少なくともぼくはそうです。だからあんまりきちんと聞く気にならないんですよね。

でも小さな声で発言するひとはその逆。何しろ声が小さいので、静かにしないと聞き取れません。雑談をしていても、それをやめて小さな声の発言に注目します。聞き取ろうと意識を集中します。

おもしろいですよね。みんなに届けようと大きな声を出せば人は離れていきますが、小さな声だと近づいてきてくれるのです。

この言葉の好きな部分は、「足すよりも引く」発想にあります。「目立ちたい、注目を集めたい」と思うなら、会話であれば音量を大きくし、広告であれば文字を大きくしたくなる。

でもこれではダメなんですよね。音量が大きくなれば騒音になるし、文字が大きくなればノイズになります。足せば足すほど、人は離れていってしまうのです。

だからもし本当に聞いてもらいたいのならば、勇気を持って小さな声で発信してみる。小さな声というのは、つまり大げさな言葉を使ったり、煽り文句を書いたりしないということです。

注目を集めるためにただ無意味な言葉を喚き散らすのではなく、本質的なことを静かな言葉で書き連ねていく。

実際に行なうのは難しいですが、いつもこのことは胸の中に置いています。

Scroll to top