仕事の文章は、感想文であってはいけない。木下 是雄著『まんがでわかる 理科系の作文技術』レビュー

理科系の作文技術

仕事をする上で、避けて通れないのが文章の作成です。
資料作りだけでなく、メールやメッセでも、文章力があるかないかで仕事の進め方に違いが出ます。

木下是雄さんの書いた『理科系の作文技術』は、仕事で必要とされる文章の書き方が明瞭に記してあります。

今回紹介するのは、もともと新書で出ていた同書をマンガ化したものです。
新書もマンガも読みましたが、マンガのほうがストーリー仕立てで伝わるため紹介することにしました。

この本は「新入社員全員に、配ったほうが良いのでは?」と思うほど良書です。

重要なチャプター01のみ紹介します

マンガの舞台は、アプリなどを開発している企画会社です。
そこに契約社員として、新卒の女性が入社します。

早速、上司から資料の提出を指示されますが、ことごとく却下されます。
「なぜお前の書いた文章は、ダメなのか?」その理由を聞きながら、仕事で必要とされる文章の書き方を指導してもらう。
『まんがでわかる 理科系の作文技術』は、そんな形式を取っています。

今回の記事では、チャプター01の「仕事の文書の心得」のみ紹介します。
というのも、この章を読むだけでも、人によっては仕事の文章の書き方が劇的に変わると思うからです。

仕事の文書は、必要なことのみ書く

主人公の女の子は、入社初日に上司から人工知能に関する資料を渡されます。
そして、「このなかから、防犯システムへの活用を抜き出して、要旨をA4のレポート1枚にまとめろ」と指示を受けます。

主人公はSF小説で入賞の経験があり、「文章を書くのが得意」と自覚しています。
自信満々で資料を書き上げるのですが、あえなく却下されます。

なぜ彼女のレポートはダメだったのか?理由は以下です。

・「 A4レポート1枚」と指示されたのに、3枚にまとめている
・「人工知能の防犯システムへの活用をまとめろ」言われたのに、防犯システム以外の活用まで記載されている
・心情的な表現が多用され、明瞭さに欠ける
・裏付けのない、主観的な感想が散見される

これらをまとめて、上司は仕事の文書の大原則を端的に表します。

「必要なことはもれなく記述し、必要でないことは一つも書かない」

『まんがでわかる 理科系の作文技術』より

自分自身の苦い経験

第一章の重要な箇所をまとめてみました。
いかがでしたでしょうか。

ここからぼくの経験を少しお話しますが、この章を読んでいて「仕事を始めた頃の自分は、まさにこんなだったな」と思い返しました。

今でもよく覚えているんですが、20代なかばで入社した会社の上司から、「書店へ行って、花に関する雑誌の種類を調べてきてくれ」と指示を受けました。

早速、駅前の本屋へ行ったぼくは、並んでいる雑誌をメモし、良かれと思ってその内容とターゲット層なども資料へ書き込みました。
「この雑誌は30〜40代を対象にし、主に首都圏の…」といった感じで、寸評を加えたんですね。

意気揚々と作り上げた資料を上司に渡すと、「オレが頼んだのは雑誌のリストであって、内容の分析はオレがするから」と呆れられました。

今考えると「何をやっているんだ、昔のオレは…」といった感じですが、やっていることは『理科系の作文技術』の新人社員とまったく同じ。
相手が求めていることに応えず、頼まれてもいない自分の余計な感想を書いていたのです

ぼくは正直いって出来の良い社員ではなかったので、「こんなことをやるのは自分ぐらいだろう」と思っていましたが、マンガのエピソードを読み、そうでもないかもと思い直しました。

新入社員だけでなく、指導する上司も

特に仕事をやり始めたばかりのときは、なんとか自分の能力をアピールしたくて、資料に主観的な感想を書きがちです。

良い上司に巡り合って指導してもらえればいいですが、教えてもらえず放置されたら、何が悪いのかいつまでもわかりません。

そんな仕事を始めたばかりの新入社員はもちろん、指導する立場のひとにとっても参考になる本かなと思います。

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