MacBook Pro16インチは、どうやらすごいらしい。
そんな話がネットで調べるとちらほら出てきます。
でもすごさのポイントが、Appleのサイトを見るだけでは今ひとつピンときません。
MacBook Pro16インチは、前モデルに比べグラフィックを処理するGPUの処理能力がアップし、その性能を落とさないよう排熱設計が見直されました。
そこでこの記事では、MacBook Pro16インチのすごさを、GPUと熱設計の2点から解説します。
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MacBook Pro16インチって、何がすごいの?GPUと熱設計がめちゃ進化
まずはGPUについて解説をします。
GPUと言葉だけ聞くと、なにか難しい印象がありますね。
パソコンには処理を行なうチップが入っています。
そのチップは、2種類。
ひとつが全体の計算処理を行なうCPU。
そしてもうひとつ、画像処理を専門に担当するのがGPUなんです。
そもそもGPUって何?
画像処理と一言で言っても、その種類はたくさんあります。
アイコンを表示するのも画像処理ですし、写真を編集したり、動画を編集したり、高負荷のゲームを表示する際にも使用します。
特にMacBook Proは、写真家やビデオグラファー、デザイナーなど、クリエイター向けに最適化されたノートパソコンです。
そのためGPU性能は、MacBook Proにとって要とも言える大切な要素です。

GPUには統合と独立がある
もう少し詳しく、GPUについて説明をします。
GPUにはCPUと統合しているもの(iGPU)と、CPUから独立しているもの(dGPU)があります。
そのことが、MacBook Proの性能に大きく関わっています。
統合しているGPU (iGPU)とは
最初の方に、コンピューターにはCPUとGPUの2種類のチップがあると書きました。
CPUは全体の計算処理を行なうチップでしたね。
統合しているGPUとは、このCPUの中にGPUが一緒になっている状態を言います。
統合すると良い点があって、まず価格を安くできます。
またパソコン内のスペースを少なくできます。
MacBook Pro13インチは統合のGPUしか入っていないのですが、まさにその結果、価格を抑え小型化を達成できているわけです。
統合GPUのデメリット
ただデメリットも当然あります。
統合していると、メモリをCPUと分け合うことになります。
そのためCPUが負荷の高い処理をしていると、GPUのメモリが足りなくなってしまうんですね。
またGPU自体の性能も、独立しているものに比べ劣ります。
独立しているGPU (dGPU)とは
一方、独立しているGPUは、CPUと分けて設置されています。
メモリを共有しませんので、処理を食い合うことがありません。
また統合しているGPUに比べ、高性能になります。
端的に言えば、独立しているGPUのほうが良いんです。
独立GPUのデメリット
ただ欠点もあります。
独立していますから、その分、統合に比べスペースを必要とします。
また価格も高いです。
16インチのGPUは?
では16インチのGPUはどうかというと、統合型と独立型の両方を備えています。
そして処理によって、最適なGPUをその都度選んでいるのです。
13インチは統合型のGPUしか備えていませんから、この事実ひとつとっても13インチより16インチのパフォーマンスの優れていることがわかります。
独立しているGPUを搭載していること自体は、前モデルの15インチと同じです。
ただ16インチはより性能の高いものを搭載していて、前モデルに比べて2倍以上の高速化を達成しています(Apple公式サイトより)。
このGPU性能の向上こそ、MacBook Pro16インチがすごいと言われる大きな理由のひとつです。

熱設計が進化
もうひとつの熱設計について解説していきます。
特にノートパソコンを使っていて、背面やトラックパッドに熱を感じたことはないでしょうか。
パソコンは電気を使って動きます。
特にチップには、小さな面積に回路が敷き詰めてあります。
そこに電子が流れて摩擦熱が発生し、負荷の高い処理を行なうと高熱を発生させるのです。
高熱はパソコンの大敵
熱はパソコンの大敵です。
100度近くの高温にもなります。
そのためCPUは高熱を感じると、危機を回避するためパソコンの動作を止めてしまいます。
これが熱でパソコンが急に落ちたり、暴走をする理由です。
特にノートパソコンはやばい
特に薄型・軽量を目指しているノートパソコンは、熱問題が常につきまといます。
パソコン内部に隙間がなくなり、CPUを冷やす冷却装置がうまく効かないんですね。
薄型・軽量を目指した結果、熱処理が構造上うまくいかないというわけです。
なかなか歯がゆい問題です。
MacBook Pro15インチまで、熱問題を解決できなかった
MacBook Proの場合、アルミの堅牢で薄型ホディに人気があります。
プラスチック製にして背面に排気口を開けては、魅力がなくなってしまうでしょう。
一般的なノートパソコンに比べ、冷却がうまくいかないのは見るからにわかります。
サーマルスロットリングによる性能低下
そのため15インチのMacBook Proには、熱による問題がつきまとっていました。
高熱によりパソコンを停止しない代わりに、サーマルスロットリングと呼ばれる機能でCPUのクロック数を下げ熱暴走を防いでいたんです。
わかりやすく言えば、高熱になるとメチャ性能が低下したんですね。
新製品発表のたびにCPUやGPUの性能アップをアピールしても、排熱処理がうまくいかなければその性能を発揮できません。
これはMacBook Proの大きな課題でした。
16インチは、冷却装置が大きく改善

16インチはこの冷却装置を、設計段階で大きく見直しました。
おそらくバタフライキーボードを諦めたことが大きかったと思います。
キーボードについては、以下の記事に詳しく書きました。
前モデルより1mm弱の厚くできたこともあり、28%空気の流れが増加しました。
熱を吸い取って放熱するヒートシンクも、35%アップしています(どちらの数字も、Apple公式サイトより)。
実際、100枚以上のRAWデータの画像処理を行なっていても、ファンの音を聞いたことがありません。
13インチはすぐにファンが回りだすため、「 16インチはパワフルだな」といつも感じています。
まとめ
ここまでMacBook Pro16インチのGPUと熱処理について解説しました。
もちろんパソコンの評価は、処理能力だけで語られるものではありません。
ディスプレイの表現力やボディサイズ、キーボードの打ちやすさ、スピーカー、価格など、あらゆる要素のバランスの上で評価されます。
そのなかでMacBook Pro16インチのすごさは、高性能のGPUを搭載し、その性能を落とさない冷却装置を備え、その上で薄く持ち運び可能なボディサイズに収めたことにあります。
これらが、「クリエイティブな作業をやるなら、16インチ」と言われるゆえんです。
この記事がMacBook Pro16インチを検討している人の、何かしらの参考になれば思います。
13インチと16インチの比較記事はこちら
MacBook Pro13インチと16インチで迷ったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
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