Sidecarで、iPadがさらに輝きます。
iPadを買ったはいいが、「あんまり出番がないな…」とホコリをかぶっていませんか。
MacとiPhoneがあると、その中間サイズのiPadは意外と使う機会がなくなります。
そんなときはAppleのSidecar機能を使って、iPadをMacのセカンド・ディスプレイとして使うのをおすすめします。
デュアル・ディスプレイとアップルデバイス同士の連携で、作業を効率化できます。
そこでこの記事では、Sidecarを使ったiPadのセカンドディスプレイのメリットと、設定方法を詳しく解説します。
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SidecarでiPadをMacのセカンド・ディスプレイに。作業効率を高める使用方法を解説
この記事では最初に、サイドカーを使うメリットと適したアプリを紹介します。
その後に具体的な設定方法と使い方、注意点を説明します。
3つのメリット
まずSidecarを使うことのメリットから。
まとめると以下の3つです。
- ディスプレイが広くなる
- 同じマウスとキーボードで操作できる
- アップルペンシルを使い、iPadならではの作業を円滑にできる
1. ディスプレイが広くなる
Sidecarを使うと、iPadをMacのディスプレイにつなげられます。
ディスプレイの領域がiPadの大きさ分、単純に大きくなりますので、それだけ作業効率がアップします。
iPad側にカレンダーやリマインダーなどタスク管理アプリを常駐させたり、ブラウザ用の画面に使ったりと、使用用途が広がって便利です。
2. 同じマウスとキーボードで操作できる
Sidecarのポイントは、iPadがセカンド・ディスプレイになる点です。
iPadをただMacのそばに置いているだけでは、操作が別になるため面倒なんですよね。
セカンド・ディスプレイ化してしまえば、Macで使っているキーボードとマウスを使い、そのままiPadを操作できます。
これがかなり快適です。
3. アップルペンシルを使い、iPadならではの作業を円滑にできる
iPadには、専用のデバイスとしてアップルペンシルがあります。
Sidecarを使えば、アップルペンシルで便利な操作が可能になります。
例えばMacでスクリーンショットを撮ると、タイムラグなしにそのままiPadのアップルペンシルで描写が可能です。
iCloudやDropboxで同期させることなく、ほぼリアルタイムで書けてしまいます。
セカンド・ディスプレイに相性のいいアプリ
セカンド・ディスプレイで作業領域が広くなるとは言え、iPad側に何をおいてもいいわけではありません。
やはり、セカンド・ディスプレイと相性のいいアプリは存在します。
自分が思う相性の良いアプリは、以下の6つです。
- カレンダー
- ウェブブラウザ
- PDFなど資料
- Evernote
- ミュージックアプリ
- Adobeソフト
1. カレンダー
Sidecarと相性の良いアプリの筆頭は、Macのカレンダーです。
作業しながら常にカレンダーが視界に入っていると、スケジュール管理の意識が高まりますね。
スケジュール調整も、すぐに対応できます。
2. ウェブブラウザ
ウェブブラウザは、最もよく使うアプリですね。
例えばメインで使うものをMac側に表示し、サブのブラウザをiPad側に置いておく。
iPad側には、SNSなど常にチェックしたいものを常時表示すれば、簡単にマルチタスクが可能になります。
3. PDFなど資料
仕事でテキストを書いていると、資料のPDFを次々に表示することがあります。
PDFが複数になると、必要なものを探すのに手間がかかりますね。
そこでiPad側に最も頻繁に見るものを表示させておけば、探す手間を短縮できます。
4. Evernote
Evernoteのヘビーユーザなら、iPad側に常時表示させると便利です。
何かメモりたいときも、必要な資料を検索するときも、アプリを立ち上げる手間がなくなります。
Evernoteにその日のタスクを書き、常に表示しておくと生産性がアップしそうです。
5. ミュージックアプリ
SpotifyやAmazon Musicなどミュージックアプリを、iPad側へ表示しておいてもいいですね。
好きなミュージシャンを聴きながらアルバムジャケットを出しておけば、さらに心地よい時間を過ごせると思います。
6. Adobeソフト
AdobeソフトはiPad用のソフトが出ていますが、同期の手間がやはり面倒。
iPad側に表示させれば、アップルペンシルで細かい作業がすぐにできます。
Sidecarの設定条件
ではここから、Sidecarの設定について説明していきます。
Sidecarは、MacとiPadがあればすぐにできるわけではありません。
実現するためには、いくつかの条件があります。
対応機種
公式ページに、MacとiPadそれぞれのSidecar対応機種が書いてあります。
ここ2年くらいに購入したデバイスであれば、問題なく使えそうです。
【Mac 対応機種】
- MacBook Pro (2016 年以降に発売されたモデル)
- MacBook (2016 年以降に発売されたモデル)
- MacBook Air (2018 年以降に発売されたモデル)
- iMac (2017 年以降に発売されたモデル、および iMac (Retina 5K, 27-inch, Late 2015))
- iMac Pro
- Mac mini (2018 年以降に発売されたモデル)
- Mac Pro (2019 年に発売されたモデル)
【iPad 対応機種】
- iPad Pro (全モデル)
- iPad (第6世代) 以降
- iPad mini (第5世代)
- iPad Air (第3世代)
対応OS
またOSも条件があります。
MacOS → macOS Catalina以上
iPad → iPadOS 13以上
最新版にアップデートしておけば、問題ありません。
同じApple IDでiCloudにサインインする
これは当然といえば当然ですが、MacとiPadは同じApple IDでiCloudにログインする必要があります。
これが条件として入らなければ、カフェやオフィスなど自分以外のひとのiPadがセカンド・ディスプレイ化してしまいますね。
無線通信の条件
Sidecarは、MacとiPadをコードでつなげずとも使用できます。
ただそのためにも条件が4つあります。
- 両方のデバイスの距離が10メートル以内
- ブルートゥース・Wi-Fi・Handoffを有効に
- iPadでモバイルデータ通信を共有しないでおく
- Macでインターネット接続を共有しないでおく
通常の設定のままであれば、特に問題ないでしょう。
デバイス同士のUSB-C接続も可能
MacとiPadをワイヤレスでつなげても、まったく遅延なくセカンド・ディスプレイとして使えます。
ただiPadの充電は減っていきますから、心配ならMacとUSB-C接続すると良いでしょう。
有線接続で反応がより良くなるのと同時に、MacからiPadへ給電されるため、iPad側のバッテリーの心配がなくなります。
Sidecarの設定方法
ではここから、Sidecarの設定方法を解説します。
といっても、拍子抜けするほど簡単です。
前述の設定条件を満たした上で、MacのメニューバーのAirPlayアイコンをクリック。
出現する以下の項目のどちらかをクリックすると、Sidecarが開始します。
- 内蔵Retinaディスプレイをミラーリング
- 個別のディスプレイを使用

AirPlayのアイコンが見当たらない場合は、下記を行なってください。
システム環境設定 > ディスプレイ > 「使用可能な場合はメニューバーにミラーリングオプションを表示」のチェックを入れる

ミラーリングか個別ディスプレイかを選ぶ
ミラーリングを選ぶと、Macに表示されているディスプレイとまったく同じものがiPadに表示されます。
一方、個別ディスプレイを選ぶと、Macのデュアル・ディスプレイとしてiPadが使えるようになります。
ミラーリングはAdobeソフトなどで、iPadをペンタブレット化するときに重宝しそうです。
ほとんどのケースは、個別ディスプレイとして使用することになるかなと思います。
ディスプレイの配置を調整する
Sidecarを開始したら、2つのディスプレイの配置を決めておきましょう。
マウス操作でディスプレイ間を移動する際、使いやすい配置にしておかないと作業効率が下がります。
やり方は、以下になります。
システム環境設定 > ディスプレイ > 配置
小さい方がiPad、大きいほうがMacのディスプレイなので、操作しやすい位置にどちらかを移動する。

基本的にはMacとiPadの実際の配置位置と同じにしておくと、混乱なく使用できるでしょう。
Sidecarの使い方
ではここからは、Sidecarの以下の使い方を解説します。
- iPadへの画面表示のやり方
- サイドバーとタッチバー
iPadへの画面表示のやり方
Macに表示している画面をiPad側へ移すには、2つ方法があります。
一つは単純に画面をiPadへドラッグする方法です。
もうひとつは、ウインドウの緑色の拡大ボタンを利用する方法。
緑色のボタンの上にポインタを置くと、表示するリストの一番下に「iPadに移動」があります。

これをクリックすると、iPad側へアプリの画面が移動します。
移動した際は、iPadの画面いっぱいにディスプレイサイズが調整されます。
ドラッグでもボタンでも、やりやすい方を選んでください。
サイドバーとタッチバー
iPadには、操作領域としてサイドバーとタッチバーが新たに表示されます。
この2つの解説をします。
サイドバー
Sidecarをスタートすると、iPadの画面左側にサイドバーが出現します。
キーボードを使うことなく、主要なキーをタッチで操作できます。
内容は上から順番に、以下のようになっています。

- フルスクリーン時に、メニューバーを表示する。
- ドックを表示。
- コマンドキー
- オプションキー
- コントロールキー
- シフトキー
- ひとつアクションを戻す
- キーボードを表示
- Sidecarの解除
通常の使い方をしていれば、それほど必要なものではないでしょう。
アドビソフトでペンタブレットのように使う場合は、キーボードに手を置き換えなくて良いので便利かもしれません。
タッチバー
MacBook Proのタッチバーを、Sidecarを使っているiPadでも表示できます。
マウスなどポインタでの操作は不可で、アップルペンシルもしくは指でのタッチのみ可能です。
サイドバーとタッチバーは、非表示にできる
iPadに表示するサイドバーとタッチバーは、あまり使いやすいと言えません。
表示する分、iPadのディスプレイの領域を使うので、非表示にしたほうが良いように思います。
非表示のやり方は、以下になります。
システム環境設定 > Sidecar > 「サイドバーを表示・Touch Bar を表示」のチェックを外す

Sidecar利用時の注意事項
Sidecarは便利な機能ですが、2つ使用上の注意点があります。
- iPadは指でのタッチ操作ができなくなる
- そのままでは、iPadアプリを使えない
1. iPadは指でのタッチ操作ができなくなる
iPadにカレンダーやウェブブラウザを表示させていると、つい指でタッチしてしまいます。
しかしSidecarは、あくまでもiPadをセカンド・ディスプレイにする機能です。
そのためiPadのタッチ操作は、Sidecarの使用中は無効になります。
ただ、以下のジェスチャは使用可能です。
- スクロール:2 本指でスワイプ
- コピー:3 本指でピンチイン
- カット:3 本指で 2 回ピンチイン
- ペースト:3 本指でピンチアウト
- 取り消す:3 本指で左にスワイプか、3 本指でダブルタップ
- やり直す:3 本指で右にスワイプ
2. そのままでは、iPadアプリを使えない
くどいようですが、Sidecarを使うことでiPadはMacのセカンド・ディスプレイになります。
そのためiPadにインストールされているアプリを使うには、iPadのメイン画面へ戻る必要があります。
戻り方はiPadの通常の操作通り、ディスプレイ下から一本指で中央へスワイプします。
するとアプリ一覧画面へ行くので、そこで使いたいアプリを選ぶか、もう一度下から上へスワイプして、iPadのホーム画面を表示させます。
Sidecarに戻りたいときは、ドッグの一番右に表示しているSidecarのアイコンをタップします。
まとめ
ここまで、Sidecarについて説明してきました。
iPadはとても便利なデバイスですが、MacとiPhoneを持っていると出番がなくなるケースがあります。
そんなときはMacのセカンド・ディスプレイとして使える、Sidecarを試してみてください。
単純にMacの作業領域が増えますし、Appleの行き届いたデバイス間の連携は使っていて心地よいです。
セカンド・ディスプレイとしてMacの横にiPadを常駐させると、iPadが再び輝き出すと思います。
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