iPhone13 Proは12 Proに比べ、より「Proっぽく」なった。どのくらい進化したか解説

公開日 2021-09-15 最終更新日 2021-09-17

毎年恒例の、新型iPhoneの発表が2021年9月15日に開かれました。
前作のiPhone12で外見のリニューアルを行ったため、iPhone13ではマイナーチェンジにとどまっています。

そうは言っても、特にPro系には機能的にかなり良いものが搭載された印象。
iPhoneには無印とProの2つのラインナップがあり、それぞれ2サイズずつで計4モデルがあります。
中でもiPhone Pro Maxシリーズはただ画面が大きいだけでなく、最もスペックの高いハイエンドの位置づけです。

その機能は、スマホとしてみればオーバースペックと思えます。
しかし映像や写真のプロユース仕様なのだと思えば、合点がいくでしょう。
この記事では、iPhone13 Proが前作からどのくらい進化したかを詳しく見ていきます。

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iPhone13 Proは12 Proに比べ、より「Proっぽく」なった。どのくらい進化したか解説

まずは、前作との価格の違いです。

13 Pro12 Pro13 Pro Max12 Pro Max
128GB122,800円117,480円134,800円129,580円
256GB134,800円129,580円146,800円141,680円
512GB158,800円153,780円170,800円165,880円
1TB182,800円194,800円
価格の比較

各容量で前作より約5,000円値上げ

同じ容量で比較すると、iPhone13 Proはそれぞれ約5,000円値上げしました。
Maxにいたっては最小容量128GBで13万超えなので、かなり高級なスマホと言えます。

といっても2020年に発売したGalaxy Note 20Ultraは、発売当初の価格が256GBでも16万円くらいでした。
それを考えると、iPhoneはまだ値上げされる余地がありそうです。

ついに1TBモデルが登場

大きな特徴として、初めて1TBモデルが登場しました。
もちろん一般の人にとって、ここまではまず必要ないでしょう。
ぼくはiPhone12 Pro Maxの128GBモデルを使っていますが、使用容量を確認したら30GBに満たないほどでした。
かなり頻繁に写真を撮る人でも、512GBでお釣りが来ると思います。

つまり容量1TBは、iPhoneでがっつり動画を撮る層に向けてのモデルです。
その証拠に、最もストレージの低い128GBモデルでは、後述する最大4K・30fpsでのProResビデオ撮影が使えません(1080p・30fpsまで)。

ハード面は若干、大きく重くなった

外観は、iPhone12 Proからほぼ変更なしです。
若干、厚みが増している程度。

iPhone12 Proの厚み7.4 mmに対し、iPhone13 Proは7.65 mm。
その差は0.25mmと、無視して良いレベルです。

重量アップ

気になるのは、重量が重くなってしまったこと。
iPhone12 Proの187gに対しiPhone13 Proは203g、iPhone12 Pro Maxの226gに対しiPhone13 Pro Maxは238gです。
外観に特段の変更点は見当たらないので、この重量アップが何によるものかはわかりません。

しかしさすがにiPhone13 Pro Maxの238gは、重すぎのように思えます。
そろそろ軽量化を考えてもらわないと、iPhone Max系の好きな人はスマホを持つために手首の鍛錬が必要になってきます。

リフレッシュレートが最大120Hzに

iPhone13 Proは、iPhoneで初めてリフレッシュレート120Hzまで対応しました。

リフレッシュレートとは、ディスプレイの描写力を表す指針の1つです。
これまでのiPhoneは、60Hzでした。
これは、一秒間に60回新しい画像を描写できることを意味します。
120Hzでは、その画像の数が120回と2倍です。
一秒間の画像枚数が多くなるほど、より滑らかでスムーズな描写が可能となります。

状況に応じてリフレッシュレートが変化

iPhone13 Proのリフレッシュレートは常時120Hzではなく、最大120Hzなのがミソ。
描写の回数が多くなると、当然ながらそれだけ電力を多く消費します。
そのため高いリフレッシュレートを必要としない状況(例えば、文字を読んでいるときなど)では、最小10Hzまでと自動的に少なくなるのです。
さらにスクロール時でも、指の速さに応じリフレッシュレートは可変します。

可変するリフレッシュレートは珍しい技術ではないですが、iPhoneは今回、かなり細かくチューニングしたようです。
例えば24フレームの映画を見ているときは、リフレッシュレートを24Hzに。
30フレームのゲームをしているときは、リフレッシュレートを30Hzに自動変更します。

ゲームだからと常時120Hzにするわけでなく、アプリや指の動きに応じ柔軟に変わるのです。

バッテリーが長持ちになった

この可変リフレッシュレートを実現するため、グラフィック描写を担当するGPUの数を4コアから5コアへと一つ増やしました。

可変リフレッシュレートの搭載により、滑らかな描写だけでなく、より長時間使用できるバッテリー性能も実現しています。

バッテリー時間が大幅にのびた

iPhone13 Proでは、バッテリーの稼働時間が大幅にのびました。
前作との違いが、以下です。

13 Pro12 Pro13 Pro Max12 Pro Max
ビデオ再生最大22時間最大17時間最大28時間最大20時間
ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間最大11時間最大25時間最大12時間
オーディオ再生最大75時間最大65時間最大95時間最大80時間
バッテリー時間の比較

だいたい1.2〜1.4倍、ストリーミングのビデオ再生では約2倍と、大幅にバッテリー稼働時間が伸びました。
iPhoneの登場から10年以上経過しても、まだバッテリー時間に伸びしろのあるのがすごいです。

その理由はA15 Bionicチップへと、一世代新しくなったチップの性能差があるでしょう。
その他に、可変リフレッシュレートで電力消費を抑えているのが大きいと思います。

一般的なユーザにとって最も使い心地に直結するのは、リフレッシュレートとバッテリー稼働時間です。
この2つの性能アップは、ユーザにとって嬉しいですね。

超広角カメラの性能がアップ

毎回、性能アップするカメラは、超広角レンズが良くなりました。

iPhoneの写真はカメラ内での処理が素晴らしく、適当に撮るだけで発色の良いキレイな写真が撮れます。
しかし前作までは、広角レンズと、超広角・望遠レンズとの性能差が気になりました。
性能の一番の違いは、絞りの開放値です。

絞りとは、センサー部分へ光を取り込む調整機能です。
数字が小さいほど多く光を取り込め、暗所でもノイズ少なく撮影できます。

iPhone12 ProとiPhone13 Proとでは、絞り値が以下のように変わりました。

13 Pro12 Pro13 Pro Max12 Pro Max
望遠ƒ/2.8ƒ/2.0ƒ/2.8ƒ/2.2
広角ƒ/1.5ƒ/1.6ƒ/1.5ƒ/1.6
超広角ƒ/1.8ƒ/2.4ƒ/1.8ƒ/2.4
絞り値の比較

超広角がより明るく撮れる

前作と比べ、超広角側がf/1.8と大幅に明るくなりました。
これはおそらく、超広角レンズの室内でのニーズが高かったからでしょう。

室内のどんな環境でもノイズの少ないキレイな画質で超広角が使えるよう、ブラッシュアップしたのだと思います。

超広角はマクロ撮影にも対応

超広角は絞り値だけでなく、最大2cmまで寄れるマクロ撮影も追加されました。
この機能は、動画撮影時にも使用可能です。
タイムラプスなどで、表現の幅が広がりそうですね。

望遠レンズはより被写体を大きく写せる

望遠レンズは、絞りが少し暗くなってしまいました。
その代わりiPhone12 Pro Maxの焦点距離65mmから、77mmへ変更。
光学ズームも前作の2倍から3倍と、より被写体を大きく写せるようになりました。

望遠レンズの使い勝手も、超広角同様、トータルで向上しています。

ビデオ撮影もスペックアップ

最後に、ビデオ撮影について。
写真に負けず、どんどん進化していくiPhoneのビデオ撮影機能ですが、iPhone13 Proでは最大4K・30fpsのProResの撮影が可能になりました。

ProResでの撮影が可能に

ProResとは、2007年にAppleが発表した映像データのフォーマットです。
圧縮しながらも高い画質を維持し、レンダリングしても劣化の低いのが特徴。
ProResのまま撮って出しされることはまずなく、編集を前提とした中間コーデックとなります。

iPhone従来のmovに比べデータ量は多くなりますが、編集時に扱いやすいプロ仕様のデータです。
ProResでの撮影が可能になったのは、iPhoneが本格的な映像機材に一歩近づいたことを意味します。

ちなみにProResは、一番容量の少ない128GBでは4k・30fpsで使用できません(1080p・30fpsまで)。
ただ4KでProResを使いたい人はそもそも128GBを選択しないでしょうから、これは大きな問題にはならないでしょう。

シネマティックモードで自動的にピント送り

ビデオ撮影でもう一つ注目の新機能は、シネマティックモードです。
こちらはPro限定の機能ではなく無印のiPhone13でも使えますが、ユニークな機能なので紹介します。

例えばフレーム内に人物が二人いる場合、iPhoneが主体を判断し、自動でフォーカスを合わせます。
自動フォーカスは珍しくありませんが、主体が変わったら(例えば別の人がカメラに顔を向けたら)フォーカスも自動で切り替わるのがシネマティックモードの特徴。
自動フォーカスしたくない場合は、手動でももちろん操作できます。

すごい機能ではありますが、こればかりは実際に試してみないと、どのくらい使えるものかわかりませんね。

まとめ

iPhoneにProモデルが登場したのは、iPhone11からです。
当初は無印と比べそれほどソフト面でのPro感がなく、自分としては「価格差をつけるための記号」という認識でした。
その後、世代を重ねiPhone13 Proになると、無印とProの差がより明確になってきました。

今回のカメラ機能のアップデートを見ると、おそらくiPhoneはカーナビやコンパクトカメラを駆逐したように、デジタルカメラや映像の撮影機材をこの世からなくそうとしていると感じます。

常時、回線につながっているiPhoneは撮影機材として優秀

一眼レフカメラなどに比べ、iPhoneの利点は小さいだけではありません。
なによりも、常時、屋外回線につながっているのが強みです。

もしiPhoneで納品レベルの撮影が完全にできるようになれば、ネット回線から素材をシームレスにMacへ保存できます。
デジタルカメラのように、SDカードなどを媒介する必要はありません。
iPhoneからすぐにデータを転送し、Macで編集できるのです。
手間が少なくなるだけでなく、データ紛失のリスクも軽減します。

もちろんiPhone内で完パケまでスムーズに仕上げられれば、そのままネット上へアップも容易です。
マイナーチェンジとは言え、iPhone13 Pro / Pro Maxにはこれまで以上に「Proっぽい」性能アップを感じました。

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iPhone12 Pro及びiPhone13 Proは、ProRawと呼ばれる写真形式での撮影が可能です。
加工前の生データのため、自分の撮影意図を反映した編集ができます。

以下の記事で、ProRawの設定や編集について解説しました

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