少し出遅れて注文しましたが、2021年9月28日に iPhone13 Pro Max が到着しました。
購入から一週間以上経過したので、使用レビューします。
正直言って、とても満足度が高いです。
ぼくはiPhone4Sから、ほぼ毎年iPhoneを買い替えています(iPhoneXとiPhone11はスキップしました)。
最新作だから満足度の高いのは当たり前かもしれませんが、それでもiPhone13 Pro Maxは、「これまでのiPhoneとは明らかに違う」と思います。
大げさに言えば、異次元の感触なのです。
購入一週間のiPhone13 Pro Maxの感想【ProMotionが快適】
今回のiPhone13シリーズで個人的に最も大きな進化は、リフレッシュレート120Hz(ヘルツ)の対応だと思っています。
リフレッシュレートとは、一秒間に切り替わるディスプレイの表示枚数のこと。
120Hzは一秒間に120回、画面が切り替わることを意味しています。
これまでのiPhoneのリフレッシュレートは、60Hzでした。
iPhone13シリーズも、Proモデル以外は60Hzのままです。
リフレッシュレート120Hzの世界を体験したい場合、価格の高いProシリーズを選ぶしかありません。
予算が許すならProシリーズをすすめる
iPhone13とiPhone13 Proとの価格差は、同じストレージで24,000円です。
リフレッシュレート以外にも外観の違いやProResでの動画撮影など、Proでしかやれないことがあります。
この価格差は、なかなか絶妙なところをついている印象です。
もし予算に余裕があるなら、リフレッシュレート120HzのProモデルをおすすめしたいです。
自動可変のリフレッシュレートを採用
リフレッシュレート120Hzは、特に目新しいものではありません。
アンドロイドでは2020年頃から、多くの機種で標準装備されています。
Appleは新機能の多くを、Androidより遅れて搭載します。
そしてApple独自のネーミングを付けて、「なんとなくすごい感」を演出するのが得意です。
可変リフレッシュレートのProMotion
今回のリフレッシュレート120Hzの対応を、AppleはProMotionとネーミングしました。
ProMotionと名付けるからには、単純に120Hzになっただけではありません。
ユーザが使っている状況に合わせて、10Hz~120Hzまでリフレッシュレートを可変させるのです。
Appleはこの可変を、「アダプティブリフレッシュディスプレイ」と名付けています。
(ちなみにスマホの可変リフレッシュレートは、iPhone13 Proが初搭載ではありません。
2020年8月発売のGalaxy Note20 Ultraがすでに搭載しています)
なぜリフレッシュレートを、使用状況に合わせて変えるのか。
そのメリットは、消費電力の低減にあります。

高リフレッシュレートのデメリットはバッテリー消費
リフレッシュレートを60Hzから120Hzへ2倍にすると、ディスプレイ上で書き換わる画像の枚数が倍になります。
それだけコンピュータに負担が掛かり、当然ながら電力も多く消費します。
高リフレッシュレート対応のAndroidの中には、60~120Hzに手動切り替えできるオプションを設けているものがあります。
そのオプションの存在する理由は、「画面の滑らかさは損なうが、バッテリーを長持ちさせたい人は低リフレッシュレートを選んでね」というメーカーからのメッセージです。
画面の切り替わる枚数を多くすればするほど(高リフレッシュレートにすればするほど)、バッテリーの消耗は激しくなる。
リフレッシュレートとバッテリーの稼働時間は、完全にトレードオフの関係にあります。
なぜiPhoneは、Androidより新機能搭載が遅いのか
毎度のことながら、iPhoneはアンドロイドに比べ新機能の搭載が遅いです。
例えば、Androidが初期から搭載していたウィジェットは、iPhoneは2014年のiOS 8からの搭載です。
おサイフケータイも、iPhoneは2016年からと遅いです。
Androidでできる画面分割にいたっては、いまだiPhoneに採用されていません。
Appleは優先順位を、「バッテリー持ち」に置いている
Appleのこの姿勢は、一見、保守的に見えます。
しかしぼくは、Appleはもっと根本的な問題を考慮しているのだと思っています。
それはバッテリーの稼働時間です。
スマホはバッテリーがなくなると、使い物になりません。
バッテリーの稼働時間は、高機能よりも重要です。
Appleの考えには、まず優先順位の上位にバッテリーの稼働時間があるのでしょう。
そして、バッテリー稼働時間が現行機種の水準を守れるのなら、新機能の搭載をGOする。
そんな方針に思えるのです。
ProMotionは、バッテリー問題を解決
そう考えると、リフレッシュレート120Hzを搭載した背景も理解できます。
Appleほどの資金と技術があれば、iPhoneのリフレッシュレートを120Hzにすることなど造作ないでしょう。
しかし高リフレッシュレートは、バッテリー消費を速くします。
この問題を解決するため可変リフレッシュレートを採用し、「バッテリー稼働時間に問題ない」と判断した上、iPhone13 Proシリーズからの搭載になったのだと推測します。
高リフレッシュレート搭載でもバッテリー稼働時間アップ
iPhone13 Proシリーズは、高リフレッシュレートを採用したにも関わらず、バッテリー時間は減っていません。
それどころかiPhone12 Proシリーズに比べ、1.2~1.8倍もアップしています。
高リフレッシュレートで滑らかに動作させるため、グラフィックを担当するGPUを4コアから5コアへアップしました。
ただ画面表示を滑らかにして使用中の体験のみ快適にするのではなく、バッテリー持ちをもアップさせ、トータルの満足度を向上しているのです。
12 Proに比べて明らかに滑らかな操作感
実際にiPhone13 Pro Maxを使っていても、いつどこでリフレッシュレートが変化しているのかまったくわかりません。
従来の60Hzから120Hzに変わったとしてもその変化は微細なので、気づかないのが当たり前かもしれませんが、どのアプリのどの画面を触っても以前より滑らかに感じます。
ブラウザやPDFをスクロールしているときはもちろん、アプリを閉じてホーム画面に戻るときも動作がとても滑らかで心地よいのです。
リフレッシュレートは体験の良さに直結する
iPhone13 Proシリーズにおいて、Appleはカメラ性能の良さを強くアピールしています。
もちろん、より美しい写真や動画を撮れるに越したことはないです。
しかし普段使っているときにインパクトあるのは、最大120Hzの高リフレッシュレート。
一週間使って見るだけでも、「これまでと次元が違う」と明らかに感じた部分でした。
まとめ
iPhoneはその名の通り、「進化した携帯電話」という位置づけの製品です。
しかし高機能な携帯電話ではなく、実際は「電話もできる高機能な携帯型コンピュータ」なのは誰もが理解しているでしょう。
美しい写真が撮れ、行き先のナビができ、ネットで調べ物ができ、YouTubeやKindleなどコンテンツ消費もできる。
そしてそれらほとんどを、ディスプレイの操作で行います。
可変リフレッシュレートのProMotionが搭載されたことで、iPhoneの快適さが一段階アップしたと感じました。
バッテリーもさらに長持ちした上、GPUが強化されたことで、操作自体もよりキビキビと快適になっています。
「iPhoneはもうこれ以上、進化しないだろう」と思ったところから、また一段階上の体験を与えてくれる。
「やはりAppleはすごい」と、最新作のiPhoneを一週間、手にして思った次第です。