『白いネコは何をくれた?』レビュー【マーケティング戦略】

公開日 2021-12-21 最終更新日 2021-12-23

昔読んだ『白いネコは何をくれた?』を読み返したら、「これはやはり良い本だ」と再確認しました。
マーケティングの基本的なことを理解でき、企業だけでなく個人が成果を上げる方法や転職で自分を売り込む際に応用できます。

そこでこの記事では、『白いネコは何をくれた?』の骨子である戦略BASiCSを簡単にまとめてみます。

『白いネコは何をくれた?』レビュー【マーケティング戦略】

戦略BASiCSとは、本の著者である佐藤義典氏が作ったマーケティング理論です。
この本は最初から終わりまで、この戦略BASiCSの理論を解説しています。

本の大部分は白ネコとサラリーマンの物語

解説といっても、難しい内容ではまったくありません。
なぜなら本の大部分は、物語になっているからです。

タイトルの白いネコとは、なぜか日本語を話せるマーケティングの先生です。
その白いネコにさえない広告代理店営業の主人公が出会い、戦略BASiCSを学ぶことで成長していきます。

物語自体は「こんなにうまくいくか?」と若干、ご都合主義的ではありますが、わかりやすいストーリーで感情移入できます。
読み終わると、「戦略BASiCSはよくできた理論だ」と感心すると思います。

戦略BASiCSとは?

戦略BASiCSとは、マーケティング用語の頭文字からできています。
使用しているマーケティング用語は、以下の通りです。

  • B – バトルフィールド(戦場)
  • A – アセット(独自資源)
  • S – ストレングス(強み)
  • i – インテグレーション(一貫性)
  • C – カスタマー(顧客)
  • S – セリングメッセージ(メッセージ)

これらを順番に定義づけていくと、売りたいものや自分自身の売り込み方の最適な戦略を作れます。

戦略BASiCSを順番にやれば、一貫性のある戦略を作れる

ではここから、ひとつひとつを解説します。
読みながら、自分の売りたいものを当てはめてみてください。

B – バトルフィールド(戦場)

バトルフィールドは文字通り、戦場を意味します。

マーケティング戦略を考える際に重要なのは、「そもそもあなたは、どの戦場で戦うのか?」です。
戦う場所を決めないと、最適な戦略を策定できません。
またどの戦場を選択するかで、誰と戦うかも定義されます。

例えば、飲食店をオープンするとしましょう。
もし低価格を売りにするなら、マクドナルドや吉野家、コンビニが競合です。
高級路線を目指すなら有名なオーナーシェフの経営するレストランや、高級ホテルが競合となるでしょう。
当然ながらどちらを戦場とするかで、戦略はまったく変わってきます。

まずは戦場と競合を定義することが、戦略を考える上で必要です。

A – アセット(独自資源)

アセットは、企業や個人が持っている独自資源をさします。

独自資源は客観的な事実として、企業や個人が所持しているものを定義します。
例えばぼくは、石川県金沢市で暮らしています。
地方都市の金沢に住んでいること自体は、良いも悪いもありません。
客観的な事実であり、ぼくが所持している独自資源です。

戦略を考える際には、「会社や自分自身にはどんな資源があるか」を一覧にしてみましょう。

S – ストレングス(強み)

ストレングスは、強みをさします。

強みと独自資源とは、一見、似ているように思えます。
独自資源は、客観的な事実として所持している資源をさしました。
強みはその独自資源に、意味づけをしていきます。

例えば先程の例で、ぼくには「石川県金沢市在住という独自資源がある」と書きました。
金沢市に住んでいることは、都心部に比べ情報の取得に関しては弱みと言えます。
一方、観光都市の金沢を、地元民ならではの視点で見られる強みにもなります。

C カスタマー(顧客)

カスタマーは、顧客をさします。

カスタマーでは、「どんな人に売りたいのか」「どんな人に支持されたいのか」を定義していきます。

例えばぼくが、飲食店を出すとしましょう。
低価格の戦場を選ぶと、資本を持ったチェーン店が競合となり太刀打ちできません。
そこで「独自資源を強みにできないか?」と考えます。

金沢に暮らしていることは、地元民ならではの金沢の情報を取得できる強みと言えます。
またこうしてブログを書いているのも、広告に頼らず情報発信できる強みになりそうです。

強みを生かして顧客をイメージする

金沢在住とブログ運営を強みにするなら、「金沢の穴場スポットがわかる飲食店」などはどうでしょうか。

まずはブログで金沢の穴場スポットを紹介し、SEOで「金沢 観光 穴場」などで検索上位を狙います。
金沢に何度もきている人は、定番からちょっと外れたスポットを求めています。
そのニーズにブログが応えられれば、ブログを動線として「この飲食店に行けば、金沢の穴場スポットを教えてもらえるかも」と集客できるかもしれません。

そこで、顧客のセグメントを以下のように定義します。

  • 金沢に来る観光客
  • 何度もリピートしている人
  • 穴場スポットを探している人
  • 情報を探し出せるリサーチ力のある人

こうして顧客をしっかり定義すると、戦うべき場所や競合、自分の強みがより明確になります。

S – セリングメッセージ(メッセージ)

セリングメッセージは、そのままメッセージをさします。

ここまでの「戦場・独自資源・強み・顧客」の4つをとおし、「自分の使命は何か?」を定義づけます。

飲食店の例を引き継いで、メッセージを考えてみます。
金沢在住でブログを更新しているぼくが飲食店を出す使命は、県外の観光客の人にもっと深く金沢を愛してもらうことです。
それをメッセージにするなら、以下などがしっくりきます。

リピートする観光客を、一層、金沢の虜にする

メッセージを意識しながら活動すれば、行動にブレがなくなりますね。

i – インテグレーション(一貫性)

最後に戦略BASiCSのiを解説します。
iは、一貫性をさします。
一貫性とは、「i以外のすべての戦略に一貫性をもたせる」という意味です。

マーケティング戦略を行う上で、一貫性をもたせるのはとても大事です。
例えばぼくが、「金沢の穴場スポットを知れる飲食店」を実際に作ったとしましょう。
そこで顧客を「ツアーの団体客」と定義したら、どう思いますか。

金沢に何度もきている人は、自由に行動したいでしょうから個人観光客が多いです。
一方、ツアー客は、初めて金沢に来る割合が高いです。
金沢への初旅行なら、王道の兼六園や金沢21世紀美術館へ行きたいと思うでしょう。
そんなツアー客に、穴場スポットを紹介するのはちぐはぐな感じがします。

このように戦略BASiCSの要素に一貫性を持たせないと、戦略の破壊力が弱まります。
戦略を策定したら、「一貫性に欠いたものはないか」とチェックするようにします。

一冊の本で、マーケティング戦略を学べる

この記事はざっくり解説なので、「わかったようなわからないような」といったふんわりした印象かもしれません。

白いネコは何をくれた?』の構成は、まず戦略BASiCSの解説から始まり、間に物語を使った活用例を出し、最後にもう一度、戦略BASiCSを解説しています。
一貫して戦略BASiCSについて話しているので、本を通して読むと腹落ちすると思います。

マーケティングの第一歩に最適

マーケティングをきちんと学ぼうと思うと、カタカナ言葉がたくさん出てきてとっつきにくいです。
この本は平易な表現で、「なるほど、そういうことか」と自然に思えます。

マーケティングを学びたい人は、取っ掛かりとしてこの本を手にとってみてください。