【文章と会話】うまく伝えるためのたった一つのコツ

公開日 2021-11-18 最終更新日 2021-11-19

「きちんと文章を書いているのに伝わらない」
「話をまともに聞いてもらえない」

そんな風に感じているなら、書き方や話し方を少し変えると、大きく改善する可能性があります。
この記事ではメンタルモデルを意識して、相手に用件をスムーズに伝える方法を解説します。

「最後まで読まないとわからない」は脳に負担が掛かる

ぼくは、いくつか有料メルマガを購読しています。
その中の読者からのQ&Aを読んでいると、たまに頭に入ってこない質問文を見かけます。

頭に入ってこない質問文は、以下のような書き方をしているケースが多々あります。

まず自分の背景を書く → 次に周りの状況を書く → 次に社会状況を書く → 文章の最後に、質問したいことを書く

この書き方だと読んでいる人は、「この人は何を質問したいのだろう」と文章の最後まで考えながら読まなくてはなりません。
文章の肝である質問内容が、自分のことなのか、友達のことなのか、社会情勢なのか、それすら最後まで読まないとわからないのです。

すぐに内容がわからないと読むのをやめてしまう

お気付きの通り、この書き方では脳に負担が掛かります。
文章は「結局、何を伝えたいのか」がなかなか見えないと、読んでいる方は集中力が続きません。

その結果、ブログなどウェブ記事であれば離脱されてしまうし、メールや報告書などビジネス文書では重要なことが伝わらずトラブルを招きます。

【文章と会話】うまく伝えるためのたった一つのコツ

書き手が著名な作家ならともかく、「きちんと伝えたい」「文章を最後まで読んでもらいたい」と思うなら、メンタルモデルの意識を癖にしましょう。

メンタルモデルとは、認知心理学で使われる用語です。
その意味は、「人があらかじめ持っているイメージ」です。

誰しも自分がわかっていることであれば、すんなり頭に入ってきますよね。
あらかじめイメージを持っている状態で読めば、文章を理解するスピードは速くなります。
その逆にまったく知らないことであれば、理解するのに脳に負荷が掛かります。

メンタルモデルを意識せず前提や背景から書き始めるのは、読む相手に負担を掛けることになるのです。

メンタルモデルの使い方

文章はメンタルモデルを意識すると、読み手の負担を低下させます。
具体的なテクニックには、文頭に要約を置いたり、ひとつの段落にひとつのトピックだけを書いたりと色々あります。

その中ですぐ実践に使える最も簡単なものは、文の最初に「以下の文章は○○について書いたものです」と一言そえるといったもの。

イメージを提示すれば、理解がスムーズになる

思い出してみてください。
この記事を読もうと思った人は、「伝える文章を書くにはどうしたらよいのか?」と考え、たどり着いたはずです。

この文章のタイトルや冒頭に「伝える文章の書き方」というテーマを提示しており、ここまでの内容もそれに合致しているからすんなり理解できていると思います。

この記事のタイトルが「みんな自分のことしか考えない」といった曖昧なもので、なおかつ冒頭に「伝える文章の書き方」というイメージの提示がなかったらどうでしょうか。
読み始めても、「この文章は何について書いているのだろう」となかなか見えてこず、不快感が出てくると思います。

最初にイメージの提示があるかないかで、それ以降の文章の理解度に大きく差が出てくるのです。

文章はタイトルや文頭にイメージを提示する

伝えやすい文章を書く際には、まずタイトルで「この文章は○○について書いてあります」と告げるのがいちばん良いです。

誰かに文章で質問を送るなら、「質問です。○○は、□□したほうが良いですか?」と質問内容をまず書く。
その後に、自分の背景や周りの状況など詳細を書く。

そうすれば読んでいる人は、質問の内容を頭に入れた上で読み進めるため、文章をすんなり理解できます。
最後まで読んでくれる可能性は、飛躍的に高まるでしょう。

会話でもメンタルモデルを意識する

メンタルモデルを意識したほうが良いのは、文章だけではありません。
会話も同じです。

友達や家族との雑談なら良いですが、上司へ報告するときは特に注意したいです。

忙しい上司への報告の仕方

いつも忙しくしている上司から、「要点は?」「回りくどい」と注意されたことがありますか。
もしあるなら、メンタルモデルを意識していない証拠です。

上司の仕事は部下から報告を聞き、その内容に基づいて適切な判断をすることです。
話を聞くこと自体が、目的ではありません。
そのため部下からの回りくどい話の理解で、余計なエネルギーを使いたくないと思っています。

上司に報告するときは、

「先日、指示を受けた○○の報告をしてもいいですか?
調査の結果、△△は□□でした。
その理由は…」

と最初に結論を伝えてから、細かい状況など説明するようにしましょう。

話のプロはメンタルモデルを使っている

実はこのメンタルモデルは、仕事など真面目な場面だけに使われるわけではありません。

例えば漫才コンクールの、M-1を思い出してみてください。
漫才コンビが登場し、最初に近況など当たり障りない話をします。

そこから、

「…というわけで、一度、タクシー運転手をやってみたかったんだよね」
「だったら実際にやってみようか」

と場面転換します。

この「…というわけで、一度、タクシー運転手をやってみたかったんだよね」を聞いて視聴者は、「これからタクシーの場面が始まるんだな」と予測でき、場面転換をすんなり受け入れられます。

もしこの一言がなく突然、タクシー内の寸劇が始まれば、視聴者はしばらく何が起こっているかわからずおもしろさは低下するでしょう。
「これからこの話が始まりますよ」という一言が、会話でも文章でも大切なのがわかります。

何かを伝えたいなら、メンタルモデルを意識しよう

メンタルモデルは文章だけでなく、小説でも映画でも、人へ何かを伝える際のあらゆる場面で使われています。

もし自分の考えやイメージを伝えたいと思ったら、メンタルモデルを意識するとうまくいくと思います。
冒頭にほんの一言、「これから○○の話をしますよ」と告げてみてください。