睡眠不足は悪影響を及ぼす。良い睡眠の効能とよく眠るための方法を解説

公開日 2021-07-03 最終更新日 2021-07-04

毎日、十分な睡眠をとっていますか?

睡眠不足が身体に悪いのは、皆さん承知のことでしょう。
しかし影響がどのくらいか、今ひとつイメージできないかもしれません。

先日、読んだ書籍『睡眠こそ最強の解決策である』に、かなり詳しく書いてありました。
記載内容のほぼすべてが、研究所など実験結果に基づいており信ぴょう性があります。
そこでこの記事では『睡眠こそ最強の解決策である』をもとに、睡眠の身体に与える影響や、よく眠るための方法を解説します。

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睡眠不足の悪影響

まずは睡眠不足による影響です。
忙しいビジネスマンは、5時間〜6時間半くらいの人が多いかもしれません。
そのくらいの睡眠時間は、非常に良くないです。

睡眠不足のときは、「集中力が続かない」と感じると思います。
しかし睡眠不足は、そんな生易しいものではありません。
悪影響をまとめると以下になります。

  1. 集中力の減退
  2. 感情の暴走
  3. 寿命を縮める
  4. 生殖機能の減退
  5. 免疫力の低下

1. 集中力の減退

まず睡眠が足りないと、集中力が奪われます。
ペンシルバニア大学のデーヴィッド・ディンゲスが行った実験では、4時間睡眠を6日間続けると、24時間起きていたのと同程度のパフォーマンス低下が見られました。

「自分は6時間寝ているから大丈夫」と思ったなら、大間違い。
6時間睡眠の場合、10日間続けると24時間起きていた人と同じレベルまでパフォーマンスが低下するのです。
常時、6時間程度しか寝ていない人たちは、普段から能力をまったく発揮できていません。
実にもったいないです。

2. 感情の暴走

寝不足のとき些細なことで苛立ったり、その逆に感情が高ぶったりした経験があると思います。
睡眠が不足すると、感情の抑制が効かなくなります。
人間は感情のコントロールを、前頭前皮質と扁桃体を結びつけて行います。
睡眠不足はこの結びつきをなくすため、感情にブレーキが掛からなくなるのです。

人間関係は、日常を支障なく過ごす上でとても大切なものです。
寝不足が慢性化しているひとは、すぐに怒ったり悲しくなったりして、感情の暴走で人間関係が悪化します。
幸せに過ごすため、十分な睡眠を心がけましょう。

3. 寿命を縮める

集中力や感情だけでなく、睡眠不足は寿命を縮めます。
睡眠不足は心臓病・肥満・認知症・糖尿病・ガンなどと、因果関係があるとされています。

狩猟民族は、睡眠時間が短く眠りが浅いです。
その理由は、いつなんどき猛獣に襲われるかわからないからです。
そのため狩猟民族は交感神経系が活発になり、睡眠中も「戦うか、それとも逃げるか」の臨戦モードを持続します。
それと同じで寝不足は睡眠中も、「戦うか、それとも逃げるか」の臨戦モードになります。

睡眠不足は心臓発作と脳卒中のリスクを高める

睡眠中に臨戦モードでいると、心拍数が上昇します。
血圧が上がり、コルチゾールというストレスホルモンが増えます。
その結果、さらに血圧が上昇。
全身の不調を癒やす成長ホルモンの分泌も減り、傷ついた血管の内壁が補修されません。
こうして睡眠不足は、心臓発作と脳卒中のリスクを高めます。

肥満になってさらに不健康に

また睡眠が不足すると、肥満にもなりやすいです。
4〜5時間しか睡眠をとらないと、食欲が大幅に増加します。
その理由は、睡眠が足りないと満腹感を知らせるレプチンの分泌が減り、食欲を刺激するグレリンの分泌が増えるからです。
そうして知らずに過大なカロリーを摂取し、肥満へ突き進みます。

睡眠不足でただでさえ疾患のリスクが高まるに加え、さらに肥満で不健康へまっしぐら。
睡眠の大切が、わかってもらえるでしょうか。

4. 生殖機能の減退

自分自身の体調だけでなく、睡眠不足は子孫繁栄にも影響します
データによると睡眠の少ない男性は十分にとっている男性に比べ、精子の量が29%少ないことがわかっています。

男性だけでなく、女性にも影響があります。
睡眠時間が日常的に6時間以下の人は、卵胞刺激ホルモンの量が20%減少します。
このホルモンは排卵に欠かせないもので、受精に影響があります。

5. 免疫力の低下

睡眠不足が免疫力低下を引き起こすのは、よく知られています。
カリフォルニア大学のアリク・プラザー博士の実験では、7時間半〜8時間半ねむった人は、インフルエンザの予防接種に力強い抗体反応を示しましたが、4時間睡眠の人は7時間半〜8時間半ねむった人に比べ、50%の免疫反応しか示しませんでした。

感染症だけでなく、免疫機能が弱くなるとガンのリスクも高まります。
人間の体内には、ガン細胞を排除するナチュラルキラー細胞があります。
このナチュラルキラー細胞が、8時間眠った人に比べ4時間睡眠の人は70%も少なくなるのです。

睡眠の効能

ここまで睡眠不足の悪影響を見てきました。
よく眠りさえすれば、これらのリスクは低減します。
つまり以下の効能が期待できます。

  • 集中力が持続し、生産性アップ
  • 感情が抑制され、人間関係が円滑に
  • 病気に掛かりにくくなり、健康な毎日を送れる

それだけでなく、良い睡眠には2つの効能があります。

  1. 記憶力の向上
  2. 運動記憶の向上

1. 記憶力の向上

物を覚えると、その記憶は一旦、脳の海馬に蓄積されます。
ただし海馬は、容量がそれほど多くありません。
起きたままでいると、新しい記憶が入るにつれ古い記憶は抜け落ちていきます。

一方、記憶したあとに睡眠をとると、海馬に入った記憶は皮質へ移動します。
皮質は海馬より容量が大きく、記憶を長期的に保管できます。
こうしてよく眠ることで記憶が定着し、記憶力の向上へつながるのです。

2. 運動記憶の向上

あるピアニストは、何度練習してもうまく弾けなかった箇所が、一晩寝たあとに不思議とできるようになったそうです。
寝ている間は、当然ながら身体は動かしていません。
練習せずにうまくなるのは、不思議な現象です。

その理由は、寝ているときに運動記憶が脳の回路へ移動するからです。
脳は眠ったあとでも無意識下で練習を続け、覚醒した際には意識しなくてもできるレベルへ習熟するのです。

睡眠が発生する仕組み

ここまで、睡眠不足の悪影響とよく眠ることの効能を見てきました。
では次に、「睡眠はどのようなメカニズムで発生するのか」を理解しましょう。

  1. 概日リズム
  2. 睡眠圧

1. 概日リズム

人間は明かりのない真っ暗な場所でも、おおよその時間を測れます。
その理由は、24時間(正確には、約24時間)を測る体内時計を持っているからです。
これを、概日リズムと言います。

この概日リズムに基づき体温は午後にピークを迎え、就寝する夜にかけてゆっくり低下します。
つまり人間の身体は、夜へ向けて眠りへの準備をしていくわけです。

2. 睡眠圧

概日リズムに加え、人間の脳内にはアデノシンと呼ばれる物質があります。
アデノシンは、眠るよう脳に圧力(睡眠圧)を加えます。

アデノシンは睡眠によって精算され、朝から夜に掛けて再び増えます。
その量のピークは、起床から12〜16時間後。
もしあなたが朝7時に起きたなら、夜11時には眠くてたまらなくなるでしょう。
その理由は脳内にアデノシンが増え、睡眠圧が十分に掛かったからです。

良い眠りを得るための方法

人間の眠りが、「概日リズム」と「睡眠圧」によることがわかりました。
ではその現象をもとに、良い睡眠を取るための方法を紹介します。

  1. デジタル機器を使わない
  2. アルコールを摂取しない
  3. カフェインをとらない
  4. 部屋の気温を下げる
  5. 眠れないときは布団から出る

1. デジタル機器を使わない

スマホやタブレット、パソコンなど、我々の暮らしにはデジタル機器がたくさんあります。
デジタル機器には刺激的な動画などで興奮し、眠れなくなる要素もあります。
それ以上に良くないのは、ディスプレイの光です。

夜が更けて暗くなると、メラトニンという物質が「夜になったぞ」と身体に信号を送ります。
その信号で眠りの準備をしますが、ディスプレイの光はこのメラトニンの分泌を抑える働きをします。
例えばiPadで読書をすると、紙の本に比べメラトニンを20%以上抑えることがわかっています。

よく眠るためには、メラトニンの信号をきちんと受け取る必要があります。
そのため就寝前には、デジタル機器を使わないようにしましょう。
寝室にデジタル機器を持ち込むなど、もってのほかです。

2. アルコールを摂取しない

アルコールは、睡眠を阻害します。
「寝酒するとよく眠れる」という人がいますが、それは自然な睡眠ではありません。

アルコールによる睡眠は、言うなれば軽い麻酔を掛けられた状態です。
自然な睡眠時のような記憶の定着や整理が行われず、夜中に何度も目覚めるため身体も休まりません。
よく眠るためには、アルコール摂取をきっぱりやめましょう。

3. カフェインをとらない

眠くなる理由の1つは、アデノシンが脳内にたまり睡眠圧を掛けるからです。
ところがカフェインは、このアデノシンを遮断する働きがあります。
アデノシンが発生してもカフェインがブロックし、脳は眠気を感じないのです。

その効果が短時間で終わるなら良いですが、カフェインは飲んだあと5〜7時間でようやく半減するほど強力です。
夕方5時にコーヒーを飲んだなら、深夜0時でようやく半分になる感じ。
よく眠るためには、午後のカフェイン摂取は控えましょう。

4. 部屋の気温を下げる

体内時計(概日リズム)によって、日が暮れるにつれ体温は低下します。
ところが寝室の室温が高いと、体温が下がらず眠気が訪れません。
冬はよく眠れても、夏に寝苦しさを感じる人が多いと思います。
その理由は、室温の高さにあります。

寝付きをよくするには、室温は下げましょう。
最適な室温は、18.3度とされています。

5. 眠れないときは布団から出る

眠るために色々取り組んでも、それでも寝付けない日があるでしょう。
そんなときは布団から出て、本を読むなり雑誌を読むなりして、睡眠圧が掛かるまで過ごすと良いです。
眠れないまま布団にいるとストレスを感じ、余計に眠れなくなります。

まとめ

「睡眠は大切」とわかっていても、ついつい夜ふかしすることが誰しもあります。
しかしこの記事に書いたように、睡眠不足は以下の5つの悪影響を及ぼします。

  1. 集中力の減退
  2. 感情の暴走
  3. 寿命を縮める
  4. 生殖機能の減退
  5. 免疫力の低下

眠りに落ちるメカニズムを理解し、十分な睡眠で自分の能力を発揮していきましょう。

質の高い睡眠のために試したことを紹介

質の高い睡眠を送るため、個人的に色々と試してみました。
以下の記事で、睡眠をよくとるため試したこととその結果を紹介しています。

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