『超速』のレビュー【仕事をもっと速く効率化する】

公開日 2021-06-12 最終更新日 2021-10-24

いわゆる「効率化」の本を、定期的に読みたくなります。
その中で、先日よんだ『超速』が良かったので紹介します。

効率化の本と言えば、日本やアメリカの作家が書いたものを思い浮かべます。
この本は3人の共同執筆ですが、本の中でフランスの話題が何度か出たので、おそらく著者たちはフランス人だと思います。

個人的にフランス人の書いた効率化の本を、初めて手に取りました。
ヨーロッパの人たちは、自分の時間を大切にするイメージがあります。
仕事の効率化にも、こだわっていそうです。

では早速、レビューしていきます。

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『超速』のレビュー【仕事をもっと速く効率化する】

何かしら新しいことを試すと、一旦は効率が下がります。
その後、習得レベルが上がるに連れ、以前より短時間でできるようになる。
新しいやり方は、いったん効率が落ちてから上昇するJ字形の曲線を取ります。

いくら効率良いやり方でも、最初のうちは従来のやり方のほうが速くできます。
新しいやり方は慣れるまで、苦痛すら伴います。
そのため初期の段階を我慢できず、元のやり方に戻ってしまうケースが多々あります。
この本の基本概念は、こういった「J字型曲線」の克服にあります。

自分の習慣に批判的な目を持つ

最初の効率の落ちる部分は、自分への投資と思いましょう。
効率化には、痛みを伴うのが当たり前。
その最初の痛みを未来への投資ととらえ、新しい方法を試してみるのです。

もしこの本を読んだあと、仕事に何も変化が起こらないなら、あなたは自分の習慣に対しもっと批判的な目を持ったほうが良いです。
なぜなら効率化とは、習慣の見直しの積み重ねだからです。

1%の改善を積み重ねる

この本には、たくさんの効率化のヒントが記載されています。
ひとつひとつの効果は、わずかなものです。
1%の改善しか、得られないかもしれません。

しかしその1%の積み重ねは、長い時間かければ大きな成果となって表れます。
週に一度、1%の改善を一年間つづければ、一週間掛かる仕事が24時間で終わる計算になるのです。

少しずつの改善は、効果を感じにくいです。
それでもその改善を続ければ、長期的には思わぬ地点にまで到達できます。
自分の習慣に懐疑的になり、作業を常に見直しましょう。

この本の2つの特徴

この本の特徴は、大きくふたつあります。
その2つとは、以下です。

  1. 効率化を3段階に分けている
  2. 起業家のアンケートに基づいている

一つずつ解説します。

効率化を3段階に分けている

仕事の生産性は、以下の方程式で表せます。

完了した仕事 = 費やした時間 × 集中の度合い × 実行速度

この方程式をもとに仕事の流れを分解すると、以下の3段階に分けられます。

  1. 整理 → まずは、作業を適切に行うため、時間配分を決める必要があります。
  2. 集中 → 実際に作業を開始すれば、自分の意識をすべて向けなくてはなりません。
  3. 加速 → そして作業を敏速に完了するため、効率的なやり方を選択します。

この本では、これら3つそれぞれの効果的なやり方を紹介しています。

いわば、筋肉トレーニングと同じです。
筋トレも漠然とトレーニングするよりは、鍛えている部位を意識しピンポイントに負荷をかけることで、より効果的に鍛えられます。
仕事も「この部分を効率化する」と意識することで、より的確に効率化を達成できます。

起業家のアンケートに基づいている

もうひとつの特徴は、効率化のヒントの多くが、300人にも及ぶ起業家アンケートに基づいている点です。
起業家は言うまでもなく、多忙なひとが多いです。
彼らにとって時間の効率的な使い方は、ビジネスの成否に直結します。
起業家が取り入れている効率化の方法であれば、説得力があります。

ただし、起業家のアンケートに基づいているゆえに、ヒントにはもう何度も聞いたことがある凡庸なものが含まれています。
裏を返せば、何度も耳にしているその行動は、効果のある証です。
もし聞き慣れたもので実践していないものがあれば、これを機会に取り入れたほうがよいでしょう。

「整理」「集中」「加速」、それぞれのヒント

ではここから「整理」「集中」「加速」に分けて、効率化のヒントをいくつか紹介します。

1. 整理

仕事に取り掛かる前に、まずは整理をしましょう。
整理とは、次のステップである「集中」に取り組むための環境づくりです。
整理する上で大切なのは、「何にでもYESと言わない」こと。
周りの要望に応え続けると、あなたの時間はいくらあっても足りません。
YESよりむしろ、NOを多く言いましょう。

もちろんNOを言う際は、理由とセットにします。
それがなんであれ、理由があれば人は納得します。

3つの大きな塊を効率的に取り掛かる

仕事は、大きな塊(重要で難しいもの)を優先して選ぶようにします。
できればその日の大きな塊は、3つに絞ったほうが良いです。
その3つのための時間を、スケジュールに抑えておきます。
スケジュールに、自分との約束を入れるわけです。

いざ大きな塊に取り掛かるときは、タスクに分けて、パッシブ(消極的)なものから始めます。
仕事は大きく、自分でやる必要のあるアクティブ(積極的)なものと、人に頼めるパッシブ(消極的)なものとに分けられます。
先にパッシブ(消極的)で人に振っておけば、別の人が作業しているときに自分はアクティブ(積極的)なものに取り掛かれ効率的です。

最初の1秒を意識的に踏み出す

しかし仕事の時間が来たとしても、すぐに取り掛かれるとは限りません。
なぜならひとには、面倒なことを先延ばしする習性があるからです。

この習性は、特に取り掛かるまでの0から1に顕著に現れます。
そのためテキストなら最初の1文字を書いてみる、デザインならアプリを立ち上げてみるなど、まずは最初の一秒の踏み出しを意識しましょう。

2. 集中

集中に大切なことは、仕事環境の整備です。
デスク周りはもちろん、メールの受信トレイ、パソコンのデスクトップなどなど。
余計なものが目に入ると、それだけで気が散って集中できません。

余計なものの一つは、SNSです。
SNSの事業者は、ぼくたちの気を散らすためにあの手この手を使っています。
SNSアプリはスマホの一番最後、もしくは、できれば削除してしまいましょう。

オフィスではヘッドフォンをつける

周りにひとのいる環境であれば、ヘッドフォンをつければ集中力が高まります。
ヘッドフォンは、周囲に対して「このひとは大事な仕事をしている」とアピールにもなります。

ヘッドフォンをつけていても、オフィスに長時間いれば、集中力は途切れてきます。
同じ場所にずっといると、フローに入りにくくなるのです。
できれば一日に一回は外へ出て、カフェなどで仕事をしましょう。

コミュニケーションの中心はメール

コミュニケーション手段には、同期型と非同期型があります。
電話やチャットなど、同期型の連絡手段は時間が掛かるので取らないようにします。
連絡の中心はメールにし、受信トレイの確認は一日3回と決めましょう。

また受信トレイは週に3回は空にすることを目標にします。
返信不要のメールはアーカイブを習慣にし、読まないメルマガは削除するだけでなく、今後送られてこないよう登録解除しましょう。

メールについてもうひとつ大事なのは、休日にチェックしないことです。
リラックスすべき時間に仕事の思考が入ると、結果的に仕事のときのパフォーマンスが落ちてしまいます。

3. 加速

加速には4つの手順があります。

  1. 基礎固め → 体調と作業環境を整える
  2. 自動化 → 繰り返す作業は自動化する
  3. 高速 → 作業の根本的な高速化を目指す
  4. 20/80ルール → 80%の影響を及ぼす、20%の作業を見極めて、時間を投下する

これら4つを意識しつつ、実作業の効率化を目指します。

パソコンが効率化の最大の鍵

加速に大切なのは、パソコンです。
もしあなたが古いパソコンを使っているなら、最新型にかえるだけで生産性はアップします。
仮に最新パソコンで毎日10分短縮できれば、5年で25日分もの時間節約になります。

またパソコンを操作する際は、なるべくキーボードのショートカットキーを使います。
キーボードのショートカットキーは、最も時間投資に値するものの一つです。
マウスを手に取る回数を減らせば、その分、入力は速くなります。
特にテキストを多く書く人、エクセルを多く使う人は、ショートカットキーの効果が高いです。

単語登録を駆使する

パソコン作業の効率化のヒントは、よく使うフレーズの登録です。
自分の住所や銀行の口座番号を、毎回、手入力していないでしょうか。
これらを単語登録しておけば、入力の手間が格段に少なくなります。

メールのラリーも、無駄なもののひとつです。
要点を最初に書く、文章の組み立てを考える、箇条書きを使うなど、一度で済むメールを心がけましょう。
ちなみにGmailは、テンプレートを作れます。
毎回、同じフレーズで返信するなら、テンプレートを作ったほうが楽です。

Googleのツールは、効率化の王様

パソコンの効率化を考えると、ツール選びに迷うかもしれません。
ツールに迷ったら、Googleを選択すれば間違いないです。

Googleのツールは、効率化の王様です。
世界中の何億人というひとが使っているので、機能は先鋭化し、どんどん使いやすくなっています。
ブラウザはChrome、メールはGmail、文書はGoogleドキュメントを使う。
これだけで、あなたの作業はかなり効率化します。

スマホには触らない

デジタル機器で重要なことは、仕事中はスマホに触らないことです。
スマホは、消費端末です。
生産的な活動は、パソコンのほうが圧倒的に成果が出ます。
「仕事中はスマホに触らない」、そう決めるだけで生産性はアップします。

タイムリミットを決める

加速させるためには、少し無理と思えるくらいの非現実的な締切を設けましょう。
実作業の時間を短くすると、「どうすれば終わらせられるか」と考えざるを得ません。
その結果、その仕事の重大な20%を見つけ、集中できます。
また完璧よりも、完了のほうが優れていると肝に銘じましょう。

まとめ

言うまでもなく、人生の時間は有限です。
デジタルデバイスやインターネット環境がこれだけ豊かになったのに、ぼくたちの仕事の時間は増え続けています。

もっと効率化して速く終わらせられれば、余暇や趣味、リラックスする時間が増えて、結果的に仕事によい影響を及ぼします。
超速』には、生産性を高めるヒントがたくさんありました。
自分の時間を増やしたいひとは、読んでみてください。

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