最終更新日 2022-04-10
EvernoteからNotionへ移行を検討しましたが、やめておきました。
今後もEvernoteの有料プランを、継続して使っていきます。
この記事ではEvernoteを丸11年使っているぼくが、Notionへ移行しない理由を書いてみます。
前提としてぼくはEvernoteに愛着があるため、バイアスの掛かっている意見だと思ってください。
この記事の目次
EvernoteからNotionへは移行しない【両者は性格が異なる】
この記事を読む人は、Evernoteをよくご存知だと思います。
Notionは、知らない人がいるかもしれません。
簡単に解説します。
Notionとは
Notionとは2016年アメリカでスタートした、ノートアプリサービスです。
日本でも人気が出ており、2021年10月には日本語にも対応しました。
ノートアプリは世の中に死ぬほどありますが、なぜNotionは注目されているのか。
理由は、以下のような感じです。
- 無料プランで容量無制限(1ファイルのアップロードは5MBまで)
- 無料プランで使用デバイス無制限
- 今っぽいシンプルなデザイン
- テキストエディタとして多機能
- あらゆる種類のファイルを保存可能
- ページ上でスケジュール管理・タスク管理・表計算などできる
- 動作が軽く、同期が速い
一言でいうと、「無料プランでノート・タスク・カレンダー・表計算など、あらゆるアプリを代替できる」です。
これがNotionの大きな魅力。
EvernoteユーザがNotionへ移行する理由
このNotionへの移行を、多くのEvernoteユーザが考えているようです。
その理由は、おそらく料金にあるのではと思います。
Evernoteのネックは有料プランが必要なこと
Evernoteのプランには、無料と有料があります。
詳しい解説は、以下の記事にまとめてあります。
>> Evernote PERSONALのメリットとFREEとの比較【有料と無料の違い】
Evernoteの無料プランの場合、ネックは制限です。
無料は月間アップ容量が60MBまで、使用デバイスが2台まで。
この制限が有料のPERSONALでは、月間アップ容量が10GBまで、使用デバイスが無制限と一気に拡張します。
PERSONALの料金は、月額680円(年額5,800円)。
Evernoteをがっつり使おうと思うと、有料プランを検討せざるを得ないのです。
Notionは無料でデータ容量無制限
一方、Notionは無料プランでも、データ容量が無制限(1ファイルのアップロードは5MBまで)です。
使用するデバイスにも、制限がありません。
Evernoteと同じようにあらゆるデータを保存できるノートアプリでありながら、無料プランで容量無制限のため、Evernote有料プランの使用者がNotionへ移行を検討しているのだと推測します。
Notionの方が今の時代に合っている
また両者を比べると、Notionの方がデザイン的にも魅力的です。
Evernoteは2004年創業(日本語版は2010年から)と、かなり古いサービスです。
UIやコードなど古いものから新しいものへの刷新が、うまくいっていない印象があります。
デザインがスタイリッシュでなく、動作が重いのです。
古参ユーザはもはや慣れていますが、最近のアプリに慣れている人にとって、Evernoteは古臭く感じると思います。
その点、Notionはデザインが洗練されており、Evernoteに比べると驚くほど軽快です。
EvernoteとNotionは似ているが性格の異なるサービス
ぼくも遅まきながら、Notionのアカウントを作りEvernoteのデータを移行させてみました。
そしてNotionをしばらく触った結果、「これはEvernoteの代替にはならないな」と思いました。
EvernoteとNotionでは、サービスの性格が異なっています。
Evernoteは、ノート機能のついたデータの格納庫です。
Notionは、様々なデータを添付できる高機能テキストエディタという印象。
どちらもやれることは似ていますが、軸足が異なっていると思いました。
Evernoteの特徴
Evernoteの優れた部分の一つは、検索能力の高さです。
Evernoteの検索は、保存しているすべてのノートが対象です。
テキストだけでなく、画像内の文字も検索対象となります(有料プランではPDFやオフィスデータも対象)。
そのためタイトルや本文を入れずただ画像を保存しておくだけで、検索で必要な資料を探し出せます。
Evernoteはデータの格納庫
つまりEvernoteは、ノートアプリというより情報の格納庫なのです。
テキストでも画像でもPDFでも、あらゆる情報をEvernoteに入れておく。
そして必要なときに、検索でピックアップする。
Evernoteが「第二の脳」と呼ばれるのは、こうした格納庫の特性によります。
Evernoteの格納庫としての解説は、以下の記事で詳しく書いています。
>> すべての情報をEvernoteに入れる【一元管理が楽で良い】
Evernoteの競合はグーグルドライブ
ぼくの印象では、Evernoteは唯一無二のユニークなサービスです。
それでも競合を上げるなら、グーグルドライブかなと思います。
グーグルドライブもあらゆるデータを保存し、Googleの強力な検索機能で必要なときに難なく取り出せます。
グーグルドキュメントと連携がスムーズなので、アプリ内でノートを書けるEvernoteとUIの違いこそあれ、使う目的は似ていると思います。
Notionの特徴
一方、Notionは、検索がそれほど強力ではありません。
特に、画像やPDF内の文字を拾えないのが辛いです。
もちろん検索は、これから改善されていくかもしれません。
しかしデータの格納庫として期待するよりも、Notionの良い点はテキストエディタの優秀さにあると思います。
Notionは多機能なテキストエディタ
Notionのページ(ノート)は見た目がシンプルでありながら、機能はとても充実しています。
見出しや箇条書き、チェックリストをマークダウンで書けるのは当然のこと、トグルやコールアウトなど、Evernoteにはない機能があります。
しかもノート内に表計算やカレンダー、ガントチャートも作成できます。
文書の作成に関しては、Evernoteより圧倒的にNotionが便利です。
Notionは「章・節・項」と階層化の文書にも向いている
また、幾層にも階層を作れるのも良いです。
例えば書籍をNotion内で執筆すれば、「章・節・項」と整理できます。
デザインがシンプルなので、執筆にも集中できますね。
Notionの競合はグーグルドキュメント
そんな多機能エディタのNotionの競合は、グーグルドキュメントやOneNoteだと思います。
「Evernoteのようになんでもかんでもデータを放り込み、必要なとき検索で拾い出す」そんな格納庫的な使い方より、優秀なテキストエディタとして使うのに向いています。
階層で整理できるし、文書だけでなく表計算やタスク管理などもできる。
文書を作るときは、とりあえずNotionを開けばなんとかなりそうです。
EvernoteからNotionへデータ移行の問題点
以上のように2つのアプリの性格の違いから、ぼくはEvernoteからNotionへの移行をやめました。
またそれ以外の理由として、データ移行の問題がありました。
Notionのインポート機能を使えば、驚くほど簡単にEvernoteのデータを移行できます。
しかし、画像やPDFは移行されないのです。
ぼくはEvernoteをデータの格納庫として、丸11年間使っています。
この11年でスクショしたウェブページや、スキャンした資料・名刺、保存した画像の数は膨大です。
Notionへこれら画像やPDFを移行できないなら、これまでのデータはEvernoteに残して、探すときは両方のサービスを検索しなくてはなりません。
それはあまりにも面倒です。
すべてのデータを一元管理できないとなると、移行は決断できません。
Notionは画像内検索できないのが痛い
Notionへ画像を移行できたとしても、画像内検索ができません。
そのためEvernoteに比べ、画像やPDFを見つけ出す手間がものすごく掛かります。
この制約のため、「Evernoteに画像を大量保存している人は、Notionへ移行したくてもできないのでは」と思います。
両方のアプリをこれから使う予定
ということで執筆時点では、EvernoteからNotionへの移行は考えていません。
かといって、Notionを使わないわけではありません。
多機能なテキストエディタとして、今後は使用を検討しようかなと思っています。
【追記 2022/04/10】
Notionを本格的に使い始めました。
自分のページの使い方を、以下の記事で紹介しています。
>> Notionをこんな風に使っています【10の使用例を紹介】
無料で使えるエディタとして良い候補に
ブログのような単発な文章は何に書いても良いですが、章・節・項と階層を分ける長い文章はNotionが向いています。
資料も保存できるので、執筆環境として機能しそうです。
Macの人気エディタにUlyssesがありますが、サブスクリプションなのがネック。
無料の多機能エディタとして、Notionは良い候補になります。
Evernoteが改善されると嬉しい
Notionのように新しいサービスが注目されると、Evernoteも奮起してくれると思います。
こうして健全な競争が生まれるのは、ユーザとして歓迎すべきことですね。
個人的には最近、Evernoteの使い方を少し変えてみています。
着想して行動へつなげるツールとして、とても良い感じです。
以下の記事にまとめています。
>> Evernoteで着想し行動へ繋げる【始まりはホーム画面から】
いずれにせよEvernoteもNotionも、今後の進化に期待したいです。