在宅ワークをする人が増えてきました。ただ実際に家で作業してみると、なかなか集中できなくて困っている人もいるでしょう。
その原因は、部屋が散らかっていることにあるかもしれません。
この記事では部屋の状態と集中力の関係と、視界のノイズをなくす方法について解説します。
人間の脳は、見えるものに自動的に反応する
ぼくたちの脳は、視界に入ったものを無意識のうちに情報として処理しています。これは生存本能に関わる重要な機能で、意識的にオフにすることはできません。
例えば、デスクで作業中に処理待ちの書類が視界に入ったとします。すると脳は自動的にこんな思考を始めます。
「ああ、そうだ。あの書類もやらなきゃ」
「明日までだったっけ、今週末だったっけ?」
こういった思考は、一瞬に過ぎません。しかし一日に何十回、何百回と発生したらどうでしょうか。
脳のエネルギーが無駄に消費される現象
たとえ一瞬でも思考するたびに、脳はエネルギーを消費します。
部屋に余計なものが多いとその分、思考がスタートしてしまい、脳のエネルギーを少しずつ消耗していきます。
こうして重要なことに使えるはずの脳のエネルギーが、無駄なことへ費やされてしまうのです。
脳のエネルギーを奪う具体例
- ソファに積まれた洋服を見る →「洗濯物を片付けなきゃ」
- テーブルの請求書を見る →「支払い忘れてないかな」
- 床に置かれた本を見る →「そういえば読みかけだった」
- 使っていない調味料を見る →「賞味期限大丈夫かな」
これらは全て無意識レベルで起こります。それを見た瞬間に、脳が勝手に処理してしまうのです。
その結果、何をやったわけでもないのに、「なんとなく疲れる」「集中できない」という状態におちいります。
【実際の体験】50冊の本を処分した結果…
ここで少しぼくの話をします。
以前、部屋の中に漫画や書籍が溢れんばかりに詰め込まれた収納棚を置いていました。
ある日、思い立って、そこから一気に50冊の漫画を処分することにしたのです。するとそれまでカオス化していた本棚が整然と片付き、予想以上の「心の軽さ」を感じました。
その乱雑な収納棚を目にするたび、無意識に「いつか整理しないと…」と思考が発生していたのでしょう。
ぼく自身は気づいていませんでしたが、これが日々、脳のエネルギーを無駄に消耗していました。
本棚が整理されると、この余計な思考が完全になくなり、頭の中がすっきりしたのです。
今日から実践できる視界のノイズの削減法
では、具体的にどうすれば思考がクリアになるのでしょうか?すぐに実行できるものをいくつか挙げてみます。
1. デスクまわりの思考のトリガーを取り除く
多くの人は、作業するためにデスクにつきます。デスクまわりは、ノイズをなくす効果が高いです。
【今すぐチェック】あなたのデスクにこんなものはありませんか?
- 未処理の書類
- 読みかけの本
- 使っていない文房具
- 古いレシート
- 壊れたペン
これらは全て思考のトリガーとなります。見るたびに脳が反応してしまいます。
【解決法】
- 未処理の書類 → すぐ処理するか、専用の引き出しにしまう
- 読みかけの本 → 読むか、本棚に戻す
- 使わない文房具・レシート・ペン → 処分する
2. 視界の最適化を意識する
人間の視界は思っている以上に広いです。デスクの上だけでなく、周辺環境も整理しましょう。
【チェックポイント】
- 見える範囲に作業と関係ないものはないか?
- 壁やパソコンに貼ったメモは本当に必要か?
- 床に置いている使わないものはないか?
3. 一時的に撤去してみる
いきなり捨てるのが不安な場合、見えないところに移動させてみても良いと思います。
段ボール箱を用意して、迷うものは一旦そこに入れておきます。
さて1週間後、その箱に入れたものを思い出したでしょうか?思い出さなかったものは、あなたにとって重要ではない可能性が高いです。
視界をスッキリすると、効果を実感できる
デスクまわりを整理すると、その日のうちに集中力の向上を感じられると思います。視界のノイズが即座に減り、その分の脳のエネルギーを作業へ投下できるからです。
部屋全体を整理すると、さらに大きな変化を感じると思います。朝起きた時の気分、夜のリラックス感、全体的な心の軽やかさが変わってきます。
まとめ
思考がクリアになることは、仕事の効率だけでなく、人生の質そのものを向上させます。
- 決断が早くなる
- ストレスが減る
- 創造性が高まる
- 心に余裕が生まれる
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