シャープのドラム式洗濯乾燥機・ES-S7Eは、コンパクトでマンションなどにピッタリの製品です。
ただ購入して1年以上が経つと、洗濯物が乾かなくなってきます。この乾燥機能の低下はほとんどの場合、ファンの掃除で解決します。
この記事では、自力でできるシャープ・ES-S7Eの分解清掃を解説します。
ドラム式洗濯機の乾燥の仕組み
分解清掃の解説の前に、ドラム式洗濯機の乾燥の仕組みを解説します。
すぐに分解清掃のやり方を知りたい場合は、目次から「乾かなかったシャープ・ES-S7Eを分解清掃」へ飛んでください。
湿った空気はファンで吸い上げられる
ES-S7Eの乾燥機能は、ヒーター式を採用しています。ヒーター式は、熱風を吹きかけて洗濯物を乾かします。
では熱風で洗濯槽から追い出された湿った空気は、どこへ行くのか?湿った空気は上部のファンが吸い上げ、乾燥経路を伝って排出されます。
乾燥フィルターの役割
洗濯槽とファンの間には、乾燥フィルターがあります。吸い上げられた空気は、乾燥フィルターでホコリを遮断して排出されます。
ドラム式洗濯乾燥機では、「乾燥フィルターの掃除を毎回すること」と取扱説明書に書いてありますね。
乾燥フィルターを掃除しないと、ホコリが詰まり空気の流れが悪くなります。空気が流れないと、洗濯槽の湿った空気が出ていきません。
それを防ぐために、乾燥フィルターは毎回、綺麗に掃除し、空気の循環を良くする必要があるわけです。
ファンの機能低下で、乾燥機能も低下する
しかし乾燥フィルターは完璧ではありません。遮断しきれない細かいホコリがあります。
それら細かいホコリは、乾燥フィルターを通過し、結局、ファンにまで届いてしまいます。
短い期間なら影響ないですが1年以上使っていると、細かいホコリがファンに付着し空気を吸い上げる機能を著しく低下させます。これが乾燥機能低下の原因です。
ファンに付着しているホコリを綺麗に取れば、再び乾燥機能が復活します。この記事で紹介するのは、このファンの掃除のやり方です。
乾かなかったシャープ・ES-S7Eを分解清掃
乾燥の仕組みを解説したところで、ここからES-S7Eの分解清掃を解説します。まずは準備するものの紹介です。
準備するもの
- タオル
- プラスドライバー
- レンチ
- ブラシ
- 新聞紙
- 掃除機
これらの使い方は、手順の中で紹介します。
水道を止めて、コンセントを外す
分解清掃を始める前に、洗濯機につなげている水道の蛇口を止めて洗濯機のコンセントを外します。
その後、給水ホースのナットを手で回し、取り外してください。このとき少量ながら水が出てくるので、用意したタオルで拭き取ります。
天板を取り外す
いよいよ分解していきます。まずは天板を取り外します。
天板を取り外すには、合計7か所のネジを外します。場所は以下の通りです。
- 手前の丸いシールを爪などで剥がして、2か所
- 乾燥フィルターを外したところに、2か所
- 奥に3か所
これらのネジは、すべてプラスドライバーで難なく取れます。
使用するプラスドライバーは、磁石になっているタイプを選んだ方が良いです。外したネジを落として洗濯内部へ入ると、取ることができません。
ぼくは、以下の+2(2番)のプラスドライバーを購入しました。
目的はファンの清掃のみ
天板を外すと、内部がお目見えします。
ES-S7Eはコンパクトな設計なので、部品が詰め込んであります。配線も入り組んでいるため、すべて分解するのは素人にはほぼ無理。
目的は、ファンの清掃のみです。ファンは右の黒い丸の部分にあります。ここのみを目的に、最短距離でネジを外します。
難所の金具を外す
まずは中央に配置してある、補強の金具を取り外します。
ネジは4か所です。プラスドライバーのネジ溝が入っていますが…、これがめちゃくちゃ堅いです。無理にドライバーでぐりぐりやると、ネジ溝が潰れます。
このネジは、レンチを使うとなんとか取れます。ぼくは以前、Amazonで買ったレンチセットを利用しました。
レンチセットの6mmを使い、少しずつ回します。この金具のネジを外すのが、一番の難所です。
ファンの蓋を外す
金具が取れたら、本丸であるファンの蓋へ取り掛かります。
黒い丸い部品の周りに、計8か所のネジがあります。これらはすべてプラスドライバーで簡単に取れます。
繰り返しになりますが、ネジを洗濯機内部に落としてしまうと、取り出すことはほぼ不可能です。先端が磁石のドライバーを使った方が良いです。
ファンの羽と羽の間にホコリがぎっしり
ネジをすべて外して、蓋を開けます。
1年以上ファンを掃除していないなら、羽と羽の間にコンクリートみたいなカチカチのホコリが埋まっているはずです。
ホコリの詰まった状態では、いくらファンを回しても空気の循環は起こりません。湿った空気が吸い上げられず、洗濯物が乾燥しないのです。
これらファンについたホコリを、ブラシを使って取り除きます。
ファンの掃除にはブラシを使用
ファンを外して掃除したいところですが…、ぼくはどうしても取り外せなかったです。
しょうがないのでファンの下に新聞紙を敷き、取り付けてある状態のまま掃除しました。
掃除に使用したのは、コーヒーマシンを掃除するときのブラシです。
ファンの羽と羽の間に硬い物質を入れると、破損する恐れがあります。紹介したブラシのような、適度に弾性のあるもので掃除するのが良いです。
綺麗にするのに、30分以上はかかる
ブラシを使って、根気強く羽と羽の間のホコリをこそげ落としていきます。
ホコリがある程度とれたら掃除機でホコリを吸いとり、再びブラシで落とします。これをキレイになるまで、繰り返します。
時間を掛けて堆積したホコリは、めちゃくちゃ硬くなっています。初めて掃除をするなら、キレイにするのに30分以上はかかるでしょう。
掃除が終われば、部品を元通りにする
無事、ファンをキレイにできたら、その周囲もブラシで掃除して掃除機をかけます。
再びファンの蓋を閉めてネジを締め、金具も元通りにします。天板を元通りに装着し、給水ホースを取り付けます。
水道の蛇口を開けて、コンセントをさせば作業完了です。
ファンの清掃で劇的に乾燥機能が改善
ぼくの場合はファンの清掃をするだけで、乾燥機能が劇的に改善しました。「新品で買ったときと遜色ないくらい」といってよいほどです。
乾燥の終わったホカホカの洗濯物を手にして、「これだよ、これ!」と嬉しくなりましたね。
半年ごとに掃除していく
しかし、これですべてが終わったわけではありません。少なくともES-S7Eを使う限りは、このファンの掃除は定期的に行う必要があります。
掃除は半年〜1年の周期で、やるのが良いですね。忘れないよう、次回の掃除のリマインダーをセットしておきましょう。
iPhoneを使っているなら、純正のリマインダーアプリがおすすめです。以下の記事で、詳しい使い方を解説しています。
>> iPhoneリマインダーの使い方【通知で忘れごとをナシに】
ファンが原因でない場合
分解清掃のほかにも、乾燥機能を改善する方法がいくつかあります。買って間もないのに乾燥しないなら、ファンとは別のところに原因があります。
ファン以外の原因でドラム式洗濯乾燥機が乾かない場合、以下の記事を参考にしてみてください。
>> ドラム式洗濯乾燥機で衣類が乾かない【解決の6ポイント】
まとめ
以上、ES-S7Eの分解清掃の紹介でした。
乾燥機能が低下した際、多くの人が乾燥経路のホコリの除去を検討すると思います。なぜならネット上には、その方法が数多く紹介されているからです。
ぼくも同じように乾燥経路の掃除にこだわっていましたが、ファンの掃除に気づいてやってみたところ、劇的に効果がありました。
ファンは見えない場所に隠れているので、なかなか掃除しようと思い付きません。乾燥機能の低下に困っている人は、試してみてください。