みなさんは、Facebookをやっていますか。「たまにチェックするけど、発信することはほとんどない」そんな人が多いのではないでしょうか。
タイムラインを見ても過疎化しており、オワコン化を実感します。
この記事では、なぜFacebookは落ち目になったのかを解説します。
Facebookがオワコンになった理由
「Facebookは落ち目になった」と決めつけましたが、「タイムラインが過疎化しているのは、あなただけでは?」といった意見もあると思います。
ただFacebookが盛り上がっていないのは、ぼくの周りだけでなく、ましてや日本の話だけでもありません。どうやら、世界的な傾向のようです。
Metaの株価が暴落
Facebookの評価は、株価を見れば一目瞭然です。
2022年2月2日にFacebookを運営するMetaの株価は、大暴落しました。その下がった金額は、約2,400億ドル(約24兆円)。

株価低迷は2021年9月から始まり、それにとどめを刺すように2月から株価が急降下しました。
株価が落ち始めたタイミングの2021年10月28日、Facebookは社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表。
社名変更の理由は、メタバースへ軸足を移すためとされています。主軸のFacebookの収益が悪化し、見限ったのかもしれません。
買収でサービスを拡充していたが…
Metaの基本戦略は、InstagramやWhatsAppなど競合を買収することにあります。
プロ野球の巨人軍が同リーグの4番打者をかき集め、他球団を戦力ダウンさせたのと似ています。
将来、脅威になりそうなサービスが登場したら買収し、芽を摘みつつ、自分たちのサービスを充実させる。潤沢な資本があるからこそ、可能だった戦略です。
独禁法により、競合の買収が不可に
しかしその戦略は、アメリカの独占禁止法(反トラスト法)に引っかかりました。もはやライバルとなるサービスが出てきても、買収の手を打てません。
そこでこれから普及していくであろうメタバースへ、思い切ってリソースを注ぐことに決めたのです。
そういった企業戦略に対して投資家が「将来性がない」と判断し、株価低迷へつながったわけです。
2023年は株価が反発
Metaは2022年と2023年に大規模なリストラを行うなど、景気減速の対策を実施。2023年6月には200ドルほど株価を戻しました。
AppleがVision Proを発表し、Metaが投資しているメタバース領域の期待値も上がっているのでしょう。
いずれにしろブームを過ぎたFacebookの衰退は、避けられないかもしれません。
日本に実名制のSNSは馴染まない
海外の事情はさておき、日本でFacebookが落ち目になった理由はなんなのか。
日本に限って言えば、その理由は「実名制」にあったのではと思います。
他の国では、ツイッターやインスタグラムでも利用者は実名を使うことが多いです。
それに対し、日本のSNSでは匿名が主流です。その理由は日本が、「本音と建前の文化」だからです。
匿名のTwitter(Z)は盛り上がる
Twitter(Z)は匿名の人が多いだけあって、タイムラインが活発です。トレンドで何かが盛り上がると、多くの人がひとこと物申しています。
匿名で本音を書けるため、Twitter(Z)は周りの目を気にする日本人の性質に合っています。
Facebookは建前ばかり
一方、実名制のFacebookのタイムラインは、批判めいた投稿をほぼ見ません。見たとしても政治に対してのものなど、いわば「害のない批判」が多い。
それは当然のことで実名制のFacebookでは、「良い人に見られたい」という見栄の意識が働きます。
自分のリアルな知り合いがネガティブなことばかり発信していると、「距離を取って付き合った方がいいな」と思ってしまいますよね。
そうなるとどうしても投稿は建前ばかりの生ぬるいものになるし、「いいね」がほしいモチベーションと合わさって、着飾った(盛った)日常を投稿することになります。
盛った投稿にうんざりしている
Facebookが登場して数年は、「実名で投稿する」そのものが物珍しかったです。しかし今や「Facebookは自慢話ばかり」と、見る方はうんざりしています。
そうしてまず見る人が減り、過疎化するにつれ投稿する人が減り、Facebookを使っていた中年世代も離れていったのです。
若者が使わないSNSは廃れる
また、Facebookの落ち目になったもう一つの原因は、若者が利用しないからです。
いくら中高年で盛り上がっても、その下の世代が使わないとサービスはジリ貧になります。
ぼくは50代ですが、もし20代だとしたらFacebookは使わないと思います。その理由はやはり、実名制にあります。
伸び伸びと投稿できない
実名でFacebookに登録すると、それこそ会社の上司や取引先から友達申請が来るでしょう。
それらを無視できるほど、強いハートの持ち主はほとんどいないはずです。
となると、SNSにも会社の人間関係が入り込むことになります。取引先はまだしも、上司とSNSでつながると伸び伸び投稿できません。
「いいね」を付けろというプレッシャー
ただつながっているだけならまだしも、上司が投稿したとき「『いいね』しなくては」と多少なりともプレッシャーが生まれます。
誰も「いいね」しないなら放っておけばよいですが、同期が率先して「いいね」していたら同調圧力を感じますね。
俄かに信じられませんが、上司から「俺が投稿したらいいねをつけろ」とリアルに圧力を掛けられた話も聞きます。
そうして気晴らしのはずのSNSが、最悪なことにストレスの原因になってしまうのです。
「Facebookは見ていません」
20代のサラリーマンであれば、「SNSまで会社の人間関係に煩わされたくない」と思うのはごく自然なことです。
その結果、若者はFacebookにログインすらしなくなります。
なぜならログインしなければ上司の投稿に「いいね」をつけなくても、「Facebookは見ていません」と言い訳が立つからです。
日本人にはTwitterの方が相性が良い
ということで日本に限っていえば、実名制のFacebookが下火になったのは当然と思えます。
日本ではFacebookより、匿名で気兼ねのいらないTwitter(Z)が相性よいです。
以上、特に日本でFacebookが下火になった理由を考えてみました。みなさんは、どのように思いますか。
Metaには安価なVRゴーグルをどんどん出してもらい、メタバース普及の貢献に期待しましょう。