Appleのワイヤレスイヤホン・AirPodsには、現行で3機種が販売されています。
AirPodsの購入を検討する際は、「3機種の違いは何だろう?」と気になりますね。
この記事では、現行AirPodsの違いを解説します。AirPodsを選ぶ際の参考にしてみてください。
アップル製品との連携に優れたAirPods
AirPodsとは2016年12月に初めて発売された、Appleのワイヤレス・イヤホンです。
左右分離型イヤホンで、iPhoneやiPadなどアップル製品とスムーズに連携できるのが特徴です。
最もストレスの少ないイヤホン
ペアリングは、iPhoneの近くで充電ケースの蓋を開けるだけ。
「接続しますか」とiPhoneにウインドウが表示され、ボタンをタップするだけでペアリングが完了します。
iPhoneやiPadと組み合わせるなら、最も操作性がよくストレスの少ないイヤホンといえますね。
歴代AirPodsの発売日
AirPodsは第1世代の発売以降、改良を重ね進化しています。各世代の発売時期は、以下の通りです。
AirPodsの種類 | 発売日 | |
---|---|---|
AirPods(第1世代) | 2016年12月13日 | 販売終了 |
AirPods(第2世代) | 2019年3月20日 | |
AirPods Pro(第1世代) | 2019年10月30日 | 販売終了 |
AirPods(第3世代) | 2021年10月26日 | |
AirPods Pro(第2世代) | 2022年9月8日 |
AirPodsにはAirPodsとAirPods Proの2ラインがあり、どちらも2〜3年おきに新製品がリリースされています。
このうちAirPods(第1世代)とAirPods Pro(第1世代)は、すでに販売が終了しています。現行機種は、残りの以下3機種です。
AirPods現行3モデルを比較
AirPodsの現行3機種は、何がどう違うのか。スペックを比較したのが以下の表です。
AirPods (第2世代) | AirPods (第3世代) | AirPods Pro (第2世代) | |
---|---|---|---|
価格 | 19,800円 | 26,800円 | 39,800円 |
本体サイズ | 高さ:40.5 mm 幅:16.5 mm 厚さ:18.0 mm 重量:4 g | 高さ:30.79 mm 幅:18.26 mm 厚さ:19.21 mm 重量:4.28 g | 高さ:30.9 mm 幅:21.8 mm 厚さ:24.0 mm 重量:5.3 g |
ケースサイズ | 高さ:53.5 mm 幅:44.3 mm 厚さ:21.3 mm 重量:38.2 g | 高さ:46.40 mm 幅:54.40 mm 厚さ:21.38 mm 重量:37.91 g | 高さ:45.2 mm 幅:60.6 mm 厚さ:21.7 mm 重量:50.8 g |
再生時間 | 5時間 | 6時間 | 6時間 |
充電ケースを利用の 再生時間 | 24時間以上 | 最大30時間 | 最大30時間 |
ノイズキャンセル | × | × | ⚪︎ |
操作 | ダブルタップ | 感圧センサー | タッチコントロール |
空間オーディオ | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
ダイナミック ヘッドトラッキング | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
耐汗耐水 | × | IPX4 | IPX4 |
チップ | H1 | H2 | H2 |
ワイヤレス充電 | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
センサー | デュアル光学 | 肌検出 | 肌検出 |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.3 |
最も価格の高いのはAirPods Pro(第2世代)です。最も安いのがAirPods(第2世代)で、中間がAirPods(第3世代)。
性能と価格は比例しており、AirPods Pro(第2世代)の性能が最も高く、AirPods(第2世代)が最も低くなっています。
予算に余裕があるなら、すべての機能を網羅しているAirPods Pro(第2世代)を買っておけば間違いないです。
ノイズキャンセル機能のあるなし
AirPodsは大きく、「ノイズキャンセル機能があるかないか」に分けられます。
ノイズキャンセルとは外部マイクで環境音を検知し、逆位相の音を出力してノイズを相殺する機能です。
簡単にいえば、ノイキャンをオンにすると静寂になります。
このノイズキャンセル機能の搭載モデルは、現行機種でAirPods Pro(第2世代)のみです。
AirPodsの第2世代と第3世代の違い
まずはノイズキャンセル機能のない、AirPods(第2世代)とAirPods(第3世代)を比較します。
AirPodsの第2世代と第3世代は、ほぼすべてにおいて違いがあります。単純な話、第2世代のアップグレード版が第3世代です。
第2世代と第3世代の価格差は7,000円。機能差に7,000円の価値を感じるなら、第3世代を選んだほうが幸せになれます。
本体の形状の違い
AirPods第2世代と第3世代は、どちらもイヤーチップを必要としないインナーイヤー型イヤホンです。
カナル型は耳穴にイヤーチップを押し込んで装着しますが、インナーイヤー型は耳の対珠と呼ばれる内側下の窪みにはめて装着します。
そのため耳の負担が、カナル型に比べ低いです。
重量は第2世代がわずかに軽い
第2世代は、ドライバー部分が丸く小さいです。一方、第3世代は楕円形でふた回りほど大きい。
重量は見た目通り第2世代がわずかに軽く、第3世代の4.28gに比べ4gとなっています。
AirPods (第2世代) | AirPods (第3世代) | |
---|---|---|
本体サイズ | 高さ:40.5 mm 幅:16.5 mm 厚さ:18.0 mm 重量:4 g | 高さ:30.79 mm 幅:18.26 mm 厚さ:19.21 mm 重量:4.28 g |
第3世代は耳から落ちにくくなった
耳の窪みの対珠が浅い人は、第2世代ではイヤホンが落ちてしまう可能性があります。
第3世代は窪みにフィットしやすい形状に改良されており、耳から落ちにくいです。
ステムの長さが1.5倍ほど違う
ステムの長さにも違いがあります。第2世代は第3世代に比べ、1.5倍くらい長いです。
好みが分かれるとは思いますが、第3世代のほうがスタイリッシュな印象ですね。
ケースの違い
本体の形状の違いが、そのままケースの形状にも現れています。
ステムが長くドライバーの小さい第2世代は、ケースも縦長でスリム。一方、第3世代は横幅があります。
といってもどちらも小型なので、持ち運びに差は感じないでしょう。
AirPods (第2世代) | AirPods (第3世代) | |
---|---|---|
ケースサイズ | 高さ:53.5 mm 幅:44.3 mm 厚さ:21.3 mm 重量:38.2 g | 高さ:46.40 mm 幅:54.40 mm 厚さ:21.38 mm 重量:37.91 g |
第3世代はMagSafe対応のケースを選べる
第3世代には、購入時に選べるケースが以下2種類あります。
- Lightning充電のみ対応
- MagSafeとLightning充電の両方に対応
第2世代の購入時のケースはLightning充電のみですが、第3世代は1,000円プラスすると、MagSafe充電対応のケースへアップグレードできるのです。
第2世代もワイヤレス充電ケースがありますが、別売りとなっています。
再生時間の違い
内蔵しているチップは、第2世代がH1で第3世代がH2。チップの世代もあってか、再生時間は第3世代が少し長いです。
本体の連続再生では1時間長く、充電ケースで充電しながらの利用では6時間もの差があります。
AirPods (第2世代) | AirPods (第3世代) | |
---|---|---|
チップ | H1 | H2 |
再生時間 | 5時間 | 6時間 |
充電ケースを利用の 再生時間 | 24時間以上 | 最大30時間 |
ワイヤレスイヤホンは、バッテリーが切れると使用できなくなります。バッテリー時間は少しでも長いに越したことはありません。
バッテリーの点でも、第3世代が有利です。
操作方法の違い
第2世代・第3世代ともに、イヤホン本体から「再生・停止・スキップ」など操作できます。ただし操作方法が若干、異なっています。
第2世代はドライバーとステムの結合部分あたりをダブルタップします。一方、第3世代は、ステムをつまんで操作します。
また第3世代はステムをつまむと、指に触感が返ってきます。押したかどうかを触感で判断できるので、第2世代に比べ操作性が向上しています。
音質の違い
音質については、特に機能面で違いがあります。大きな違いは、第3世代が以下3点に対応していることです。
- 空間オーディオ
- ヘッドトラッキング
- アダプティブイコライゼーション
空間オーディオ
空間オーディオをオンにすると、スピーカーを前後左右に複数置いたように音が立体的に聞こえます。
音楽だけではありません。空間オーディオの真骨頂は、むしろ映像です。
Apple TV+を空間オーディオ対応のイヤホンで聞くと、映像に応じ音があらゆる方向から聞こえてきます。
映像とサウンドとがリンクした、臨場感ある体験が可能です。
ヘッドトラッキング
第3世代は、ヘッドトラッキングにも対応しています。
ヘッドトラッキングとはジャイロセンサーを使い、顔の向きに合わせ音の聴こえ方を変化させる技術です。
オンにすると顔の方向を変えても、常にスマホやタブレットの方から音が聞こえてきます。空間オーディオがより立体的になるよう、聞こえ方を補完してくれるのです。
アダプティブイコライゼーション
もうひとつ、第3世代に搭載されている重要な機能が、アダプティブイコライゼーションです。
耳の内側に設置されたマイクが反響音を拾い、足りない音を解析。それを補い安定したサウンドへと自動調整します。
内向きのマイクがあなたが聴いている音を検知して低域と中域の周波数を調整。どんな曲でも細部まで豊かに表現できるように、リアルタイムでカスタマイズします。
Apple公式サイト|AirPods(第3世代)
防水の違い
第2世代は、防水に対応していません。それに対し第3世代は、IPX4の防水規格です。いわゆる生活防水が施されており、雨や手洗い時の水しぶきなど問題なし。
生活でより自由に使えるのは、第2世代よりも第3世代ですね。
着脱時のセンサーの違い
AirPodsはイヤホンを耳から取ると、自動的に音を停止します。
この仕組みは第2世代の場合、内側の光学センサーが光の量を感知し、「耳に着けているか、取っているか」を判断します。
一方、第3世代は、人間の肌を感知する肌センサーを使っています。肌センサーは光学センサーよりも、着脱の状態を正確に測ります。
誤作動が起こりにくいのは、第2世代よりも第3世代です。
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)の違い
こうしてAirPodsの第2世代と第3世代を比較すると、7,000円の価格差以上に第3世代は性能が高いです。
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)とでは、さらに1万3千円の差があります。はたして、それだけの性能差はあるのでしょうか。
大きな違いはノイキャン機能
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)とを比較した場合、最も大きな違いはノイズキャンセル機能です。
現行機種のうちノイズキャンセル機能のあるのは、AirPods Pro(第2世代)のみ。
AirPodsでノイキャンが必要であれば、AirPods Pro(第2世代)を選択するしかありません。
電車を使うならノイキャンは必須
ノイズキャンセル機能をオンにしても、完全に静寂になるわけではありません。
ノイズキャンセル機能の特徴として、モーター音などの低音はよくカットされます。一方、ひとの声など高音は、あまりカットされません。
その特性から電車で通勤・通学している人や飛行機で移動する人が装着すると、乗り物から生じるエンジン音などをカットでき、ノイズキャンセル機能の恩恵をより多く受けられます。
本体の形状の違い
AirPods(第3世代)とAirPods Pro(第2世代)の形状は、ステムもドライバーもかなり似ています。
AirPods Pro(第2世代)の方が、厚みと幅がありますね。
AirPods (第3世代) | AirPods Pro (第2世代) | |
---|---|---|
本体サイズ | 高さ:30.79 mm 幅:18.26 mm 厚さ:19.21 mm 重量:4.28 g | 高さ:30.9 mm 幅:21.8 mm 厚さ:24.0 mm 重量:5.3 g |
似てはいますが、この2つには大きな違いがあります。
AirPods(第3世代)がイヤーチップを必要としないインナーイヤー型に対し、AirPods Pro(第2世代)はイヤーチップを着けて使用します。
AirPods Pro(第2世代)はインナーイヤー型の形状に、遮音性を高めるイヤーチップを付けています。
そのためカナル型ではなく、より密着感の高いインナーイヤー型といえますね。
イヤーチップがあるメリット
同じインナーイヤー型といえど、イヤーチップを付けることでAirPods Pro(第2世代)には、以下のメリットがあります。
- 遮音性が高まる
- 低音がよく響く
- 音漏れが少なくなる
またAirPods Pro用のイヤーチップは、サードパーティ製もたくさん出ています。イヤーチップをかえて、音の変化を楽しむこともできますね。
ケースの違い
AirPods Pro(第2世代)のケースは、イヤーチップのある分、AirPods(第3世代)より幅があります。
高さと厚さはほとんど変わらないものの、横幅の分だけAirPods Pro(第2世代)が12.89グラム重いです。
AirPods (第3世代) | AirPods Pro (第2世代) | |
---|---|---|
ケースサイズ | 高さ:46.40 mm 幅:54.40 mm 厚さ:21.38 mm 重量:37.91 g | 高さ:45.2 mm 幅:60.6 mm 厚さ:21.7 mm 重量:50.8 g |
AirPods Pro(第2世代)はApple Watchの充電器にも対応
ケースはどちらも有線ケーブルでの充電に対応しています。コネクタはAirPodsがLightning、AirPods Pro(第2世代)がUSB-Cです。
AirPods(第3世代)のMagSafe対応ケースは、Qi規格の充電器に置くだけでチャージできます。さらにAirPods Pro(第2世代)は、Apple Watchの充電器も使えます。
Apple Watchを持っている人であれば、同じ充電器でAirPods Proをチャージできるのは便利です。
AirPods Pro(第2世代)のケースにスピーカーがついた
AirPods Pro(第2世代)のケースには、スピーカーが付いているのも特徴です。
部屋の中でケースが見当たらないときなど、iPhoneやApple Watchの「探す」機能を使い、音を出して見つけることが可能です。
操作方法の違い
AirPods(第3世代)もAirPods Pro(第2世代)も、ステムをつまんで操作します。
ステムを一度つまめば音楽を再生、再生中につまめば停止。他にも2回つまんでスキップ、3回つまんで戻るなど、シンプルなアクションで操作できます。
ステムの上下で音量調節
それらに加えAirPods Pro(第2世代)では、ステムを上下にスワイプすることで音量調節が可能です。
AirPods(第3世代)で音量調節をするには、iPhoneなど接続しているデバイスを操作するか、Siriに頼むしかありません。
操作性に関してもAirPods(第3世代)より、本体で音量調節できるAirPods Pro(第2世代)の方が上です。
Bluetooth規格の違い
AirPods(第3世代)はBluetooth5.0を搭載していますが、AirPods Pro(第2世代)はBluetooth5.3です。
5.3は5.0に比べより正確な位置情報を取得でき、省電力で使えます。
また5.3は次世代のワイヤレス・オーディオとして期待されている、Bluetooth LE Audioに対応しています。
最新規格Bluetooth5.3を搭載しているAirPods Pro(第2世代)の方が、長く快適に使える安心感がありますね。
AirPods Proは別記事で詳しく解説
AirPods Pro(第2世代)については、以下の記事で詳しく解説しています。AirPods Pro(第1世代)に比べ、以下の点が向上しています。
- チップがH1からH2へ
- 再生時間の向上
- 操作性が向上
- センサーがより正確な肌検出に
- Bluetooth5.3に
この記事と合わせて、参考にしてみてください。
>> AirPods Pro第2世代の徹底レビュー【使い心地や音質はどう?】
まとめ
以上、AirPodsの現行機種3つを比較しました。
特徴を踏まえて、それぞれ向いているひとをまとめます。
AirPods(第2世代)に向いている人
AirPods(第2世代)に向いているのは、ともかく最も安くAirPodsを買いたい人です。
3つの中で性能が低いとはいえ、iPhoneと組み合わせて使うなら、ストレスの少ないイヤホンなのは間違いないです。
AirPods(第3世代)に向いている人
7,000円余分に払ってもいいから、より性能の高いモデルが良いならAirPods(第3世代)が良いです。
AirPods(第3世代)は形状も性能も全般的にアップグレードされているので、価格差分の価値は十分にあります。
AirPods Pro(第2世代)に向いている人
さらにノイズキャンセル機能の付いたモデルが良いなら、AirPods Pro(第2世代)を選びましょう。
ノイキャンだけでなく操作性やBluetoothの規格など、全般的にAirPods(第3世代)より使いやすいです。
AirPodsは同じアップルのiPhoneやiPad、Macと相性抜群です。
特にiPhoneなどアップル製品を使っている人にとっては、生活をより快適にするアイテムとなります。
自分に合ったAirPodsを選んでみてください。