2018年7月から、フィルムで写真を撮りはじめました。
2019年7月までの一年間で、中判カメラ・Hasselblad 500C/Mを片手にヨーロッパ13カ国を回りました。
その間、フィルムカメラを持ち歩いていたわけですが、飛行機の移動ではX線での手荷物検査があります。
フィルムは強いX線を浴びると感光してしまいます。
そのため係員へハンドチェックを何度か頼みましたが、うまくいったところもあれば、取り入ってくれないところもありました。
この記事では、空港での対応を思い出しながら、空港別の手荷物検査の状況をまとめてみます。
もちろんうまくいった空港にせよ、「そのときの担当者が、単純に親切だった」という可能性もあります。
いつでも同じ扱いを受けられないと思うので、その点はご了承ください。
ちなみに使用フィルムはすべて、ミディアムフォーマット。
Kodak PORTRAの160、もしくは400です。
空港別のハンドチェック対応まとめ(随時更新します)
ではここから、各空港別の対応を書いていきます。
ハンドチェックに応じてくれた空港は、○。
応じてくれなかった空港は、☓を表記しました。
アブダビ国際空港(アブダビ) → ☓
2018年11月、ヨーロッパへ向かう際の、乗り継ぎで立ち寄りました。
フィルムを見せて手荷物検査を頼んでも、「この機械は大丈夫だ」の一点張りで応じてくれず。
乗り換えは手荷物検査に人が殺到するため、すぐに諦めましたね…。
ダブリン空港(アイルランド) → ○
2018年12月、アイルランドからイギリスへ移動する際、そしてアイルランドから日本へ帰国する際と2度利用しました。
どちらとも係員へフィルムを見せてハンドチェックを頼んだところ、何の問題もなく応じてくれました。
あまりにもあっけなくて拍子抜けしたほどです。
ロンドン・スタンステッド空港(イギリス) → ☓
2018年12月、ロンドンからポルトへ移動の際に利用。
取り付く島がなく、まったく応じてくれませんでした。
折しも前日に空港の敷地内にドローン侵入の情報が入り、係員の人はピリピリしていました。
いたしかたなし。
ウンベルト・デルガード空港(ポルトガル) → ☓
ポルトガルの首都・リスボンの国際空港です。
2018年12月、 スペインのマドリードへ移動する際に利用しました。
「ポルトガルはラテンのイメージがあるので、大丈夫かな」と気軽に考えていましたが、対応した係員では判断できないと上司が出てきて、「ハンドチェックには応じられない」と厳しく言われました。
駄々をこねると別室送りになるような、険悪な雰囲気。
早々に諦めました。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港(フィンランド) → ○
2019年7月、フィンランドのヘルシンキからスコットランドへ移動する際に利用しました。
ダメ元で聞いてみたら、あっさりOK。
丁重にお礼を言いました。
X線を通しても、感光は一度もなし
実はロンドンとポルトガルの厳しさに心が折れて、その後の移動はバスや列車を中心にしました。
手荷物検査のたびに消耗したくないと思ったんです。
飛行機を利用せざるを得ないときも、軽く聞いてみるだけでしつこく交渉せず、X線検査を通しました。
日本へ帰って現像した際に、これまで感光したフィルムは一本もなし。
低感度フィルムは大丈夫かも
一番危ないと思ったのは、ポートラ400を4回ほどX線へ通過したときです。
それ以上、X線を通したくなかったので、パリの写真屋さんで現像をお願いしました。
「さすがに色がおかしくなっているかも…」と半ば諦めてましたが、目視できる限りでは影響を感じなかったです。
その際に店員さんから、「高感度のフィルムでなければ、ほぼ感光はしない」と告げられました。
このときの高感度が800以上をさすのか、1600以上をさすのかは確認しませんでしたが…。
ともかく400以下であれば、そこまで神経質にならなくて良いかもしれません。
ヨーロッパは、テロへの警戒が高い
地続きのヨーロッパはテロへの警戒が高いです。
それは海に囲まれている島国・日本に住んでいる我々では感覚的に理解できない部分でしょう。
「しつこくお願いすればなんとかなる」と交渉を繰り返すと、最悪、別室送りになってしまいます。
フィルムを過剰に守ることと、時間がかかったり、あらぬ疑いを掛けられて消耗したりすることは、トレードオフの関係にあります。
最終的な判断は各人になりますが、ぼくは今後、手荷物検査の回避にそれほど神経質にならないです。
神経をすり減らしてまで交渉をするほど、フィルムへは大きな影響を与えないと思うからです。
なぜ面倒なフィルムで写真を撮るのか
手荷物検査で神経質になるなど、フィルムは面倒であり、また費用もかかります。
フィルムカメラで写真を撮る理由を、以下の記事にまとめました。
よろしければご覧ください。