頼まれごとを言われるままにやっていると、どんどん時間は過ぎていきます。
ずっと何かしら行動している気がしても、キャリアにつながることは何一つやっていない。そんな事態におちいっていないでしょうか。
この記事では、「重要なことにフォーカスして人生を前に進める方法」を紹介します。
ラットレースからいつまでも抜け出せない
頼まれごとを何でも引き受けると、良い人と思われるかもしれません。しかし頼まれごとで1日の時間が埋め尽くされ、自分の時間を割けないようでは困ります。
受動的に物事をこなしている限り、ただ忙しいだけのラットレースから抜け出すことができません。
マルチタスクで乗り切ろうとするが…
頼まれごとを次から次へと引き受けると、時間がなくなっていきます。多くの人はそれを、マルチタスクで乗り切ろうとします。
マルチタスクとは、同時進行で複数の作業をすること。
例えば忙しい人はチャットで打ち合わせしながら企画書を書いたり、資料の動画を見ながら原稿を書いたりします。
人間はマルチタスクできない
マルチタスクとは、同時に複数の処理を走らせるコンピュータ用語です。それを人間の行動に当てはめると、おかしなことになります。
というのも人間は、一つのことにしか集中して取り組めません。マルチタスクをしているようで、実際はシングルタスクを瞬時に切り替えているだけです。
マイクロソフトのエンジニアである牛尾 剛さんも、マルチタスクの弊害を著作の中で指摘しています。
人間の脳の発達を研究するワシントン大学の分子発生生物学者ジョン・メディナ氏によると、マルチタスクにより、「生産性が 40%低下」「仕事を終えるまでにかかる時間が 50%増加」「ミスの発生が 50%増加」するという。 人間の脳はマルチタスクに向いた仕様になっていないのだ。
『世界一流エンジニアの思考法 (文春e-book)』牛尾 剛著
マルチタスクは腰を据えて物事に取り組んでいないので、当然ながら生産性は下がります。
またタスクを短時間で切り替えているとフローの状態に入れず、質の高いアウトプットもできません。
その日の重要なことを3つに絞る
重要なことにフォーカスして、物事を効率的に前へ進める。しかもそれを自分のキャリアへと繋げる。
そのためには、やることを減らす必要があります。減らした上で、「その日に絶対に行う重要な3つ」を決めるのです。
書籍『減らす技術』(レオ・バボータ著)では、その日にやるべき重要事項3つを1日の始まりに設定することを提案しています。
以下、『減らす技術』からの引用です(MITとは、“Most Important Task(最も重要なタスク)”を指します)。
<MITへの取り組み方>
『減らす技術 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)』レオ・バボーダ著
・朝一番に選ぶ。
・3つだけ選ぶ。
・最低ひとつは人生のゴール(あるいはトップ3プロジェクト)に関するものを選ぶ。
・毎日MITが最優先。ほかのことに手を出す前にとりかかる。
・シングルタスクを忘れずに、一度にひとつのMITに集中しよう。
重要な3つを最優先する
会社勤めの人の場合、これを実行するのは難しく感じるかもしれません。
というのも会社勤めであれば、「自分にとって重要なことを優先し、頼まれごとはすべて断ります」は通らないからですね。
ただ上司から何かしらの作業を振られたとしても、「急ぎなのか、いつまでに必要なのか」を確認することはできます。
そして調整できるようなら、まずは朝に決めた重要な3つを優先する。この意識があるかないかで、その日の過ごし方は大きく変わります。
重要な3つをカレンダーへ落とし込む
「重要な3つをきちんとやっていこう」と頭の中で考えるだけでは不十分です。それを行動に移し、長期間にわたって継続して初めて、成果として現れてきます。
といっても多くの人は、毎日忙しいです。人からの頼まれごとや雑事が割り込んできて、重要なことをやる時間が知らずに削られていきます。
そこでデジタルカレンダーを使って、「重要なことを最優先する習慣」を身につけていきましょう。
以下の記事で、デジタルカレンダーの活用法を詳しく書いています。
タイトルはMacのカレンダーになっていますが、Googleカレンダーなど、他のデジタルカレンダーでも応用可能です。
>> Mac純正カレンダーの効果的使い方【通知・色分け・繰り返し】
まとめ
助け合いながら生きていくのが社会です。ただ何でも言われるままに応じていると、自分の人生がいつまで経っても前に進みません。
マルチタスクをやめて、シングルタスクに深くフォーカスする。そのために、その日にやる重要な3つを決めて実行する。
やることを減らしながら、確実に前へ進んでいきましょう。