毎日、必ず開くアプリのひとつが、テキストエディタ。
自分だけでなくおそらく多くの人にとって、パソコン上の最も重要なアプリと言えそうです。
ぼくは、2016年以来ずっとUlyssesを使ってきました。
Ulyssesは、多機能でシンプルなデザイン。
テキストをグループ化できて、マークダウン記法も使える。
自分にとって完璧と言っていいエディタでした。
【Macエディタ・Bearの使い方】軽くて、タグで階層化できる
ただUlyssesに対して、不満点が2つありました。
まず動作が重いのです。
グループのテキストの数が増えてくると、文字変換に時間がかかるなど、明らかに動作が重くなります。
もうひとつが、価格の高さ。
サブスクリプションの料金が、年額5,400円・月額650円します。
多機能と言え、テキストエディタとしては高いですね。
ぼくは買い切りモデルからサブスクリプションへ移行したため、年間3,300円の特別価格で使えています。
それでも、「テキストエディタにそれだけの価値はあるのか」と疑問に思ってきました。
サブスクリプションの期限を機に、乗り換えを検討
そこで2021年8月の年間サブスクリプションの期限を機に、Bearを使ってみることにしました。
1週間ほど使用したところ、自分の使い方ではBearでまったく問題なし。
むしろ動作が軽くて、Ulyssesより使いやすいと感じています。
この記事では、Macのテキストエディタ・Bearの特徴や使い方を解説します。
BearにはMacのほか、iPadとiPhoneに専用アプリがあります。
それら複数デバイスでBearを同期するには、Pro版の購入が必要です。
BearのPro版の価格は、以下の通り。
月額 | 年額 |
---|---|
150円 | 1,500円 |
Pro版の利点
Bearを無料版からPro版にアップグレードすると、同期の他にもできることが増えます。
Pro版の利点は、以下の4つです。
- iCloudで複数デバイスの同期ができる
- メモをパスワードでロックできる
- PDF、 Word (DOCX)、HTML、JPGなどの形式でエクスポートできる
- 使えるテーマの数が、倍以上に増える
もし1台のMacだけで使い、かつ無料版のテーマで気に入っているものがあるなら、Pro版にする必要はありません。
ただし複数台のMacで作業するなら、Pro版へのアップグレードは必須でしょう。
無料体験がつく
ちなみにBearのPro版は、新規登録者に無料体験を進呈しています。
無料体験の期間は、月額プランは1週間・年額プランは1カ月です。
どちらも無料体験期間の終わる前に解約すれば、料金は掛かりません。
最終的に月額を選ぶにせよ、無料体験は年額の1カ月を選んだほうがお得です。
Bearを使う上での3つのエリア
Bearの基本画面は、タグ・メモ・エディタの3つのエリアに分かれます。

- タグ
- メモ
- エディタ
Bearを使う際は、この基本画面を理解する必要があります。
と言っても、それほど難しい話ではありません。
それぞれのエリアの役割について、解説します。
タグ
タグのエリアは、文章につけたタグ(#+単語)が表示されます。
タグエリアに表示されている単語をクリックすると、そのタグを付けたすべての文書がメモエリアにリスト表示されます。
タグエリアの表示は、右下のアイコン(サイドバーの表示/非表示)をクリックしポップアップウィンドウの一番左をクリックするか、ショートカットキーの「^+3」を入力します。
メモ
メモのエリアは、保存している文書がリスト表示されます。
メモの文書のいずれかをクリックすると、エディタのエリアに全文表示されます。
メモのエリアでは、好きなメモを一番上に固定表示できます。
固定表示したいメモを右クリックし、ポップアップの「上にピン留め」をクリック。
これで指定したタグの一番上と、「メモ」のリストの一番上に固定されます。
書きかけの文書やよく見る文書があるなら、ピン留めしておくと開くときに時間短縮できます。
メモエリアの表示は、右下のアイコン(サイドバーの表示/非表示)をクリックしポップアップウィンドウの真ん中をクリックするか、ショートカットキーの「^+2」を入力します。
エディタ
エディタは、文章を書く上でメインとなる場所です。
このエリアに、文章を書いていきます。
エディタエリアの表示は、右下のアイコン(サイドバーの表示/非表示)をクリックしポップアップウィンドウの一番右をクリックするか、ショートカットキーの「^+1」を入力します。
Bearの大きな特徴はタグでの文書管理
書いた文書が多くなると、種類別の管理が必要です。
Bearでは文書の管理を、タグで行います。
タグを付けるには、文章内に「#+単語」と書きます。
書く場所は、文書内のどこでも構いません。
例えば、「#ブログ」というタグを文章内に書いたとしましょう。
するとタグのエリア内に、「ブログ」という名前が表示されます。
その「ブログ」のタグをクリックすると、「#+ブログ」とタグづけした全ての文章がメモのエリアに表示されます。
つまりタグ付けは、パソコンのフォルダのような役目をします。
フォルダの中にデータを格納するイメージで、種類の同じ文書へ同じタグを付けていくのです。
しかもタグは複数付けられるため、例えば「#ブログ」「#エディタ」とすれば、タグのエリアの「ブログ」と「エディタ」に同じ文書を表示できます。

タグで階層化
タグには、階層をつけられます。
単語と単語の間に「/」を入れれば、前の単語が親、後ろの単語が子になります。
例えば文書に「#ブログ/エディタ」と書けば、タグのエリアで「ブログ」の下の階層に「エディタ」が表示されます。
文書が多くなってきたら、階層化で管理したほうが見やすいです。
階層化できるのは、便利ですね。

Bearでの文章の書き方
ここから肝心のBearでの文章の書き方を解説します。
Bearで新規の文章を書くには、メモエリア一番上の検索窓右のアイコンをクリックするか、「⌘+n」を入力します。
特定のタグを選択した状態で新規作成すると、自動的に同じタグがテキスト内に入ります。
新規文書を開くと一番上に「H1」の文字が表示され、その右横にカーソルが点滅した状態になります。
H1とは、タイトルを指します。
まずはH1の空欄にタイトルを入れ、リターンキーを押して改行してから、本文を書いていきます。

一行目はタイトル以外も可能
ちなみに新規文書作成時、H1以外に自動でその日の日付を入れることもできるし、タイトルなしですぐ本文を書けるようにもできます。
方法は環境設定を開き、「一般 > 次で新規メモを作成」から選択します。
マークダウン記法に対応
Bearはマークダウン記法に対応しています。
マークダウン記法とは、簡単な文字入力で見出しや強調など文字装飾のできる機能です。
マークダウン記法の代表的なものには、見出しがあります。
Bearでは見出しを、「#+スペース」で入力できます。
「#+スペース」ならH1、「##+スペース」ならH2と、#の数を多くすると見出しのレベルが下がります。
見出しを多く使うブログの執筆では、マークダウン記法がとても便利です。
ショートカットキー一覧の表示
マークダウン記法をはじめとしたBearのショートカットキーは、エディタ画面右下のペン先ボタン(ステータスバーを表示)をクリックすると一覧表示されます。
見出しのほかにも、太字や箇条書きリスト、番号付きリストなどがあります。
Bearを使うなら、マークダウン記法を覚えると執筆のスピードが高速になります。
よく使うものがあれば、指に覚えさせましょう。

情報パネル
書いている文章の詳しい情報は、情報パネルから確認できます。
情報パネルを開くには、エディタ画面右上の「i」をクリックするか、ショートカットキー「⌘+⇧+i」を入力します。

文字数の確認
情報パネルの重要な情報のひとつに、文字数の表示があります。
文字数は情報パネル内の、「文字」の横に記載されます。
文章量が決まっている場合は、文字数の確認を情報パネルから行いましょう。
その際はマウスでアイコンをクリックせずに、「⌘+⇧+i」とショートカットキーで開く癖を付けると執筆スピードが落ちません。
エクスポート
Pro版を使っているなら、エクスポートも情報パネルから可能です。
情報パネルの一番下に代表的なファイルの種類が表示されているので、必要なものをクリックしてエクスポートします。
タスク管理ツールにも使える
Bearには、チェックリスト作成の機能があります。
この機能を利用すれば、Bearをタスク管理ツールとして使えます。
やり方は、ショートカットキーの「⌘+t」もしくは「-(ハイフン)+スペース」を入力し、文頭にチェックボックスを挿入します。
チェックボックスの後ろにタスクを記載し、エンターキーを押せば、次の行の文頭にもチェックボックスが自動表示されます。

ちなみに検索で「@todo」と入力すると、チェックリストの入ったノートのみ抽出されます。
複数のメモにタスクがある場合は、検索で一括表示が便利です。
タスクが完了するとプログレスバーが進む
完了したタスクにチェックを入れると、メニューエリアの該当する文書に、タスクの進行状況が色付きのバー(プログレスバー)で表示されます。
タスクが完了するたびにプログレスバーは進み、すべて完了するとバーが最後まで進む仕組みです。
プログレスバーは進捗がひと目でわかるほか、「タスクを終わらせよう」とモチベーションアップにもつながります。
まとめ
以上、Macのテキストエディタ・Bearの解説でした。
しばらくBearを使ってみた感想は、「自分の使い方には、これで十分」でした。
確かにUlyssesは機能的なダッシュボードがあるなど、シンプルなデザインながらとてもリッチなエディタです。
しかしそれら機能をすべて使っているかと言えば、まったくそんなことはなかったです。
機能的に事足りるなら、Pro版が半額以下のBearを使ったほうがコスパが良いですね。
ということでしばらく使ってみた結果、UlyssesからBearへ乗り換えることにしました。
この記事が、Macのエディタ探しをしているひとの参考になれば幸いです。