SONYのノイズキャンセリング・ヘッドホンWH-1000XM4を購入して、一か月が経ちました。ほぼ毎日、2時間〜4時間くらい使っています。
音質とノイズキャンセリング性能は、まったく不満がないです。
ブルートゥース接続だけでなく、有線接続でもよく使っています。DACアンプをつなげれば、高音質のストリーミングを楽しめて良いです。
この記事では使い込んだ上での、WH-1000XM4のレビューを紹介します。
前作からノイキャン・音質がアップデート
WH-1000XM4は、前作WH-1000XM3の後継機です。前作からの違いは以下のような感じ。
- ノイズキャンセリング性能が向上
- より高音質に
- 声を出すと音楽が止まる、スピーク・トゥ・チャットを搭載
- ヘッドホンを外すと、音楽が止まる
- 重量が1グラム軽量に
スペック的にはあまり変わらず
WH-1000XM3もWH-1000XM4も、スペックに大きな違いはありません。ドライバーユニットも40mmと変わりなし。
ただしコーデックは、以下のように少なくなりました。
WH-1000XM3 | WH-1000XM4 | |
---|---|---|
コーデック | SBC, AAC, aptX, aptX HD, LDAC | SBC, AAC, LDAC |
その代わりといってはなんですが、SONYの売りであるDSEEが「DSEE HX」から「DSEE Extreme」へ進化しています。
DSEE Extremeで高解像度に
DSEEとは圧縮音源をAIでリアルタイム解析し、削られた情報を復元するSONY独自の機能です。
SONYの発表では「24bit / 96kHz」のハイレゾ並みにまで、音質アップが期待できるとしています。
このDSEEが「DSEE HX」から「DSEE Extreme」へ進化したことで、より高音域の補完を可能にしています。以下、SONYの引用です。
「DSEE HX」はCD音源や圧縮音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする技術でしたが、「DSEE Extreme」ではその高域補完の性能をさらに高めることで、よりハイレゾに近い高音質を実現したものとなります。
SONY公式サイト|開発者INTERVIEW
有線接続とDACアンプを組み合わせ高音質に
いくら高音質でも、ブルートゥース接続には限界があります。音にこだわりたいなら、有線接続がおすすめ。
Amazon Music UnlimitedやApple Musicのような高音質ストリーミングは、DACアンプを挟んでスマホに有線接続すれば最高音質の出力が可能です。
有線接続は別次元の音
実際に有線接続しAmazon Music Unlimitedを聴いてみたところ、ブルートゥース接続に比べ音が明確に変わりました。
打楽器の粒立ちが良くなり、ボーカルの臨場感が増したように感じます。ノイズも軽減され、よりクリアで豊かな音質を楽しめました。
コードが邪魔にはなりますが、じっくり良い音を楽しみたいなら有線を選択したいですね。
以下の記事で、ぼくが使用しているスティック・タイプのDACアンプを紹介しています。1万円以下と安価です。合わせて参考にしてみてください。
>> 【スマホで高音質】IKKOのDACアンプ・Zerda ITM03
ノイズキャンセリング性能がアップ
WH-1000XM4は前作に比べ、特にノイズキャンセリング性能が向上しました。
プロセッサーは前作と同じく「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」を使っているものの、高性能BluetoothオーディオSoCと連携し、外音を毎秒700回以上計測してノイズをカットします。
その結果、SONYの発表では「特に中高域の音を前機種よりカットできている」としています。
今回のポイントは「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と高性能BluetoothオーディオSoC (System on Chip) が連携していることです。2つのデバイスが連携し、音楽信号や騒音信号、さらにドライバーユニットと耳の間の音響特性を毎秒700回以上センシングしています。
SONY公式サイト|開発者INTERVIEW
人の声をさらにカット
中高域の代表的なノイズは、人の声です。家の中であればテレビの効果音や家族の話し声があるし、屋外なら混雑しているカフェが想定できます。
そういった人の声のする場所で、より快適な音の空間を生み出すよう設計されているわけです。
ノイキャンを個別に自動調整
他にもWH-1000XM4には、パーソナルNCオプティマイザーが搭載されています。
ヘッドホン左側のカスタムボタンを長押しすると、「最適化を開始」の音声とともに信号音が数秒流れます。
この信号音の反響から髪型や眼鏡の有無などを検知し、ノイズキャンセリング機能を個別に微調整するのです。
気圧に合わせ最適化
カスタムボタンは、外気圧の測定もします。
例えば飛行機に乗ったときは、気圧が地上より低くなり音の伝わり方が変わります。その変化に適応するよう、気圧に対しても自動調節してくれます。
飛行機で使用する際には、忘れずカスタムボタンで気圧の調節を行ないましょう。
ノイズキャンセリングの感想
「理論はわかった、実際に体験してみてどうなのか?」という話ですが、使ってみた感想は「無音になるわけでないが、かなりの音がカットされる」です。
自宅で装着すると、電化製品のモーター音はしなくなります。例えば冷蔵庫など、低く鳴っている音ですね。
エアコンはまったく無音になるわけでなく、薄っすらと音が聞こえます。
外から聞こえる人の声はゼロになる
窓を開けていると外で遊ぶ子どもや道を歩く人の声が聞こえるのですが、これらはほとんどカットされます。
ただ高音の鳥の鳴き声は、それほどカットされず耳に入ってきますね。
ちなみにカットしきれない音も、音楽を鳴らせばほぼ気にならなくなります。
WH-1000XM4は、音楽を聴きながら使う人がほとんどでしょう。
そのため、ノイズキャンセリング性能に関しては、「文句のつけようがないレベル」といって良いです。
WH-1000XM4の開封レビュー
ではここから、WH-1000XM4の開封レビューを紹介します。
パッケージは色々と情報の記載されている、家電っぽい雰囲気です。
パッケージを取ると、クイックスタートが書いてあります。
本体はオーバル型の収納ケースに入っています。
取扱説明書や注意事項なども入っています。
ケースを開けると、本体がコンパクトに収納されています。
複雑な入り方で再現できるか不安になりますが、ケースの底には入れ方をプリントした厚紙が敷いてあります。安心です。
ヘッドホンのほか、USB-Cケーブル、35mmケーブル、航空機用プラグアダプターが入っています。
本体を取り出しました。色はプラチナシルバーを選択。
ヘッドホンの内側には、「L」「R」が小さくプリントされています。
イヤーパッドは、柔らかい低反発ウレタン素材。接地面が広いため耳に掛かる側圧が分散され、長時間の使用でも疲れにくいです。
ただしメガネを掛けている人は、長時間の使用で耳やコメカミが痛くなるかもしれません。
メガネを掛けてヘッドホンを着けるなら、幅を少し広げたほうが使いやすくなります。以下にメガネでヘッドホンを着ける際の対策をまとめています。
まとめ
以上、WH-1000XM4のレビューを紹介しました。
前作のWH-1000XM3から、特にノイズキャンセリング性能が向上しています。
声を発すると再生がストップするスピーク・トゥ・チャットの搭載など、リモートワークでの利用により最適化している印象です。
発売当初は税込44,000円だった価格も、かなりこなれてきました。ノイキャン性能を装備しているヘッドホンを探しているなら、良い選択になると思います。
以下の記事でWH-1000XM4のリモートワークの使い勝手について、解説しています。合わせて参考にしてみてください。
>> WH-1000XM4リモートワークは快適か【通話品質に難あり】