SONYのWF-1000XM4を購入し、2か月が経ちました。
毎日2時間以上、使ってみて、メリットとデメリットがありました。ポイントとなるのは、やはり音質とノイズキャンセリング機能です。
この記事では、WF-1000XM4のレビューを紹介します。
WF-1000XM3とWF-1000XM4の比較
WF-1000XM4は、SONYが2021年6月25日に発売したノイズキャンセリング・イヤホンです。
前作WF-1000XM3の正統な後継機で、左右分離型のワイヤレスタイプとなっています。
スペック表
前作WF-1000XM3とWF-1000XM4の比較を、以下にまとめました。
| WF-1000XM3 | WF-1000XM4 |
---|---|---|
発売日 | 2019年7月13日 | 2021年6月25日 |
メーカー価格 | 27,500円 | 33,000円 |
重量 | 約8.5グラム×2 | 約7.3グラム×2 |
カラーリング | ブラック、プラチナシルバー | ブラック、プラチナシルバー |
コーデック | SBC, AAC | SBC, AAC, LDAC |
SoC | QN1e | V1 |
アップスケーリング機能 | DSEE HX | DSEE Extreme |
スピーク・トゥ・チャット | なし | あり |
防水機能 | なし | IPX4相当の防滴機能 |
充電時間 | 約1.5時間 | 約1.5時間 |
急速充電 | 10分充電で90分再生可能 | 5分充電で60分再生可能 |
Qi規格のワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
連続音声再生時間 | 最大6時間(NCオン) | 最大8時間(NCオン) |
連続通話時間 | 最大4時間(NCオン) | 最大5.5時間(NCオン) |
通信方式 | Bluetooth標準規格 Ver.5.0 | Bluetooth標準規格 Ver.5.2 |
WF-1000XM4は前作に比べ、ほぼ全方位アップデートされています。特に以下3点が良いです。
- LDACに対応
- IPX4相当の防滴
- ワイヤレス充電
コーデックにSONY独自のLDACが加わったことで、対応しているAndroidは最大990kbpsまでの高音質で聴けます。
防滴仕様も嬉しいポイント。着けたまま安心してジョギングができそうです。
またワイヤレス充電が搭載されたことで、「置くだけ充電」が可能になりました。
WF-1000XM3もコスパ良いイヤホン
WF-1000XM4の登場後も、前作・WF-1000XM3は現役で販売されています。値段がこなれてきて、コスパの高いイヤホンになっています。
前作・WF-1000XM3のレビューは、以下の記事にまとめています。合わせて参考にしてみてください。
>> WF-1000XM3レビュー【高音質なノイキャンイヤホン】
WF-1000XM4のメリット5つ
ではここからWF-1000XM4を使ってみて感じた、メリットとデメリットを紹介します。まずはメリットから。以下5つがあります。
1. ノイズキャンセリング機能が向上
SONYによると前作WF-1000XM3に比べ、低音から中高音域の全域でノイズキャンセリング性能がアップしているとのこと。
実際に着けてみると、低音域のノイズカットが良くなった印象です。
ノイズキャンセリング機能をオンにすると、空調など低域の環境音はほぼ完全に聞こえなくなります。
ただし高音域のカットは、まだ苦手かなと思います。カフェなどで使用すると、店員さんの声やエスプレッソマシンのスチーム音などが聴こえてきます。
音楽を掛けると気にならない
それら高音域も音楽を聴いているときには、ほぼ気にならないレベルまで相殺されます。
まだまだ伸びしろのありそうなノイキャン機能ですが、WF-1000XM4は満足できるレベルに仕上がっています。
2. 自然な外音取り込み
WF-1000XM4は、「ノイズキャンセリング・外音取り込み・どちらもなし」の3種類からモードを選べます。
そのうち外音取り込みは外部マイクから周囲の音を拾い、イヤホンを着けながら環境音を聴けます。
街なかを歩きながら使ったり、オフィスや自宅など周囲から話しかけられる環境などでは、外音取り込み機能が便利です。
スピーク・トゥ・チャット機能
またWF-1000XM4には、「スピーク・トゥ・チャット機能」が付いています。
自分が声を発すると自動的に音楽が止まる機能で、話しかけられたときなど有効ですね(設定でオンオフが可能)。
3. 音質が良い
音質に関しては、ほぼ不満がないです。多少、派手に色づけされていますが、クリアで高音の粒立ちが良いです。
低音も主張しすぎず、しっかり曲を支えるイメージです。
WF-1000XM4には曲の解像度をアップスケーリングする、DSEE Extremeが搭載されています。
DESS Extremeとは圧縮された音源をAIで解析し、ハイレゾ並みの情報量に補って再生する機能です。以下、SONY公式サイトの引用です。
「DSEE HX」はCD音源や圧縮音源をハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする技術でしたが、「DSEE Extreme」ではその高域補完の性能をさらに高めることで、よりハイレゾに近い高音質を実現したものとなります。
SONY公式サイト|開発者INTERVIEW
DSEE Extremeは、そこまで感じない
正直いうとDSEE Extremeをオン(アプリの設定では「Auto」)にしても、あまり劇的な違いは感じません。
「DSEE Extremeで音質が向上した」とプラシーボ効果があるので、オンにすると音質に対する満足感は上がると思います。
ただDSEE Extremeをオンにすると、バッテリーの消費が激しくなるので注意が必要です。アプリの設定でオフにもできます。
4. ブルートゥースの切り替えが良い
WF-1000XM4を使って感心したのが、デバイスからデバイスへのブルートゥースの切り替えの快適さです。前作のWF-1000XM3より数段、やりやすくなりました。
前作は切り替えの際、一度ブルートゥースを切ってから、別のデバイスにつなぎ直す必要がありました。一方、WF-1000XM4は切る手間がなくなり、すぐにつなげられます。
ペアリングは最大8台
デバイスのペアリングは最大8台まで可能です。
スマホやタブレット、パソコンなど、持っている機器すべてをペアリングしておけば、WF-1000XM4を耳に着けたままデバイスを快適に切り替えられます。
5. ケースのワイヤレス充電が可能
地味にありがたいのが、ワイヤレス充電の対応です。
充電ケースをワイヤレス充電器に置くだけで、自動的にスタートします。
ケーブルで充電するのは、なにげに手間。置くだけで充電できるのは、やはり楽です。
WF-1000XM4のデメリット3つ
ここからは、WF-1000XM4の今ひとつな点を3つ紹介します。次作以降の改善に期待です。
1. 耳のフィット感が今ひとつ
WF-1000XM4本体というよりイヤーピースの問題ですが、耳へのフィット感が今ひとつです。
WF-1000XM4のため新開発されたのが、ノイズアイソレーションイヤーピース。さらさらした触感に適度な弾性があり、耳に無理なく入れられます。
その代わりといっては何ですが、着けているうちに緩くなってくる感触があります。
純正が合わなければサードパーティ製を
イヤーピースが合わない場合は、サードパーティ製を使う選択があります。
以下の記事に、WF-1000XM4用のサードパーティ製イヤホンを紹介しています。サードパーティ製にかえることで装着感だけでなく、音質も向上しました。
>> WF-1000XM4で使えるイヤーピース3つを比較し1つに決定
2. タッチセンサーの感度が良くない
WF-1000XM4はタッチセンサーで音量や再生停止、ノイズキャンセリングのオンオフなど操作できます。このタッチセンサーの感度が今ひとつです。
耳に着けたままタッチセンサーを操作しても、反応しないことが多々あります。
ただ一度、WF-1000XM4をリセットしたところ、かなり改善されました。
以下の記事にリセットのやり方を紹介しています。タッチセンサーの反応が悪い場合は、試してみてください。
>> WF-1000XM4のタッチセンサーが反応しない時はリセットを
3. たまに片方が聴こえなくなる
音楽を聴いていると、たまに片耳から音が鳴らなくなります。対処法は簡単でイヤホンをいったん外し、改めて耳に着け直すとまた音が鳴り始めます。
カフェなど混雑している場所でよく発生するので、ブルートゥースが混線するのかもしれません。
開封レビュー
ではここから、WF-1000XM4の開封レビューを紹介します。
WF-1000XM4の外箱は、かなりシンプル。いつもの家電っぽいSONYの箱からガラリと変わり、スッキリしています。
WF-1000XM3と比べると、WF-1000XM4の箱の小型化が際立ちます。
箱を開けると、WF-1000XM4の充電ケースが現れます。
充電ケースの下には、取扱説明書とUSB-A・USB-Cケーブル、イヤーピースが収まっています。
ノイズアイソレーションイヤーピースは、ポリウレタンフォームを素材に使っています。
耳の形状に応じ柔軟に変化するため、より着けやすく、遮音性が高まっています。
WF-1000XM3に比べ、WF-1000XM4は充電ケースが小型化しました。
イヤホン収納時の重さはWF-1000XM3の92グラムに対し、WF-1000XM4は約40%減の55グラムです。
充電ケース裏面には、USB-Cの差し口があります。
WF-1000XM4は充電ケースのランプの色で、バッテリー残量がわかります。以下の記事に詳しく解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
>> WF-1000XM4の充電ランプの色でバッテリーの状態がわかる
充電ケースだけでなく、本体の形状もWF-1000XM3から大きく変わりました。WF-1000XM3のオーバル型から、丸型へ変更です。
丸い形状が耳のくぼみにちょうど収まり、フィット感が向上しています。
タッチセンサーの操作方法
WF-1000XM4は前作同様、イヤホンのタッチセンサーをタップして操作できます。タッチセンサーの初期設定は以下の通りです。
L側 | R側 | |
---|---|---|
1回タップ | ノイキャン/外音取り込み切り替え | 再生/一時停止 |
2回タップ | 受話/終話 | 曲のスキップ・受話/終話 |
3回タップ | – | 前の曲に戻る |
触れたまま | クイックアテンションモード | Siri or Googleアプリ起動/解除・ 通話移管 |
左右同時に触れたまま (約5秒間) | ペアリング | ペアリング |
変更方法
タッチセンサーの操作は、自分好みに変更できます。変更はSONYの専用アプリで行います。
Sony | Headphones Connect
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やり方はアプリを起動し、「システム」タブをタップ。「タッチセンサーの機能を変更」右下の歯車アイコンをタップします。
左か右のタブをタップして、好みの操作にそれぞれ変更します。
最適なイヤーピースの測定方法
WF-1000XM4は、イヤーピースがフィットしているかを測定できます。
イヤーピースがフィットしないと、ノイズキャンセリング機能が低下します。きちんとチェックしておきましょう。
やり方はアプリの「システム」タブから、「最適なイヤーピースを判定」をタップ。
次ページの画面下の「装着状態をテストする」→「測定開始」と進むと、測定がスタートします。
イヤホンから5秒ほど音楽が流れ、反響音を内部マイクが拾い密閉度を測定。
イヤーピースが耳にフィットしていると、「密閉されています。」とメッセージが表示されます。
まとめ
以上、2か月使用したWF-1000XM4のレビューでした。
気になる点はあるものの、トータルでは十分に満足している製品です。特にメリットに感じたのは、以下の5つです。
屋内でも屋外でも、WF-1000XM4を使えば快適に音楽を楽しめます。気になったひとは、チェックしてみてください。