プロご用達のHHKB Professional HYBRID Type-Sをレビュー

最終更新日 2022-03-23

先日、PFUのHappy Hacking Keyboard(以下、HHKB)を購入しました。
この記事では、HHKBのレビューをします。

HHKB Professional HYBRID Type-Sのレビュー

HHKBとは、石川県に本社を持つPFUが製造・販売しているキーボードです。
静電容量無接点方式を採用しており、キーを底まで押し込まなくても認識します。
またスプリングの押し下げでキーをしなやかに反発させており、キータッチの軽さも特徴。
プログラマーやライターなど、多量の文字を入力する人に支持されているプロ向けのキーボードです。

HHKBのラインナップは3つ

執筆時で、発売されているHHKBの種類は大きく3種類あります。

大きな違いは、「Bluetooth接続できるかどうか」と「静寂性が高いかどうか」の2点。

最もスペックの高いのは、HHKB Professional HYBRID Type-Sです。
接続に有線とBluetoothの2種類が選べ、キータッチの音が他の2種に比べ30%静かです(メーカー発表)。
そのぶん価格も高めで、35,200円(税込)です。

次にスペックの高いのは、HHKB Professional HYBRIDです。
こちらも接続に有線とBluetoothを選べますが、打鍵音がType-Sより大きいです。
価格はType-Sに比べ約5,000円安い、30,250円(税込)。

最もスペックの低いのは、HHKB Professional Classicです。
こちらは有線接続のみで、Type-Sに比べ打鍵音が大きいです。
また日本語配列はなく、英語配列のみ。
価格は3種のなかで最もリーズナブルな、25,300円(税込)。
それでも一般的なキーボードに比べれば、かなり高価ですね。

購入したのはHHKB Professional HYBRID Type-S

この中で今回は、最上機種のHHKB Professional HYBRID Type-S(日本語配列)を購入しました。

HHKBを使うのは、これが初めてではありません。
2014年〜2017年ごろ、HHKB Professional Classic(日本語配列:現在は廃盤)を使用していました。

そのときに、確かにキーボードの音が大きいと感じていました。
今回買い直すにあたり、「せっかくなら」と静寂性の高いType-Sを選択。
以前使っていたHHKB Professional Classicに比べると、音は小さいように思います。

HHKBの5つの良い点

今回、改めて使ってみて、HHKBの良い点を考えてみました。
以下、5つのメリットを順に解説します。

  1. 独特な心地よさがある
  2. キー配列がよく考えられている
  3. 耐久性が高い
  4. ミニマムなデザインが良い
  5. 高いキーボードを使っているから元を取る意識が生まれる

1. 独特な心地よさがある

特にMacを使っている人は、マジックキーボードなどキーストロークの浅い、いわゆる「ペチペチ系」のキーボードに慣れていると思います。
それらに比べると、HHKBは打鍵のストロークが深いです。
またキーの沈み込みが、ごく軽やか。

このキーボードは、正直いって好みが分かれるでしょう。
しかし一度慣れてしまうと、感触に病みつきになる人は多くいると思います。
自分もそんなひとりです。

2. キー配列がよく考えられている

コントロールキーがシフトキーの上にあり、使いやすい

HHKBは、コントロールキーとCapsLockの位置が通常とは逆です。
どちらのキーをよく使うかといえば、それは断然コントロールキーです。

ショートカットでよく使うコントロールキーがシフトキーの上にあると、左小指を使って楽に入力が可能。
個人的にはこの配列が正解だと思っています。

なぜ他のキーボードの多くがCapsLockをシフトキーの上に配置し、コントロールキーを左下に置いているのか、この配列に慣れると意味がわからなくなります。

すべてのキーが内側に向いている

他にも左下のFnキーを押しながら「@」「;」「:」「/」を入力すると、それぞれ「↑」「←」「→」「↓」とカーソル移動できます。
この操作を覚えると、キーポジションから手を離さずカーソル操作を行えて便利。
他にもキーの角度が、打ちやすいよう若干内側に向いているのも特徴です。

キーの奥には収納型の小さなスタンドが二つあり、それらを起こすことで計3段階に高さを変えられます。
さすが価格の高いキーボードだけあり、少しでも打ちやすくなるよう細かく配慮されています。

3. 耐久性が高い

キーを底部の接点に押し付けず認識するため、耐久性が高いです。
PFUの発表によると、3000万回以上の打鍵に耐えうるとのこと。

耐久性に関しては、Bluetooth接続のバッテリーにもこだわりがあります。
通常のBluetoothキーボードは、充電式のリチウムイオン電池を使用しています。
充電できるのは便利ですが、ご存知のようにリチウムイオンは充電を繰り返すたび劣化して寿命が短くなります。
いくらキーの耐久性が高くても、リチウムイオン電池が使えなくなっては困ります。

HHKBはそれを回避するため、Bluetooth接続に単三電池2本を使用しています。
電池は自分で交換可能なため、内蔵バッテリーの劣化という心配は無用です。

さらにキートップの印字はプリントではなく、樹脂にインクを浸透させて文字を描いています(サブリメーション印刷と言います)。
いくらキーをたくさん打っても、特定のキートップの文字が剥げてしまう心配もありません。

こういった感じで、HHKBは長期間に渡って使えるよう配慮がなされています。
確かに価格は高いですがそれこそ5年・10年と使い続けられるなら、一日単位の使用料は他のキーボードに比べてむしろ安いと言えます。

4. ミニマムなデザインが良い

ファンクションキーを排除したミニマルな形状

HHKBには、ファンクションキーがありません。
ファンクションキーは、Fnキーを押しながら数字キーを打つことで機能します。

ファンクションキーのない分、筐体をコンパクトにでき、特に墨モデルは文字自体が目立たずスッキリしています。

4辺のマージンも切り詰められていて、一般的なコンパクトキーボードより小さな印象を受けます。
アップル製品などミニマルなデザインが好きな人は、見た目的にも気にいると思います。

5. 高いキーボードを使っているから元を取る意識が生まれる

HHKBは、いちばん安いモデルでも25,300円します。
最上位のType-sは、35,200円です。

価格帯が1万円を越えれば高級キーボードに入ると思いますが、2万はおろか3万オーバーは強気を通り越して狂気の沙汰。
ただ「これだけ高いキーボードを買ったのだから」と生産性を上げるプレッシャーは感じます。

このプレッシャーが良いことなのか疑問ですが、打鍵感の良さやよく考えられた配列、高い買い物をしたという圧力も相まって生産性はアップします。

HHKBのデメリット

メリットをいくつか上げましたが、もちろん良い点ばかりではありません。
HHKBのデメリットも、きちんと書いておきます。

一番のデメリットは、やはり「打ちづらさを感じる人もいる」だと思います。
キーボードそのものに高さがあるので、パームレストを使わないとずっと手を少し上げたような形になります。
慣れれば気になりませんが、キーボードそのものの高さに疲労感を感じる人はいるでしょう。

また個性的なキーボードの割に、やはり価格が高すぎます。
「ちょっと試してみよう」とはなかなかなりません。
東京・大阪・名古屋には、HHKBを試打できるPFUのショップがあります。
初めてHHKBを使う方でそれらの都市に住んでいる人は、実物を試し打ちしてみるのがよいでしょう。

なぜ今回、HHKBを購入したか

ここから、「なぜHHKBを買ったか」という個人的な話をします。

現在、保有しているパソコンは、AppleのMacBook Pro14インチです。
何度もこのブログで書いていますが、本当に素晴らしいマシンで不満はありません。

レビュー記事はこちら >> MacBook Pro 14インチ【性能は最高・外観はクラシカル】

ただ外へ持ち出すとなると、話は少し変わってきます。
重量が1.6キロもあり、それがネックと言えばネック。

そこで外出先での作業は、iPad Proと外付けキーボードでやってみようと思いました。

iPadで親指シフトを使うには工夫が必要

ここで疑問に思った人がいるかもしれません。
なぜならiPadには、カバーを兼ねたマジックキーボードスマートキーボードフォリオがあるからです。
HHKBを買わずに、それらを使えばいいじゃないかと。

Appleが販売しているiPad用のキーボードを使いたいのはやまやまですが、使えない理由があるのです。
自分は文字の入力方法に、親指シフトを使っています。
親指シフトは、ローマ字でもかな入力でもない文字の入力方法です。
パソコンやタブレットにはデフォルトで搭載されていないため、Macでは専用のエミュレーターを使っています。

Macは問題ないものの、iPad OSでは入力方式を開放しておらず、エミュレータなどで親指シフトを使うことができないのです。

そこでiPadで親指シフトを打つ際は、かえうちというアダプターを使っています。
かえうちとは自分の好みの入力方法を認識させるアダプターで、有線キーボードやUSBレシーバーを使った無線キーボードとパソコンの間に挟んで使います

このかえうちを使うために、キーボードを探すことにしました。

有線接続のキーボードを探して、HHKBのハイブリッドモデルにたどり着いた

最初は、ロジクール製キーボードのMX Keys Miniを使う予定でした。

MX Keys Miniのレビュー記事はこちら >> 在宅ワークは「飽き」との戦い【MX Keys Miniレビュー】

MX Keys Miniは、BluetoothとUSBレシーバーのどちらかでiPadと接続できます。
ところがロジクールのUSBレシーバーの規格が新しくなったため、購入した後にかえうちが使えないとわかりました。

そこで急遽、ロジクール製の別のキーボード・MK245を購入。
こちらはマウスとキーボードのセットで2,000円ほどと激安の製品で、無事、かえうちは使えました。
しかし、やはり2,000円のキーボードです。
あまりに打ちづらいために、どうにもテキストを書く気が起きません。

そんな紆余曲折があった末に、有線キーボードを使えるHHKBの購入にいたったというわけです。

信頼できるキーボード

HHKBを使用するのは、実に5年ぶり。
その間、2度のリニューアルがありましたが、以前使っていたHHKB Professional Classicと打鍵感がまったく変わりませんでした。
アップデートしても打鍵感が同じなのは、キーボードとして好感が持てます。

ということで現在は、MacBook Pro14インチもiPad ProもHHKBを利用してテキストを打っています。
こうして試してみると、どの端末であっても同じキーボードを使えるのは快適ですね。
せっかく高価なキーボードを購入したので、大切に長く使いたいと思います。