ワイヤレススピーカーSonos Fiveを2台購入し、ステレオペアで音楽を楽しんでいます。
満足しているものの気になるのが、「エントリー機のSonos One SLと比べ、どのくらい音質が違うのだろう」ということ。
1台あたり5万円もの価格差があるので、性能差もそれだけあると期待してしまいます。
この記事では、Sonos Five×2台とOne SL×2台を同じ条件で聴き比べた結果を紹介します。
Sonos Five×2台とOne SL×2台の音質比較
Sonosとは、アメリカのスピーカーメーカーです。据え置きタイプのうちSonos Fiveは最上位機種で、One SLはエントリー機。2つは両極端のモデルです。
それぞれの特徴は、以下のような感じです。
Sonos Five

Sonos FiveはSonosの最上位機種です。価格は税込79,800円。
他のSonosスピーカーと同様、Wi-FiにつなげSpotifyやApple Musicなどストリーミングサービスの曲を流せます。
曲の操作はスマホの専用アプリから行えるほか、スピーカー本体でも「再生・停止・スキップ」できます。
アップル製品を使っている場合は、AirPlay2での再生も可能です。
3.5mmライン入力でターンテーブルを使える
Sonos Fiveの特徴として、CDプレーヤーやターンテーブルなど外部の再生機器を、3.5 mmライン入力ジャックでつなげられます。
実際にターンテーブルをつなげた感想を、以下の記事にまとめました。合わせて参考にしてみてください。
>> Sonos Fiveのライン入力でレコードプレーヤーを再生してみた
3つずつのツイーターとウーファーを内蔵
Sonos Fiveにはツイーター・ウーファーが、それぞれ3つずつ内蔵されています。センターツイーターはボーカルをメインに出力。立体的でクリアなサウンドを実現します。
2台を縦置きしてステレオペアで楽しめるほか、1台でも横置きでステレオサウンドにできます。
Sonos Fiveの詳しいレビューは、以下の記事にまとめています。合わせて参考にしてみてください。
>> Sonos Five レビュー【最上位機種をペアリングでステレオに】
Sonos One SL

一方、Sonos One SLは、Sonosのエントリー機です。価格は税込29,800円。Fiveとの価格差は5万円あります。
Sonos One SLのひとつ上のモデルは、SLのつかないSonos Oneです。2つは形状・重量・音質が同じですが、Sonos Oneには音声ボイスアシスタント用のマイクが付いています。
1つずつのツイーターとウーファーを内蔵
Sonos One SLは、1つずつのツイーターとウーファーを備えています。
Sonos OneもしくはSonos One SLを2台組み合わせ、ステレオ再生が可能です。1台の場合はどのように置いても、モノラル再生のみ。
Sonos One SLのレビューは、以下の記事にまとめています。合わせて参考にしてみてください。
>> Sonos One SLレビュー【未来を感じる良音質スピーカー】
聴き比べの環境を紹介
これらSonos FiveとSonos One SLを、いずれも2台でステレオペアにして音質比較しました。
環境を公平にするため、左右の同じ位置・高さの台にそれぞれのスピーカーを置き、同じ位置のソファに座って聴きます。図にすると以下のような感じです。

Trueplayで音量が変わる
設置後にそれぞれのステレオシステムを、SonosのアプリのTrueplayで調整しました。
Trueplayとは、iPhoneもしくはiPadのマイクで行なえる音量の自動調節機能です。
Trueplayをスタートすると、Sonosのスピーカーから約1分間の信号音が発せられます。
その間にデバイスを持って部屋中を歩き回り、壁や床からの反響音から適切な音量へチューニングする仕組みです。
このTrueplayが優秀で、完了すると明らかに音の響きが良くなります。Sonosを購入した場合は、必ず行いましょう。
比較する楽曲は3曲
今回、比較した楽曲は以下3曲です。
- 宇多田ヒカル『Time』
- ボブ・ディラン『風に吹かれて』
- アジアン・カンフー・ジェネレーション『ソラニン』
いずれもAmazon Music Unlimitedを使い、AirPlay2の限界である「24bit / 48kHz」で再生しました。
以下、聴き比べた感想です。
宇多田ヒカル『Time』

Sonos Five
曲がはじまった瞬間から、響きある音に引き込まれました。パーカッションが明確に聴こえ、ボーカルや低音と組み合わさり立体的に聴こえます。
「音が溶け合う」とまでは言いませんが、「良い音だなあ」と素直に感じました。
Sonos One SL
Sonos FiveのあとにSonos One SLで聴いてみると、「あれ、こっちも良いな」と思いました。
Sonos Fiveに比べると化粧っ気のないあっさりした感じですが、退屈ではありません。音がしっかり鳴り、訴えてくるものがあります。
ただ両者を聴き比べると、多くの人は「Sonos Fiveが良い」と感じるでしょう。Sonos Fiveのやや情緒的な味付けが、この曲では効果的に作用していました。
ボブ・ディラン『風に吹かれて』

Sonos Five
ギターやハーモニカに、響きと丸みがあります。それでいてボーカルの臨場感も感じました。
音響の整ったホールに着席し、音楽をじっくり楽しんでいる気分になります。
Sonos One SL
楽器とボーカルに尖りがあり、生々しく感じます。
聴き比べて思ったのは、Sonos One SLのほうがボーカルが強調されています。その反面、Sonos Fiveに比べ低音が弱いため、音が刺々しく荒々しい印象を持ちます。
Sonos Fiveはホールで聴いている気分になりましたが、Sonos One SLはライブハウスです。もちろん、それが悪いという意味ではありません。
Sonos One SLのようなストレートに鳴る音が好きな人は、たくさんいると思います。
アジアン・カンフー・ジェネレーション『ソラニン』

Sonos Five
迫力がありつつ、それぞれの楽器とボーカルがまとまっています。こちらもライブハウスというより、ホールで聴いているようなイメージです。低音もしっかり響いています。
気のせいか最初に聴いた2曲に比べ、少しこもっているように思いました。
Sonos One SL
悪く言うと、平べったい立体感のない音です。ただ良くいえば、ストレートで実直な鳴り方。
Sonos Fiveを聴いたあとでは、どうしても貧弱に感じます。おそらくそれは低音が弱いからで、それを補うようにボーカルが強調気味です。
しかしそれが悪いかというと、そうでもないのです。低音が弱くボーカルがよく聴こえるため、この曲に関してはSonos Fiveよりクリアでした。
聴く人によっては、Sonos FiveよりSonos One SLの方が心を揺さぶられるでしょう。
まとめ
以上、Sonos Five×2台とSonos One SL×2台のステレオサウンドの比較でした。
聴き比べると、Sonos FiveのほうがSonos One SLよりも音質が豊かです。ツイーターとウーファーの数が3倍違うのですから、当然ですね。
Sonos Fiveの音には、厚みがあり、丸みがあります。また部屋の中でよく響きます。
それぞれの音が明瞭に聴き分けられ、なおかつまとまりがあります。立体感もありますので、楽曲によっては音に包まれているような幸福な感覚になります。
Sonos One SLの音は貧弱
一方、Sonos One SLは、Sonos Fiveに比べるとプアに感じます。相対的にみて、音に厚みがありません。
明確な特徴として、Sonos FiveよりSonos One SLは低音が弱いです。それを補うかのように、ボーカルは強調気味。
ただこれを、「フラットでよい」と思う人はいるでしょう。
ブラインドで聴き比べれば、「Sonos FiveよりSonos One SLのほうが好き」と答えるひとはたくさんいると思います。
2台で価格差10万円の価値はあるか
これらのスピーカーは1台につき5万円、2台で10万円もの価格差があります。「それだけの差を感じるか」と聞かれれば「なんとも言えない」です。
おそらく2、3曲きいただけでは、「ほとんど変わらない」「One SLのほうが好き」と答える人が多くいるでしょう。
長く使うならSonos Five
ただし同じスピーカーで数週間を過ごすと、Sonos Fiveのほうが幸福感が高いです。その理由は、音の響きや立体感にあります。
One SLのシンプルな音はときに心を揺さぶられますが、一日中きいていると(あくまでFiveに比べ)少し疲れてきます。
包まれるようなSonos Fiveのサウンドは、Sonos One SLでは感じられない幸せな感情が体の奥から湧き上がってきますね。
後日、2台同士の比較だけでなく、Sonos Five 1台とSonos One SL 2台とでも聴き比べてみました。さすがにSonos One SL×2台のほうが、満足度が高かったです。
以下の記事で詳しくまとめています。合わせて参考にしてみてください。
>> Sonos Five×1台とOne SL×2台の音質・満足度の比較
Sonosスピーカーの全ラインナップの解説は、以下の記事をご覧ください。
>> 【ワイヤレススピーカーSonos】全ラインナップを解説