キャッシュレス決済の導入を検討している店舗は、種類がたくさんあってどれを選べばいいか悩みますね。
ぼくはキャッシュレス決済を導入するにあたり、数ある候補からSquareを選択しました。
この記事では、実際にSquareを使ってみた感想と、導入するメリットを紹介します。
個人事業主のキャッシュレス決済導入はSquareがおすすめ
そもそもの話、キャッシュレス決済を導入する必要はあるのでしょうか。日本は他の先進国に比べ、まだまだ現金で支払う比率が高いのです。
とはいえここ10年で、急速にキャッシュレス化は進んでいます。
急速に進むキャッシュレス化
以下のグラフは、2010年〜2022年のキャッシュレス決済の比率を表したものです。
2022年は36.0%と、3人に1人以上がキャッシュレスでの決済を選んでいます。
おそらく高齢者は、現金での支払いが多いでしょう。若い世代のキャシュレス比率は、もっと高いはずです。
キャッシュレス率は年3〜4%上昇
さらに注目は、その伸び率。
2010年〜2014年までは年1%程度でしたが、ここ数年は年3〜4%上昇とキャッシュレス化が進んでいるのがわかります。
キャッシュレス決済の未導入は機会損失を招く
店舗の場合、お客さんは「自分のメインの決済方法が使えるかどうか」で選ぶ人が多くなっています。
また海外からの訪日観光客の支払いは、クレジットカードがメイン。
キャッシュレス決済が未導入だと、クレカ・電子マネーしか使わないお客さんを取りこぼして機会損失が発生します。
逆にいえば、売り上げアップが期待できる
機会損失があるということは、逆の見方をすればキャッシュレス決済導入で売り上げ増が期待できます。
キャッシュレス決済導入により期待できる効果は、以下2つ。
- キャッシュレスを使用する顧客を呼び込める
- 客単価アップ
まずはそれまで取りこぼしていたキャッシュレス派を取り込むことで、売り上げ増が見込めます。
それにプラスして、手持ち現金以上に購入できるため、客単価アップも期待できます。
個人利用にも有効
店舗だけでなく、フリーランスのクリエイターも同様です。
企業相手なら銀行振込で問題ないですが、個人相手ならキャッシュレス決済できると喜ばれます。
個人事業主として活動しているぼくも、個人の顧客とキャッシュレス決済の対応が必要となりました。そこでメリットを調べた結果、Squareを選んだ次第です。
実際に使ってみると、Squareは個人事業主(フリーランス)におすすめできる決済方法だと思いました。
Square(スクエア)の評判は?実際に使った感想
ぼくがキャッシュレス決済を導入したきっかけは、SNSでのフォロワーさんとのやり取りでした。
SNS上に自分の撮った写真を掲載したところ、「この写真のプリントを売ってほしい」と遠方に住むフォロワーの方から申し出があったのです。
フォロワーから代金受け取りのため導入
写真を撮っているものにとって、それはかなり嬉しいお話です。しかし「代金はどうやってもらえばいいだろう?」と悩みました。
銀行振込が一番簡単ですが、どちらが振込手数料を負担するかでモヤモヤします。
「先方にも自分にとっても簡単な決済方法はないものか」、そう考えたときSquareに思い至りました。
キャッシュレス決済4社の比較
キャッシュレス決済を導入するにあたり、候補にしたのは以下4つ。
決済手数料や入金サイクルなど、比較したのが以下の表です。
Square | AirPAY | STORES 決済 | 楽天ペイ | |
---|---|---|---|---|
クレジットカード 手数料 | 2.5%〜3.25% | 3.24% | 3.24% | 3.24% |
電子マネー手数料 | 3.25% | 3.24% (Coin+ 1.08%) | 交通系 1.98% WeChat Pay 3.24% | 3.24% |
入金サイクル | 1営業日もしくは週1回 | 月3回もしくは月6回 QRコード決済は月1回 | 【振込依頼】 1〜2営業日 【自動入金】 月1回 | 翌日 |
月額料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
振込手数料 | 0円 | 0円 | 0円〜200円 | 0円〜330円 |
カードリーダー | 4,980円〜 | 20,167円 (キャンペーンで0円) | 19,800円 (条件達成で0円) | 19,800円〜 |
導入スピード | 最短当日 | 1〜2週間 | 最短5営業日 | 最短6日 |
オンライン決済 | ⚪︎ | × | ⚪︎ | × |
これら4社の比較は、以下の記事で詳しく解説しています。
人気キャッシュレス決済の4つを比較
>> 【キャッシュレス決済の導入】個人事業主おすすめ4選を比較
Squareを導入する7つのメリット
ではここから実際に使ってみて感じる、Squareのメリットを紹介します。以下7つあります。
- 入金が「最短翌日」と早い
- 最短、当日中に始められる
- 固定費が掛からない
- スマホで決済を利用して、初期費用なしでスタート
- オンライン請求書で決済を案内
- 専用の決済端末がオシャレ
- 無料のPOSレジアプリがある
1. 入金が「最短翌日」と早い
Squareはお客さんが決済すると、翌営業日に入金されます(三井住友銀行・みずほ銀行の場合。その他の金融機関は週1回)。
「末締め翌20日払い」みたいに、入金を待たされることがありません。
実際に売上金が翌日入金されると、やはり助かりますね。もちろん振込手数料は引かれません。
2. 最短、当日中に始められる
Squareは他のキャッシュレス決済と同様、申請後に審査があります。
問題なければ最短で当日中に結果が出て、その日から使用することが可能です。
他のキャッシュレス決済は、審査結果まで早くても3日以上かかります。申請後はすぐにでも使いたいので、審査が早いのは助かります。
以下はキャッシュレス決済4社の、導入スピードの比較です。
Squareは審査が甘い?
ネット上では、「Squareは審査が甘いから通りやすい」といった意見が見られます。これは半分正解です。
というのもSquareは、「使用開始の審査基準は低くし、運用時の不正をチェックする」方針だからです。
他のキャッシュレス決済よりも、審査が通りやすいイメージはこんな理由からきています。
ぼく自身、Squareを選んだ理由のひとつが、審査の通りやすさでした。
3. 固定費が掛からない
Squareの費用は、決済が発生したときのみ掛かります。売上がなければSquareへ支払う費用は発生しないため、固定費が掛かりません。
商売をしていれば、何よりも抑えたいのが固定費。固定費なしで使えるのは、大きいですね。
決済の種類と決済手数料率
クレジットカード・電子マネーの種類と決済手数料率は、以下の通りです。
決済の種類 | 手数料率 | |
---|---|---|
クレジットカード | VISA・Master | 2.5% |
クレジットカード | American Express・ ダイナースクラブ・ Discover・JCB | 3.25% |
電子マネー | 交通系IC・QUICPay | 3.25% |
QRコード | PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY・メルペイ・WeChat Pay・Alipay | 3.25% |
ひと通り揃っているので、お客さんも「自分の決済方法が使えない」とはならないでしょう。またVISA・Masterの手数料率が2.5%と低いのも魅力。
4. スマホで決済を利用して、初期費用なしでスタート
SquareにはスマホのNFC機能を使った、「スマホでタッチ決済」という決済方法もあります。
スマホを持っているならカードリーダーなし、つまり初期費用なしでSquareを使えます。
「スマホでタッチ決済」の使い方
「スマホでタッチ決済」は、スマホにSquare POSレジアプリ(無料)をダウンロードすれば使えます。
Square POSレジアプリ
Block, Inc.無料posted withアプリーチ
Square POSレジアプリで登録した商品を選択するか、金額を手入力します。お客さんはiPhoneのApple Payなどスマホ決済か、タッチ決済のクレカで支払いできます。
またQRコード決済のPayPayは、POSレジアプリにQRコードを表示させることで利用可能です。
5. オンライン請求書で決済を案内
店舗であっても、レジだけで決済が完了するとは限りません。
例えば遠方のお客さんから、「商品を買いたい」といってもらえたとします。発送は問題ないとしても、面倒なのが支払い方法です。
- 「銀行振込なら、振込手数料はどちらが負担する?」
- 「クレジットカードで支払いたいといわれたら…?」
そんなときもSquareは、メールやSNSのDMで請求書を送れます。
請求書を受け取ったお客さんは、そのままネット上でクレカ払いが可能。お互いに、時間や手間の節約になります。
オンライン決済は決済端末を必要としないので、オンライン決済のみの利用なら初期費用ゼロです。
6. 専用の決済端末がオシャレ
Squareは店舗向けに、専用の決済端末を用意しています。種類は以下3つです。
- Square リーダー
- Square ターミナル
- Square スタンド
参考 >> Square公式サイト | Square ハードウェアTOPページ
どの端末もデザインがシンプルでオシャレ。店舗で使用するなら、決済端末もデザイン性の高いものを使いたいですね。
7. 無料のPOSレジアプリがある
Squareは無料で使用できる、POSレジ・アプリも用意しています。
iPhoneやiPadにアプリをインストールすれば、レジとしてだけでなく、店舗運営で必要なデータを詳しく確認できます。
確認できるデータには、以下などがあります。
- 売上管理
- お客さま情報の管理
- スタッフの勤怠管理
- 複数店舗を一元管理
- お店オリジナルのデジタルギフトカードを設定
様々なデータをアプリで管理できるので、売り上げアップや業務の効率化が可能です。
ビジネスにあったPOSレジを使える
またPOSレジは「レストランPOSレジ」「リテール(小売り)POSレジ」へと、無料でアップグレード可能。よりビジネスに合った仕様で使えます。
以下の動画では自転車の製造・販売を行っている、『tokyobike』さんの導入事例が紹介されています。
Squareの登録方法【審査に開業届の必要なし】
ではここから、Squareの登録方法を解説します。
Squareの登録は、オンラインで無料で完結します。書類の郵送など、面倒な手続きはありません。また店舗や事務所の写真なども不要です。
手続きの流れは、以下3段階です。順に解説します。
- アカウント作成
- 審査に申し込み
- 最短、即日から使用OK
1. アカウント作成
登録には、Squareのアカウントを作成する必要があります。
アカウントの作成はSquareのウェブサイトを開き、画面内の「今すぐ申し込む(無料)」をタップします。
次ページでメールアドレスと希望するパスワードを入力し、Squareのアカウントを作成します。
2. 審査に申し込み
次ページで以下の項目を入力し、審査を申請します。
- 業種
- 事業または店舗名
- 事業または店舗の住所
- 法人の場合は法人番号
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- 自宅住所
- 性別
- 売上金の受取口座
特に以下2つを準備してから登録を始めると、スムーズに申請できます。
- 法人の場合は法人番号
- 売上金の受取口座
3. 最短、即日から使用OK
審査結果は、最短で同日中にメールにて案内が来ます。
審査が通れば、「VISA・Mastercard・American Express」のクレジットカード決済が、最短当日から使用可能となります。
「JCB・Diners Club・Discover」と「PayPay」は、別途申請が必要です。これらも決済方法に加えたい場合は、申し込んでおきましょう。
個人事業主じゃなくても申請できる
ちなみにSquareの申請に、開業届は必要ありません。
法人じゃなくても、また個人事業主として税務署に開業届を提出していなくても、アカウントを作成し申請できます。
サービス内容が確認できればOK
ただしSquareの審査の過程で、追加書類として開業届の提出を求められることがあります。
開業届のない場合、事業の広告やメニュー表、名刺など、提供サービスが確認できる書類の提出でOKです。
以下は、Squareの「よくある質問(FAQ)」からの引用です。
開業届がない場合は、広告、メニュー表、各種ライセンス証明書、名刺、過去の取扱品およびサービスの請求書、注文書、納品書など、提供サービスの内容が確認できる書類を提出してください。
Square公式「Square アカウントの申込審査に関するFAQ」
開業届なしでも売買できる
開業届(個人事業主の開業・廃業等届書)とは、個人事業主としての証明書のようなもの。開業届がなくても、サービスや商品を販売して構いません。
ただし売り上げが、「専業48万円以上、副業20万円以上」になると確定申告が必要となります。
開業届を出しておけば控除が最大65万円ある青色申告で確定申告できるので、それだけの売り上げを見込めるなら、提出しておいた方が得です。
Squareの決済端末(カードリーダー)を紹介
Squareには、専用の決済端末(カードリーダー)が以下3種類あります。
ぼくは登録と同時に、Square リーダー(税込4,980円)を導入しました。Square リーダーはアプリと連携することで、簡単に決済できます。
Square リーダー
導入したSquare リーダー(第1世代)を、写真を交えてレビューします。
内容物は本体のほか、USBケーブル、磁気専用リーダー、取扱説明書が入っています。
とてもシンプルな外観です。大きさは、高さ: 10mm、幅: 66mm、奥行き: 66mm。
ポケットに入るコンパクトなサイズです。実際にイベントで使用した際は、ポケットに入れていました。
クレジットカードは、差し込んで決済します。タッチ決済対応マークのあるクレカは、かざすだけでオッケーです。
iDやSuicaなど電子マネーは、上部をタッチして使います。
決済はスマホもしくはタブレットに『Square POS レジアプリ(無料)』をダウンロードし、端末とBluetooth接続して行います。
Square POSレジ
Square, Inc.無料posted withアプリーチ
PayPayの決済ではリーダーを使わず、POSレジアプリの画面にQRコードを表示し、お客さんに読み取ってもらいます。
Square リーダーは第2世代にアップデート
ちなみにSquare リーダーは、2023年4月20日より第2世代へアップデートしています。
外観の変更はほとんどありません。使い方も第1世代と同じ。ただし性能が改善され、より使いやすくなりました。
第2世代の特徴は以下の通りです。
- バッテリー持ちが20%アップ(満充電で約1500回の決済が可能)
- Bluetooth4.2から5.3になり、より接続が安定した
Square ターミナル
Square ターミナルは、コンパクトなサイズにタッチスクリーンとレシート出力を備えています。価格は税込39,980円。
これ1台で「クレジットカード・デビットカード・電子マネー・PayPay」とすべての決済ができます。もちろん暗証番号入力にも対応しています。
バッテリーを内蔵しているため、レジ前だけでなくテーブル会計もスマートに使えますね。
Square スタンド
Square スタンドは、iPadと組み合わせて使います。価格は税込29,980円(iPadは自分で用意する必要があります)。
決済時には商品をタップして合計金額を出し、画面をお客さん側へ向けます。
お客さんは画面表示に従い、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・PayPayなどいずれかで決済する仕組みです。
お客さん側へ画面を向けるので、暗証番号の入力でも安心して使ってもらえます。
ちなみにSquare スタンドはデザイン性の高さを評価され、2022年度グッドデザイン賞を受賞しています。
公式サイトは30日間、返品可能
Squareの公式サイトから決済端末を購入した場合、30日間の返品に対応しています。開封済みでもオッケーです。
実物を見ない通販での購入なので、返品に対応してくれるのは嬉しいですね。
オンライン請求書で遠方でもスムーズに取引
Squareは対面だけでなく、請求書をメールやSNSのDMで送ることでオンライン決済ができます。
遠方のお客さんとは、オンライン決済を活用しましょう。
やり方はパソコンからSquareにログインした場合、ホーム画面の右上のメニューから、「請求書を送信」をクリックします。
すると新規請求書の画面へ移るので、顧客情報や商品名、金額、支払い方法など、請求書の記載に必要なものを入力します。
必要事項が書けたら、右上の「送信」をクリック。これで、相手先のメールへ請求書が届きます。
SNSのDMでも請求書を送れる
SNSのDMでも、請求書を送れます。その際には「共有方法」で「手動」を選択し、発行されたURLをコピーして相手方へ送ります。
ネット経由で迷わず決済
顧客に届く請求書は、以下になります。
受け取ったお客さんは画面上部の「カードで支払う」をタップすれば、クレジットカード決済の画面へ移ります。
わかりやすいデザインなので、お客さんは迷わずに決済できると思います(これまで「決済方法がわからない」といわれたことはないです)。
オンライン請求書決済の手数料率
オンライン請求書で使用できる決済と手数料率は、以下の通りです。ひと通りのクレジットカードをカバーしています。
種類 | 決済手数料率 | |
---|---|---|
利用できる クレジットカード | VISA・Master・ American Express・ ダイナースクラブ・ Discover・JCB | 3.25% |
決済リンクで簡単に請求
請求書を発行せずとも、支払い用のリンクをお客さんへ送る方法もあります。
「決済リンク」と呼ばれる機能で、数ステップで決済用のリンクを作成できます。リンクはウェブ上のボタンやQRコードに変更可能です。
ネットやSNSに決済QRを掲載できる
例えば、サービスを立ち上げて不特定多数の人に告知し、入金を確認できた人から順に対応したい場合があります。
そんなときは決済リンクでボタンやQRコードをSNSやブログなどに設置し、入金を確認した後に順に対応する。そんなフローを簡単に組めます。
サブスク機能も無料で使える
決済リンクは、サブスクでの請求にも使えます。
ヨガ教室や塾などは、生徒さんから月謝をもらう形になりますね。周期の決まった決済には、決済リンクのサブスク機能を使えます。
自動決済を「毎週・毎月・隔週・毎四半期・半年・毎年」と決まったサイクルに設定できるので、手間がかかりません。
決済リンクも使用料はかかりません。取引のたびの決済手数料のみ。
決済手数料率は、一律3.6%(特定の顧客へオンライン決済するだけなら、通常のやり方のほうが手数料率は安いです)。
クレジットカードのほか、Apple payやSquare Payが利用可能です。
まとめ
以上、個人事業主でキャッシュレス決済の導入ができる、Squareの紹介でした。
Squareのメリットは、以下の7つです。
- 入金が「最短翌日」と早い
- 最短、当日中に始められる
- 固定費が掛からない
- スマホで決済を利用して、初期費用なしでスタート
- オンライン請求書で決済を案内
- 専用の決済端末がオシャレ
- 無料のPOSレジアプリがある
大きなメリットは、入金が早いこと。オンライン決済や、審査の承認の早さも特徴のひとつです。
店舗の場合は、決済端末のデザインも重要ですね。Squareのリーダーは、どれもシンプルでおしゃれ。使いやすいため、お客さんも迷わずに処理できます。
キャッシュレス決済を導入し、売り上げを増やしていきましょう。