最終更新日 2021-11-18
「どうすれば読みやすい文章を書けるだろう」
ブログや仕事の資料を書いていると、そんな悩みに思い至ります。
そこでこの記事では、読者へわかりやすく伝えるための文章の書き方を解説します。
この記事の目次
【読みやすい文章の書き方】論理的に書けば読者に伝わる
どういう文章に読みやすさを感じるか、その答えは簡単です。
ひとは、論理的な文章に読みやすさを感じます。
なぜといえば、人間はとにかく矛盾を嫌うからです。
文章を読んで辻褄の合わない箇所があったり、前後の文脈がつながっていなかったりすると、納得感が低下します。
その逆に論理的な文章を読むと、「なるほど、そういうことなのか。よくわかった」と納得し、文章自体を評価します。
では、論理的な文章を書くにはどうしたら良いか。
それは意外と簡単です。
論理的な文章は、テクニックで書けます。
論理的な文章の書き方
論理的な文章は、以下の手順を踏むとすんなり書けます。
- 問いを立てる
- 結論を考える
- 理由を、漏れなく重なりなく考える
1. 問いを立てる
論理的な文章を書くには、まず問いを設定します。
文章を読む人には、何かしらの疑問があります。
読者はその疑問を解消するため、文章を読みます。
文章を書く立場になれば、執筆の目的は読者の疑問を解消することになります。
そのため、問いをしっかり設定する。
これが読みやすい文章を書く第一歩です。
2. 結論を考える
問いを設定したら、文章を書き始める前に結論を考えます。
言い換えると文章の結論とは、「伝えたいメッセージ」です。
3. 理由を、漏れなく重なりなく考える
結論を考えたら、次に「その結論が導き出される理由」を考えます。
理由がきちんと書いてあると、「なるほど」と納得感が生まれます。
それも、ただ理由を書けばいいというわけではありません。
理由は、「漏れなく・重なりなく」書く必要があります。
漏れなく重なりなく理由を書くには、あらゆる角度の検証が必要です。
それら検証結果を経て生まれた理由を読んではじめて、「なるほど、この問いは確かにこの結論になる」と文章を読んだひとに説得力を与えます。
先に結論が生まれ、後に問いを考えても良い
ちなみに、文章を書く際に先に結論(メッセージ)を思いつき、それに対する問いを考えても良いです。
多くの場合、伝えたいことが先に思い浮かぶかもしれません。
その際にも問いを設定せずメッセージだけ書いては、独りよがりの文章になります。
「この結論を求めているひとは、どんな問いを持っているのか」と考え、問いに沿って理由を漏れなく重なりなく書く。
すると、読者にとって有益で読みやすい文章となります。
ロジックツリーを作ってから書く
ここまで、論理的な文章の書き方をざっくり説明しました。
その流れは、以下の3つでした。
- 問いを立てる
- 結論を考える
- 理由を、漏れなく重なりなく考える
これらは、「ロジックツリー」と呼ばれる思考の道具を使うと簡単に作成できます。
ロジックツリーとは、「問い・結論・理由」をビジュアル化したものです。

論理的な文章を書く際は、まずはこのロジックツリーを作成しましょう。
ロジックツリーができあがれば、それがそのまま文章の構成になります。
ロジックツリーの例
ブログのよくある記事に、「〇〇のメリット・デメリット」があります。
製品紹介などで、この形式のタイトルを見たことがあると思います。
なぜこの形がよく使われるかというと、理由は2つあります。
1つは、論理的な文章にしやすいからです。
対象のメリットとデメリットを出せば、結論へ導く理由をごく簡単に、しかも「漏れなく重なりなく」書けます。
2つは、読者にとって読みやすい文章になるからです。
メリットとデメリットにわけて論理的に書かれるため、「なるほど、そういうことか」と納得感を生みやすいんですね。
この「〇〇のメリット・デメリット」を、ロジックツリーで表してみます。

ロジックツリーができれば、あとは構成に沿って文章を書くだけです。
論理的で読みやすい文章が、それほど苦労することなく完成します。
文章の構成は2パターンある
文章の構成は、通常2パターンに分かれます。
結論を先に書いてその理由をあとに書くパターンと、問いを立て理由を並べたあと、最後に結論を書くパターンです。
【パターン1 結論を先に書く】
問い
↓
結論
↓
理由1
↓
理由2
↓
理由3
︙
↓
まとめ
【パターン2 結論を最後に書く】
問い
↓
理由1
↓
理由2
↓
理由3
︙
↓
結論
↓
まとめ(まとめがない場合もある)
結論を先に書くと、より明瞭な文章になります。
その逆に結論を最後に書くと、よりストーリー性のある文章になります。
伝えたい内容によって、使い分けると良いでしょう。
ウェブの文章の多くは、結論を先に書いています。
その理由は、読者の離脱率を下げるためです。
無料で読めるウェブ記事は、問いに対する結論がなかなか出てこないと、読者はじれったくて別のページへ行ってしまいます。
メンタルモデルを提示すると文章の離脱を防げる
また結論を先に書いたほうが良い理由は、メンタルモデルの提示があります。
メンタルモデルとは、人があらかじめ持っているイメージのこと。
先にイメージを提供すると、後の文章を読む際に負担が少なくなります。
メンタルモデルについては、以下の記事に詳しく書いたので参考にしてみてください。
>> 【文章と会話】伝わらないのはメンタルモデルの提示がないから
ツールの紹介
ここでロジックツリー作成に使えるツールを、2つご紹介します。
どちらも無料で使えます。
- XMind
- Dynalist
1. XMind
XMindは、マインドマップを作るためのツールです。
図の形式をいくつか選べ、その中にロジックツリーを書くためのフォーマットがあります。
リターンキーとタブキーで、文章の構造を視覚的に作成できます。
Xmindの使い方は、以下の記事で詳しく書いています。
2. Dynalist
Dynalistは、文章のアウトラインを作るためのツールです。
こちらはロジックツリーではなく、形式は箇条書きです。
タブキーで見出しのレベルを調整できます。
参考になる本の紹介
論理的な文章を書く際に、参考になる書籍を2冊紹介します。
この2冊で十分です。
1. 『理科系の作文技術』
論文や報告書など、明瞭に作成する理由と方法が書いてあります。
新書版のほか、漫画版もあります。
2. 『ロジカル・ライティング』
ロジカル・シンキングを用い、論理的な文章の書き方を指南してくれます。
ロジックツリーや、漏れなく重なりなく(MECE)について、わかりやすく書いてあります。
まとめ
実は、ぼく自身、論理的な文章を書くのがとても苦手でした。
小説ばかり読んで過ごしてきたので、主観的で情緒的な文章を書くのが癖になっていました。
そこで「わかりやすく伝える」を目標に、本を読んだり試行錯誤したりして、論理的な文章の書き方を身に付けていきました。
この記事で紹介したロジックツリーを使えば、論理的な文章を誰もが書けると思います。
読者は情緒的でない、客観的な文章を求めている
もちろん文学的な表現をする小説や詩、エッセイなどは、論理的でなくて良いと思います。
しかしブログの場合、特にレビュー系の記事には、わかりやすさが必要です。
なぜなら、読者が求めているのは執筆者の主観的・情緒的な文章ではなく、「客観的に、その製品が良いのか悪いのか」だからです。
読みやすい文章でわかりやすく伝えたいと思っている人は、この記事のやり方を試してみてください。
より深い知識を求めるなら、紹介した本を手にしてみるのが良いかと思います。