ここ最近(2022年)、Evernoteがずいぶん軽くなったと思いませんか?
Evernoteは、唯一無二の素晴らしいアプリです。ただ欠点は、動作が重いことでした。
それがここ最近、どんどん速くなっていると感じます。その理由は、2018年にEvernoteのCEOに就任した、イアン・スモール氏の手腕によるものです。
この記事では、Evernoteの高速化に成功したイアン・スモール氏の取り組みについて解説します。
重かったEvernoteアプリが軽くサクサクになっていて驚いた
「第二の脳」と呼ばれるEvernoteは、情報をどんどん放り込むのが基本的な使い方です。
脳の中に情報をためずEvernoteへ格納し、必要なときに検索で拾い出す。そうすれば、脳のスペースを開けておけます。
動作が重いためノートを削除しようとしたが…
そういった性質のアプリのため、Evernoteは使う期間が長くなるほどノートの数が増えていきます。
おそらく長く使っているユーザであれば、ノートの数は1万近くになるでしょう。
そこまでノートがたまると、起動も検索ももっさりしてきます。そう思ってぼくは去年(2021年)の年末、不必要なノートを削除することにしました。
しかし複数ノートの削除もまた、絶えられないくらい動作が遅い。
ノートの削除に時間がかかり過ぎる
ぼくはEvernote内に「資料」というノートブックを作り、振り分けに迷ったらそこへ入れていました。
すると当然ながら「資料」のノート数は膨大になり、一時期は4000近くまで増える事態に。そのすべてが必要なわけはなく、おそらく大部分はもう使わないのです。
そう思い削除を始めたわけですが、時間がかかりすぎて半分ほどに減らしたところで力尽きました。
前回とは打って変わって軽快に削除できた
その後、放置していたものの、最近になって急に「Evernote内を断舎離したい」と思い立ち、再び「資料」内の削除を実行しました。
すると以前と違い、サクサクと削除が進むのです。
短時間で、全体のノートの数を半分にまで削減できた
複数を選んで削除するとバックグラウンドで動作が進み、表面上は選択したノートが一気になくなります。
その状態のまま再び、複数のノートを選んで削除が可能です。
その結果、前回の1/5程度の時間で、「資料」のノート数を150くらいまで削減。Evernote全体のノートの数も半分くらいに減らせて、ノートブックの再構築もできました。
すっきり整理できて、かなり満足です。
イアン・スモール氏の改善の成果があらわれた
ノートの削除に使用したのは、Macのデスクトップアプリです。いつの間にこんなに軽くなったのか、驚きです。
そういえば2022年初頭にEvernoteのCEOであるイアン・スモール氏が、以下のブログ記事を更新していました。
Evernote公式ブログ >> CEO からのお知らせ: これまでの取り組みとこれからの計画
記事内では、2021年に品質向上のアップデートをしたとあります。
以下引用です。
2021 年の後半は、パフォーマンスの改善とソフトウェアの全体的な安定性にさらに注力しました。ユーザベース全体にわたってパフォーマンスと信頼性を計測したところ、わずか半年前と比べても数多くの主要指標の数値が改善しており、高速化と安定化が着実に進んでいます。
「CEO からのお知らせ: これまでの取り組みとこれからの計画」より
2018年の就任からEvernoteの改善に着手
2018年にEvernoteのCEOに就任したイアン・スモール氏は、Evernoteの技術的な問題にすぐに気づきました。
iOS、Windows、Mac、Android、Webの5つの異なるプラットフォームでチームが分かれ、それぞれが技術的な問題を抱えて、スムーズに同期させることが困難になっていたのです。
そのためイアン・スモール氏は、新機能や新製品の開発を中止。「Evernoteの再構築を唯一の仕事とする」としました。
なによりもユーザエクスペリエンスの向上を第一の目標として、2018年からずっと取り組み続けているのです。
2019年1月に、取り組みに向けての声明を発表
その取り組みに向けての声明が、2019年1月にEvernote公式サイトから出されています(英語です)。
>> Looking Ahead: Evernote’s Priorities for 2019
書いてあることを要約すると、以下のような感じです。
CEOに就任してから、内部と外部からヒアリングをしてきた。
未来を作っていくには、しっかりした土台を作らなくてはならないし、現状を正直に伝え続ける必要がある。
そのため私たちは、以下3つのシンプルな目標を掲げる。
1. Evernoteのすべてのバージョンを一貫性あるものにする
2. どのデバイスでも同じ体験になるようにする
3. スピード・信頼性・拡張性を改善する
根本的な改善へと決断した
Evernoteが困難な状況におちいっているのは、その中で働いているスタッフの誰から見ても明らかでした。問題はそれを指摘し、決断する人がいなかったこと。
その役を担ったのが、2018年にCEOに就任したイアン・スモール氏だったというわけです。
2021年の年末にノートの削除をしたときは重くてたまりませんでしたが、その後のデスクトップアプリの改善が目に見える形で現れたのでしょう。
複数ノートの削除だけでなく、アプリ起動やノートの表示、作成、複製など、何をするにも速くなったと感じました。
Evernoteの高速化は本当に嬉しい
Evernoteなど古くからあるアプリは、初期からのプログラムコードが手を付けられないくらい絡まっており(いわゆるスパゲッティコード)、もはや高速にすることは不可能…。そんな話を聞いたことがあります。
そのため半ばEvernoteの高速化は諦めていましたが、さくさく動くようになって本当に嬉しいです。
見た目が洗練されればいうことなし
ユーザーとしてひとつ希望をいえば、もう少し見た目のデザインを洗練してもらえれば最高ですね。
Notionに多くのひとが飛びついているのは、そのデザインのスタイリッシュな部分にもあると思います。
ともかくEvernoteのファンとして、これからの改善に期待したいです。
ちなみにNotionを使ってみましたが、Evernoteのかわりにならないと判断しました。以下にその理由を書いています。合わせて読んでみてください。