不可解なSONYの戦略。LinkBuds SはWF-1000XM4 Sが妥当

最終更新日 2022-05-21

SONYから2022年6月3日に新しいイヤホンが登場します。
その名も、LinkBuds S
この製品に違和感を持ったので、記事にしてみます。

不可解なSONYの戦略。LinkBuds SはWF-1000XM4 Sが妥当

SONYのイヤホンを使っている人なら、LinkBuds Sと聞いて「おや?」と思ったでしょう。
LinkBudsとは、2022年2月にSONYが発売したイヤホンです。
ドライバ部分に穴が空いており、環境音を自然に取り込めるのが大きな特徴です。
自分も購入して、とても気に入っています。

レビュー記事は、以下を読んでみてください。
>> SONYイヤホン・LinkBudsを使って2ヶ月。思った以上に良い

そのLinkBuds発売から4ヶ月弱しか経っていないのに、派生製品のLinkBuds Sが登場するのです。
「どんな製品だろう。Sとつくからには、LinkBudsの改良版かな」と思いました。
しかしメーカーのページを見て驚きました。

SONYサイト >> LinkBuds S

Sと付けながら、LinkBudsとは似ても似つかぬ製品

なぜ驚いたかといえば、LinkBuds Sの形状がWF-1000XM4と同じ密閉型だからです。
LinkBudsのいちばんの特徴である穴の空いたドライバは、見る影もなし。
機能もまた外音取り込みや風切り音低減、ノイズキャンセリング機能など、WF-1000XM4と同じです。

ただしノイキャン性能は、WF-1000XM4の先代であるWF-1000XM3と同等としています。
価格もWF-1000XM4より、1万円ほど安いです(オープン価格)。

つまりLinkBuds Sは、どう見てもWF-1000XM4の廉価版なのです。
ネーミングをつけるなら、WF-1000XM4 Sとするのが妥当です。

発売時期もWF-1000XM4 Sとしてなら合点がいく

ネーミングがLinkBuds SでなくWF-1000XM4 Sなら、合点がいきます。
というのも、発売時期もちょうどよいからです。

WF-1000XM3とWF-1000XM4は、2年の間隔をあけてリリースしています。
その法則に従うと2022年はリリースのない年なので、その間を埋めるためWF-1000XM4の廉価版を出すのは理にかなっています。

WF-1000XM4の価格に不満を持っていた人は、1万円安い廉価版に興味を示すでしょう。
ノイキャン性能が劣るとはいえ、WF-1000XM4より小型で軽量なら良いですね。

しかしSONYは、この製品をLinkBudsの派生として出しました。
LinkBudsとは、似ても似つかぬ製品にも関わらず。
不可解です。

LinkBudsシリーズの定義とは

今後、LinkBudsは2・3といった進化系ではなく、シリーズとして展開するようです。
ではLinkBudsシリーズとは、どのようなものか。
SONYのサイトに、その説明がなされています。

以下、引用です。

LinkBudsシリーズとは
小型軽量で快適な装着性と自然な外音取り込みができる特長により、ヘッドホンの常時装着という新しい使用スタイルと音体験を提案します。さらに、センシング技術とパートナー企業のアプリケーションとの連携により、さまざまな音体験を提供します。

SONY公式サイト ニュースページより

文章の後半はソフトウェアに関するものなので、このシリーズ特有とはいえません。
ポイントは、前半部分。
前半を読む限りLinkBudsシリーズとは、「小型・軽量かつ、自然な外音取り込みで常時装着を基本とするモデル」と定義できます。

確かにそういわれると、LinkBudsはそのコンセプトに当てはまります。
LinkBuds Sも、まあ間違ってはいません。

しかし「小型・軽量・自然な外音取り込み」は、LinkBudsだけでなくWF-1000XM4にもあてはまります。
WF-1000XM4にも外音取り込み機能があり、左右分離型イヤホンなので重量の違いはわずか。

重量はLinkBuds Sが4.8グラム×2に対し、WF-1000XM4は7.3グラム×2。
LinkBuds Sのほうが2.5グラム軽いですが、どちらも軽いので着けていると誤差のレベルです。

ノイズキャンセリング機能はLinkBudsの定義と矛盾する

またもっとも違和感を持つのが、LinkBuds Sにノイズキャンセリング機能の付いている点です。

ノイズキャンセルは、逆位相の音で環境音を相殺し、静寂を作る機能です。
「常時装着を基本とする、自然な外音取り込み」がLinkBudsシリーズの特徴なら、矛盾する機能といえます。

つまり、ノイズキャンセリング機能を搭載したこと自体が、LinkBudsシリーズの定義をブレさせているのです。

ユーザーが混乱するラインナップ

断っておきますが、LinkBuds S自体に文句をつけたいわけではありません。
疑問に思うのは、SONYのラインナップの不可解さについてです。

せっかくLinkBudsという新しい製品を作ったのに、その派生の製品がまったく異なる形状をしていればユーザーは混乱します。
個人的には今回の製品の発表を見て、SONYが作るイヤホンへの今後の期待が低下しました。

今回のネーミングは非常に残念

これまでイヤホンは、主にSONYを選択してきました。
世界初の左右分離型ワイヤレス・ノイキャンイヤホンは、SONYのWF-1000XM3です。
「ついに分離型ワイヤレスでノイキャンイヤホンが出たか」とすぐに購入し、その流れで、WF-1000XM4・LinkBudsと使ってきたのです。

WF-1000XM4もLinkBudsも、製品自体は快適に使用できています。
しかしSONYのラインナップには、難があると思っていました。
そもそも製品名が型番で覚えにくいし、数自体も多すぎると感じます。

以下からSONYストアのサイトを見てみてください。
製品の種類のスクロールが、いつまでも終わりません。
SONYサイト >> ヘッドホン一覧

そんなカオスなラインナップの中で、LinkBudsは現行の製品では唯一、型番とは別に製品名がついています。
「今後はラインナップを統廃合し、整理するのかもしれない」と期待しただけに、今回の製品にLinkBuds Sというネーミングをつけたのはとても残念に思いました。