SONYのヘッドホン・WH-1000XM4とイヤホン・WF-1000XM3、選ぶならどちらがいいか?
いずれも音質がよく、高いノイキャン性能を備えています。
この記事では、WH-1000XM4とWF-1000XM3のどちらを買ったほうが幸せになるかを解説します。
結論から書くと自宅のみで使うなら、WH-1000XM4。家でも外でも使うなら、WF-1000XM3。どちらか一台なら、WF-1000XM3です。
WH-1000XM4とWF-1000XM3のスペック
まずは、それぞれのスペックを以下の表にまとめました。スペック的には当然ながら、価格の高いWH-1000XM4の方が優れています。
WH-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
---|---|---|
発売日 | 2020年9月4日 | 2019年7月13日 |
メーカー価格 | 41,800円 | 19,800円 |
重量 | 254グラム | 約8.5グラム×2 |
コーデック | SBC, AAC, LDAC | SBC, AAC |
充電時間 | 約3時間 | 約1.5時間 |
連続音声再生時間 | 最大30時間(NC ON時) | 最大6時間(NC ON時) |
有線接続 | できる | できない |
通信方式 | Bluetooth標準規格 Ver.5.0 | Bluetooth標準規格 Ver.5.0 |
最大通信距離 | 見通し距離 約10m | 見通し距離 約10m |
音質とノイズキャンセリング性能の違い
SONYのイヤホンといえば、音質の良さとノイズキャンセリング機能が特徴です。
WH-1000XM4とWF-1000XM3も、音質とノイズキャンセリング性能の違いは気になるところですね。
聴き比べると、価格差の割りに大きな違いはないように思います。
音質の違い
WH-1000XM4のほうが価格が高いです。そのため、当然音質もノイキャン性能も良いと思いましたが…。
聴き比べると、音の迫力や臨場感はWF-1000XM3の方が感じました。
そのかわり、WF-1000XM3は高音が少し強調されているようです。長時間の使用なら、WH-1000XM4のほうが聴き疲れしにくいと思います。
ノイズキャンセリング機能の違い
ノイズキャン性能は、ほとんど同じです。
WH-1000XM4のほうが若干、カットできる音域が広いようにも思えますが、明確な差は感じません。
音質とノイキャン性能から選ぶとしても、どちらも一定の満足感は得られると思います。
WH-1000XM4の6つのメリット
ではここから、WH-1000XM4とWF-1000XM3のメリットとデメリットを整理します。
まずはWH-1000XM4のメリットから。まとめると以下6つです。
1. 連続再生時間が長い
WH-1000XM4の連続再生時間は、30時間あります。
毎日3時間〜5時間くらい使っていても、充電は1週間に1回くらいで済みます。
稼働時間が長いと充電の手間が少なくなり、使い勝手が良くなります。バッテリー持続時間の長さは、WH-1000XM4の大きなメリットです。
2. LDACに対応している
WF-1000XM3の対応コーデックは、SBCとAACです。このふたつは最低限のコーデックといえますが、WH-1000XM4はさらにLDACにも対応しています。
LDACとはSONYが開発したコーデックで、SBCの3倍の情報量を伝送できます。
Androidや携帯音楽プレーヤーでLDACに対応している場合、「24bit / 96kHz」までの高音質を聴けます。
3. 同時接続が2台まで可能
WH-1000XM4は、同時2台までブルートゥース接続可能です。スマホ2台でも、スマホとパソコン1台ずつでも、どんな組み合わせでもできます。
「パソコンで音楽を聴きつつ、電話が鳴ったらスマホで受け答え」といったことが、ヘッドホンを着けたまま可能。
テレワークする人にとって、複数のブルートゥースに同時接続できるのは便利です。
4. スピーク・トゥ・チャット機能
スピーク・トゥ・チャットとは、ヘッドホンを着けたまま話すと音楽が停止する機能です。
このスピーク・トゥ・チャット機能が、WH-1000XM4には搭載されています。
話しかけられたとき、ヘッドホンを外さず会話できるので便利。家族のいる自宅で仕事する際も、コミュニケーションを円滑に取れます。
5. NCオプティマイザー
耳の形は人によって微妙に異なっています。メガネを着けているかどうかでも、イヤーマフ内の音の響きは変わってきますね。
WH-1000XM4はそれら個人差を感知し、最適なノイズキャンセリングに自動調節(NCオプティマイザー)してくれます。
6. 有線接続が使える
WH-1000XM4は有線接続できるのも、大きなメリットです。
いくら音質が良くなったとはいえ、ブルートゥース接続は音質に限界があります。一方、有線接続であれば、より高音質な音楽を楽しめます。
おすすめDACアンプ
Apple MusicやAmazon Music Unlimitedなど、ハイレゾのストリーミングを最大限に出力するなら、有線接続した上でDACアンプを使用する必要があります。
以下の記事で、ぼくが使っているスティック・タイプのDACアンプを紹介しています。合わせて参考にしてみてください。
>> 【スマホで高音質】IKKOのDACアンプ・Zerda ITM03
WH-1000XM4の3つのデメリット
ではここから、WH-1000XM4のデメリットをあげていきます。まとめると以下3点です。
1. 価格が高い
1つ目は単純に価格の高さです。
音を聴くだけのイヤホン(ヘッドホン)は、安価なものだと1,000円くらいで買えます。1万円のイヤホンなら、十分、高音質でしょう。
にもかかわらず、WH-1000XM4に4万円前後を出す価値が果たしてあるのか。
WH-1000XM4の購入を検討したとき、最もネックなのは価格だと思います。
2. 重い
いくら音質がよくノイキャンが優れていても、イヤホン(ヘッドホン)は軽いに越したことはありません。
WH-1000XM4はヘッドホンの中で軽量な部類に入るにせよ、それでも254グラムあります。
カバーを付けた大型スマホを、ずっと頭の上に乗せているようなものです。長時間つけると、首が疲れてきますね。
3. かさばる
最後のデメリットは、かさばることです。
WH-1000XM4には収納ケースが付属していますが、イヤホンに比べれば比較にならないほど大きいです。
WH-1000XM4を持って外へ出かける気には、なかなかなりません…。
WH-1000XM4の特徴まとめ
ここまで、WH-1000XM4のメリットとデメリットを見てきました。その特徴をまとめると、以下になります。
自宅でテレワークには最適だけど、大きくて重いから外へ持っていく気にはならない
自宅で使うなら、性能的に申し分ないです。スピーク・トゥ・チャットなどリモートワークに適した機能を装備していて、仕事がはかどります。
じっくり音楽を楽しみたいときは、有線接続に切り替えられるのも嬉しいポイント。
WF-1000XM3と比較すれば、WH-1000XM4は自宅使用に適したヘッドホンです。
以下の記事で、WH-1000XM4のリモートワークでの利用について解説しています。合わせて参考にしてみてください。
>> WH-1000XM4リモートワークは快適か【通話品質に難あり】
WF-1000XM3の3つのメリット
ではここから、ノイズキャンセリング・イヤホンWF-1000XM3のメリットを解説します。まとめると以下3点です。
1. 軽い
WF-1000XM3のメリットは、なんといっても軽いことです。イヤホン一つが、約8.5グラムしかありません。
耳の穴にギュッと押し込むカナル型なので、着けると耳と一体になり存在感をあまり感じません。
2. 充電ケースで満充電できる
小さいため再生時間は約6時間と短いですが、そのかわり携帯型の充電ケースがついています。
充電ケースが満充電の状態で、WF-1000XM3を3回充電できます。つまり6時間×3回で、18時間の使用が可能です。
3. イヤーピースが豊富
イヤーピースを交換できるのも、魅力のひとつです。
WF-1000XM3には、付属のイヤーピースが7種類も付いてきます。それでも耳に合わなければ、市販に星の数ほどイヤーピースが売られています。
実際にイヤーピースを交換し、音質アップさせた記事を以下に書いています。合わせて参考にしてみてください。
>> WF-1000XM3のおすすめイヤーピース2つ紹介【音質が向上】
WF-1000XM3の3つのデメリット
もちろんメリットばかりではありません。ここからWF-1000XM3のデメリットを紹介します。まとめると以下3点です。
1. 充電がもたない
WF-1000XM3はノイキャンをオンにして、連続再生が6時間できます。
しかし音質をアップスケーリングするDSEE HXを使うと、連続使用が体感で3時間くらいに落ちます。
DSEE HXはこのイヤホンの売りでもありますから、積極的に使いたいところです。しかし使うとバッテリーを激しく消耗する。これは大きなデメリットです。
2. 合うイヤーピースが見つからない
耳へ押し込むカナル型は、イヤーピースがフィットしないと不快感があります。ノイキャン性能や音質も低下するので、フィットするイヤーピースは必須です。
しかし耳の穴は個人差がありますから、自分に合うイヤーピースがなかなか見つからないケースがあります。
3. 防水なしは不安
ブルートゥースイヤホンは、ジョギングなど運動しながら使う人もいます。しかしWF-1000XM3には防水機能がありません。
生活防水すらなしなので、雨が降ってきたときは焦ります。
WF-1000XM3の特徴まとめ
WF-1000XM3の特徴をまとめると以下になります。
軽くて高音質、ノイキャン性能もよい。外でも家でも使いやすい
最大のネックは、バッテリーですね。特に高音質にアップスケーリングするDSEE HXを使うと、バッテリーの減りが激しいです。
外出時には、DSEE HXを控えたほうが安心して使えます。
まとめ
以上、ヘッドホン・WH-1000XM4とイヤホン・WF-1000XM3の比較でした。
まとめると、以下になります。
- WH-1000XM4は多機能、在宅で威力を発揮する
- WF-1000XM3は軽くて持ち運び簡単、外でも家でも使いやすい
どちらか一台を選ぶなら、個人的には使いやすく価格も安いWF-1000XM3かなと思います。
それぞれのレビュー記事は、以下に書いています。
>> 【WH-1000XM4レビュー】ノイキャン性能が向上・有線も可能
>> WF-1000XM3レビュー【高音質なノイキャンイヤホン】